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陰陽学園の鬼神嫁 ~十二天将の力を全て手に入れたら、愛が激しい美少女たちと永遠になる物語~  作者: みなもと十華@姉喰い勇者2発売中
第二章 大陰陽師

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第七十七話 常勝不敗最強無双無敵のパーティ

 (かつ)て、乱や変やクーデターといった歴史的転換点に登場する武将や軍人達。後世の書物には英雄か将又(はたまた)悪党か、勝者が歴史を作り長い物語として紡がれてきた。

 今、この歴史的大事件の真っただ中に()いて、全く無名のハーレム王で少しヘンタイさんの少年と鬼の少女達が、クーデターを阻止し呪術的大厄災から国を守ることになるとは、まだ誰も知らなかった――――



「可憐に咲く撫子の花~♪ 我ら鋼鉄の乙女~♪ 咲く場所は違えど散る場所は~♪ アッー!」


 杏子がアニメのオープニング曲を歌いながら、深夜の都心を装甲車で爆走する。

 初めてなのに凄いドライビングテクニックだ。

 大きな装甲車を右へ左へとハンドルを切り、乗り捨てられた誰かの車を華麗に避け、理想的な曲線を描きながら交差点を曲がり、まるで歴戦の勇者のように自衛隊車両を扱っている。


「ええっと……何だか鈴鹿さんって……実は凄い人なのでは……」

 信じられないものを見たといった感じの顔で春近が呟いた。



 天井ハッチを開け、アリスとあいが外を覗いている。

 正面ゲートが見えたら、あいの電撃魔法を一発お見舞いする予定だ。



 羅刹あいは緊張で体が震えていた。

 幼少の頃……呪力が暴走し友達を傷付けてしまったこと。その記憶が彼女の心に鎖となって、今でも(かせ)のように重くのしかかっていた。


 大丈夫……上手く使えるはず……でも、もし人を傷付けたらと思うと体が震える……

 あいは何度も心の中で念じる。


 その時、アリスが彼女の肩に優しく手を乗せた。

「大丈夫です、わたしが呪力で因果律変動させます。死者は出しませんです!」


 まるで、あいの気持ちを読み取ったかのように、不安を取り除き安心感を与えてくれた。


「うん」

 あいはアリスの目を見て小さく頷いた。



 やがて正面ゲートが見えてくる。

 ゲート前にはバリケードを設置しており、戦闘車両や武装した隊員が見える。


「行くよ! 雷撃!」

 ズバババァァァァァァァン!!!!!! ズドドドドドドォォォォン!!!!!!


 一瞬にして青白い雷光が何本も空中に走った。アリスの呪力によって因果律変動されたそれは、前方に存在する全ての電子機器を破壊し、戦闘車両の電気回路を焼き切り、テロ防止車両止めポールを破壊する。しかも、武装した者達の手前に落ちて大きな怪我をさせることもなく吹き飛ばし、凄まじい爆音を轟かせて戦意を喪失させた。


「えっ、えっ……」

 春近は予想を超える、あいの攻撃力に度肝を抜かれた。


「武器を捨てて隅に寄りなさい!」


 続いて渚が強制の呪力を使った。前方にいる全ての者に命令する。

 絶対服従の強制命令により、そこにいる全員が武器を捨て手を上げて道を開けた。


「す、凄すぎる……何だコレ、無敵じゃないか」


 改めて渚の呪力を間近で見て思い知らされる。

 春近は、信じられないような光景を、ただ茫然と見るだけになってしまった。


「行きますよ! 舌を噛まないように注意して何かに掴まって下さい! 突撃!」

 ドッガッシャァァァーン! ズガガガガガッ! ブロロロロローッ!


 杏子は装甲車をフル加速させ、バリケードを蹴散らせて官邸敷地内に突入した。

 途中、前方に止まっている車に衝突するが、無理やり押しのけて進んで行く。


 ドドォォーン! バリバリバリッ!


