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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。
「すまんな、整備班には今回は苦労を掛けるな。えーと、君は・・・」
「っとと、あれ、サクシェラス中尉じゃないですか」
「あぁ、すまん。自己紹介していないせいか、名前が一致しないんだが、いつも俺たちの機体を整備してくれている者たちだろう?」
「おりょ、どうした?」
「あぁ、オクレ班長、航空隊が自己紹介したいと」
「おう、わかった。お前は作業に戻れ、中尉さんはこっちでいいか?」
「あぁ、仕事中すまんな」
「いいさ、俺たちの名前を憶えてもらえるなんて、うれしい話さ。」
「掛けてくれ、ココは俺たち整備班第二班が貰っている待機所だ」
「第二とは?」
「まぁ、先に自己紹介させてくれ。随分昔に名前だけ通達があっただけで、航空隊の方にはあまり、出撃要請が無かったから接触が無かったんだ。改めまして、オクレ・ラーグン曹長 整備班 班長をしている。さっきの、第二については簡単だ。もともと、修理屋はそこそこの人数を家族単位で乗せてくれていたし、工房もひとつの所だけをスカウトしたんじゃなくて、3つの工房を同時にスカウトしてたから、整備班・機関科ともに大所帯になっているんだよ。俺でも全員の名前までは無理だから、お前さんと一緒さ。
それでだな、第二の理由だたな」
「あぁ」
「もともと整備班は大所帯なんだが、艦のメンテナンスと船以外の乗物込みでのメンテナンス作業とで業務を分けたんだよ、だから、第一と第二の優劣なんかは無くて、第一の応援に駆り出しが有ったり、逆もあるってことだ。だから、俺たちは、乗物系の整備をする班なんだが、仕事が無いから、艦の保守点検作業も一緒にしていたところだったんだよ。それに、今は、蒼海に乗ってるメンツも、もともと第一と第二のごちゃまぜで居るから俺も今では判別できんしな」
「なかなか剛毅な答えだな」
ざっくりとした性格は、すきだな。
「それで中尉」
「ラスでいい。航空隊の部下はそう呼んでる」
「じゃ、オクレでいいぞ、よろしくな。ラス」
「こちらこそ、オクレ」
ワープの件、確認したほうがいいよな。
「それでな、オクレに一つ頼みというか、何というかな」
「おう、なんでも言ってくれ。俺たちは整備士だ。違和感があるのに出撃させるとか、正直怖い。ちゃんと言っといてくれ」
「わかった、まず一つ目なんだがな。今回の任務において、ワープが一瞬できない事態に陥った」
「詳しくは聞いていないが、そのせいで味方と合流できなかったらしいな」
「そうだ、原因の解明と改善を頼みたい」
難しいだろうけど、
「大変な作業になると思う。今回の件は、ワープ技術の権威とまではいかなくても、そこに近い、ワープ技術開発機関に依頼して、調査してもらった方がいいな。それとラスの機体については、エンジンのオーバーホールだけにするつもりだったが、気が変わった。すべて交換する」
オイオイ、そんな大金が絡むことをいきなり言うなよ。それは艦長に確認することなんじゃ・・・・
「なんか、すげー面白い顔してるから説明するけど、お前たちは、機体を丁寧に扱いすぎて、こっちの整備はいつも簡単な整備か部品交換期限が来てるものしか、金がかかっていないんだ。だから、こういう時にパッと使っておかないと、次回の予算も降りないからな」
「・・・・」
切実な理由をアリガトウ。
「ヨシ!
お前ら、ラス隊長の機体は、オーバーホールだけじゃなくて、機械部分も全て交換だ!!」
「なんかあったんすか?」
「こないだ出撃する前に、機械部分は、全部確認してたんですが、不具合出てましたか?言ってもらえれば修正しますけど」
やはり、皆さんはもっともな意見を言ってくれていr
「いや、今回の任務で不具合が起きたのかどうかが、さっぱりわからんが、ラスが言うにはワープが出来ずに仲間と合流できなかったそうだ」
「『!?』」
「わかるだろ、これは一大事だ。こんなことがもしも、次回も起これば、次は無事に帰投できるかさえ怪しくなるだろ・・・・・・・・わかったら、作業に戻れ!!」
「すまない。大事にしてしまって」
「何を言っている。もともと俺たちの仕事はこんな感じの工房経営でやり繰りしていたんだ。こんな中途半端な仕事をして死人を出す方が、最も最悪な仕事になるだろうからな。だから、次も必ず・・・・・・必ず、帰ってこいよ。いくらでも機体は直してやるから、五体満足で帰ってこいよ。
いくら、義手、義足の技術が上がっていると言っても、生身であることの方が重要なんだからな。機械になれば、その部分はどうでもいいと、思うようになるやつもいると聞くからな。お前たちは、
必ず、生きて、しぶとく、生きて・・・・・帰ってこい」
「・・・・・・・。分かった。必ず、帰投する。だから、次に飛ぶ時までには最高の仕上がりを期待するぞ」
「『任せろ!
こっから先は、俺たちの、仕事だ!』」




