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おまたせしました!新章突入です!
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1か月ちょっと前に、仲間たちを置き去りにする直後まで話は戻る。
あの時、緊急案件のメッセージが入り、数日後に出発する予定だったのだが、転移者の報告書を確認すると、明らかに違和感がある内容だったようで、すぐに艦へと隔離措置と、再度状況の確認を求める。
とのことで、実際に確認した。
どうやらこちらの把握している地球の状況と違うそうだ。
詳しく聞きたいのだが、彼も混乱しているらしく、正確な情報の聞き取りが出来ないでいる。
とりあえず話を聞きながらでもいいから、目的地に向かう方が良さそうだ。それに俺の艦は困ったことに、広いから全てを見て回っても時間がかかるから気分転換にはちょうどいいだろう。ということで、出港手続きをクロに頼み、最初の経由地はブラナルズミナス星系に向かうように指示を出した。
その後、母さんに新人たちの回収と教育も頼んだ。
この時ミッドガルツに居る仲間達の回収を頼んだが、この時資格試験しにいってるもの達と受講しにいっていた奴らのことを、コロッと忘れて出港してしまったんだ。
そして彼に話を聞こうと思ったんだが、ここに来るまで気が休まらなかったんだろう。最初の経由地に到着するまでずっと寝てた。
だから今のうちにできることをと思い、第二小隊の戦艦蒼海に乗艦している、父親に連絡することにした。今わかってる事だけでも聞いておこうと思ったからだ。
幸い、ついている役職は有るものの仕事はしなくても優秀な奴らが全部やってて暇だったから教えてくれた。
そして分かったことがある。
一つ目に、
彼の世界の年号は、皇歴。O.D.
我々の世界の年号は、西暦。A.D.
二つ目に、
皇族が支配している。ということだ。彼の国は、3,000年くらい政権が変わったことが無いそうで、皇族は常に平和を望んでいるが、今代の皇帝は、特に平和を優先する傾向があるが、金の使い方も荒いらしい。ただ、血税で豪遊しているのではなく、自身の年俸で遊んでいるので、周りからの反感は、無いそうだ。
そして、世界の調停者としても君臨しているので、彼らが出向けば戦争が終わると言われるほど、軍事力も強いそうだ。
三つ目は、
宇宙事業も手掛けており、西暦世界より、もう少し発展しているが、公然の秘密という奴で、明らかに、彼ら地球人じゃない人物たちが、太陽系内の防衛と資源の回収をしてくれているそうで、地球の物資には困らないそうだ。それに、彼らが技術を学べる環境を作ってくれているおかげで、皇歴世界の地球人たちも徐々にではあるが、宇宙に進出できるようになっているそうだ。
四つ目は、
現在地球に存在する移動手段では化石燃料を使用する移動手段は原則禁止となっているそうだ。よっぽど必要あるいは撮影時しか許可されていないそうだ。
環境問題と宇宙に上がるための推進剤が既に化石燃料を使用しないものを開発していてそれの代用で全てが賄えているからだそうだ。
化石燃料を使用した乗り物に乗っていることを、言っていたことから推察するに、時代が違う可能性があるので、着いてから調べるか、時間はかかるが、調べてもらう方法があるそうだ。ただし、調べてもらう方は正確に住んでいたであろう場所の情報が無いと調べ用が無いそうだ。
そこで、行き詰まることになるのである。現在、彼の住んでいた住所を確認してもらったが、明らかに現存する住所が無いそうだ。
・年号が違う。
・皇族が支配しており、3,000年近くその国で反乱が起きないほど平和な国である。
・違う世界、あるいはその世界の違う星の人間が、すでに接触している。
(そんな情報が上がっていないところを考えると、明らかに違う世界だと思われる)
・化石燃料を使用している。
以上の四点を確認したため、いったん考えること自体を保留にして、彼と仲良くなることを優先することにしたんだ。
それが、艦を出して、1日目のことで、ブラナルズミナス星系はもう目と鼻の先に位置しているところだった。
「んー。なんか納得いかないけどな」
【何が、納得いかないのか分からないが、こういう時は、魔工技師長に聞くのも一つの手では?】
「んー。それが、技師長。いま、新定義された理論を検証中だそうでな。さっき軽く扉の隙間から見たんだが、目がな・・・・」
あれはヤバい。
【どうしたんだ?】
「充血した目が血走っていたんだよ。ホラーすぎて、俺は逃げてきた。」
【彼の居る部屋に睡眠ガス流し込む準備でもしておこうか】
「頼む。それと、技師長が目を覚ましたら、ココに来るように伝えておいてくれ」
【わかった。実行する。【・・・・・】研究所の中にいた者も一緒に、眠らせてしまったが、文句はないよな】
「かまわん。出港する前から、籠っていた連中だ。寝ない奴が悪い。」
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