 建物内から何人も武装した者たちが出てくるが、渚の呪力で次々と全員無力化されてしまっている。


 装甲車が正面玄関前に着くと、忍が立ち上がった。

 普段は大人しい彼女が、とても頼もしく力強く見える。


「ここは私に任せて下さい」


 忍が気合を入れ呪力を開放すると、体が黄金(ゴールド)白金(プラチナ)のような美しい光を纏った。



「行きます!」

 彼女は装甲車後方から飛び出ると、近くにあった高級セダンを掴む。


「うおぉ!」

 グガガガガッ――――


 2トン近く重量がある高級乗用車が軽々と持ち上がった。その姿は、まさにファンタジー世界の凛々しく逞しい女戦士のようだ。

 そのまま、乗用車を盾のように正面に向け、正面玄関に向かって突撃する。


「うおおおぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」

 ズドドドドドドォォォォォォン! ガッシャァァァァァァァン!


 厳重に閉鎖されていた玄関ドアは吹き飛び、盾にしていた自動車もろとも官邸内に突入して行く。


「えっ、えっ、えっ、えぇぇぇぇぇ!」

 春近は、目の前で繰り広げている光景が凄すぎて、語彙力(ごいりょく)が低下してしまう。

「何だこれ、凄い、凄すぎる!」


 あまりの圧倒的強さに、春近でなくてもこうなるだろう。


 ――――――――




 蘆屋満彦は、蠱毒厭魅(こどくえんみ)の最終段階の為、ルリを地下室から運び出していた。

 二階にある大ホールに魔法陣を作り、その中心に贄としてルリを置く手筈だ。


 満彦の命令で、和沙たちは結界でルリを縛りながらストレッチャーを運び出していた。丁度その時、三階の正面玄関エントランスホール付近から、何かが破壊されるような轟音が聞こえてきた。


 ガッシャァァァァァァァン!



「何だこの音は!」

 満彦が怒鳴る。



 きっとハル達だ……来てくれたんだ……

 ルリは心の中が嬉しさでいっぱいになった――――




 満彦は黒百合を睨む。

「おい、どうなっておる!」

「知らない。接近して来た自衛隊は、全て無力化した……命令通り」


「くっ、急ぐぞ!」

 満彦は苛立ちを隠そうとせず、天狗の少女達に命令して二階へ向け駆け出した。


 ――――――――





 先頭を切って突入した忍の後に続いて、春近達もエントランスホールに入った。


「総理官邸は地上五階地下一階建てですが、この正面玄関から入ったエントランスが三階です。呪術的儀式で広いスペースを使うとなると、二階の大ホールか四階の閣僚応接室だと思われますが……もしかしたら一階の記者会見室かも……」


 杏子が説明する。総理官邸の知識まであるようだ。


「ルリはどっちに居るんだ。上か下か……急がないと、早く助けに行かないと!」

 走りながら春近が叫んだ。



 その時、階段から敵の援軍が現れる。

「撃てっ!」

 ダンッ、ダダダッ、ダダダダッ!


 指揮官の命令で、多数の銃弾が春近たちに向け発射された。


 まずい、やられる!

 そう思った刹那


「命中率改変!」

 アリスの呪力で銃弾は全て外れ一発も当たらなかった。


「す、凄い、アリス! 弾が当たらないってこういうことだったのか。でも、遠くから銃で狙われたらヤバいぞ!」

 春近が叫ぶ。

 

 その時、何処からか四人の影が階段上に現れた。余程の強者なのか、敵をちぎっては投げちぎっては投げの大活躍で次々と無力化している。


「あれっ? あの人……渡辺先輩達だよな」

 春近が言った通り、その四人は頼光四天王だ。


 どうやら彼らは、春近達が正面玄関で大乱闘して敵勢力がそちらに集中している隙に、別の入り口から突入していたのだろう。

 ルリに簡単に負けてしまった四天王だったが、呪力を持たない人間には桁違いの強さを見せている。


「キミ達、ここは我々に任せて先に行くんだ!」

 渡辺豪がヒーロー漫画でありがちな、途中から仲間になったキャラみたいなセリフを言う。


「ここはお願いします!」

 春近はそう言い先を急いだ。


「上か、それとも下か!」

「下のような気がするです!」


 もう、ここはアリスの勘に頼るべきだろう彼女の勘は凄い確率なのだから。


「よし下に向かおう!」

「「「おおーっ!」」」


 春近達は、階段を下り進んで行く。組閣の時に記念撮影する場所で有名な階段だ。

 伝説の陰陽師の転生者である蘆屋満彦と天狗の少女達が待つ部屋へ。

 ルリを取り戻す為に。


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