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陰陽学園の鬼神嫁 ~十二天将の力を全て手に入れたら、愛が激しい美少女たちと永遠になる物語~  作者: みなもと十華@姉喰い勇者2発売中
第一章 鬼の少女達

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第三十六話 GW編Ⅵ 眠れぬ夜

 突然の来訪者に、せっかくのロマンティックなムードはぶち壊される。


「はるっち~ 一緒にねよっ!」


 あいちゃん乱入である。

 その後ろから、凄い威圧感を出した渚、いや全員が入って来る。

 良いムードだったのを邪魔されて、ルリが一気に不機嫌になってしまった。


「えっと、ま、マズい……」

 春近は不機嫌でキレそうなルリを静めようと考える。


 これはマズい、ルリがブチギレそうになっているぞ……止めないと。

 と、取り敢えず、頭なでなでして落ち着かせよう!


「ルリ、よしよし~」

「ふにゃ~」

 ルリはすぐに大人しくなった。

 ちょっと、チョロすぎるような気もするけど、そこは黙っておこう――――



 咲は、予想外の状況に呆然としている。

 ――――今夜はハルと最後までいくんだと覚悟を決めてたのに……


 そして、ガックリとうなだれた。

 恥ずかしがっていながら、実は思い切り甘えたかったようである。



 しかしながら不思議なのは、施錠してあるドアが開いたことだ。


「鍵かけてあったはずなのに、どうやって入ってきたの?」

「しおしおが開けてくれたよ」

 春近の問いに、あいは栞子を指さして言う。


「わたくし、尾行と鍵開けと侵入は得意ですので」


 栞子さん……

 何でストーカーみたいなスキルを持っているんだ……

 ヤンデレっぽい言動がある栞子さんが言うとシャレにならないぞ……

 というか、栞子だからしおしおなのか? しおりっちじゃないのか?

 いや、問題はそこじゃないけど。



 栞子のストーカーっぽい言動に危機感を募らせる春近だが、その前に目の前の渚がギラギラする目を向けているのに気付いた。


「春近! 主であるあたしが来たのだから、あたしが満足するまで御奉仕しなさいよ!」

 渚が、春近の上に馬乗りになって、興奮した顔を近づける。

「はぁ、はぁ、もうダメ! もう限界!」


 渚は春近に対するドロドロした欲求が限界に到達し爆発寸前だった。


 がばっ――――

 そのまま(むさぼ)るようなキスをした!

「うふぅぅぅむぅぅん……ちゅっ、ふぅ……」


 渚は、皆の見ている前で、“春近は自分のものだ”と言わんばかりに強烈なキスをし、しばらく吸った後でくちびるを離し勝ち誇ったような顔をする。



「ぷはっ、ふふっ」


「はぁぁぁぁぁー! 何やってんの! ハルから離れろ!」

 ルリが渚を引きはがそうとする。


「はるっち~ うちも~ ちゅぅぅぅー!」

「うわあっ、ちょ、あいちゃん、んんぅ~~」

 あいがぽってりしたくちびでキスをしてくる。


「旦那様! わたくしも!」

「ちょ待て、んふぅ~~」

 当然、栞子もキスをする。



 連続キスで頭がボーっとする春近だが、目の前で荒ぶる女子たちに踏まれ揉みくちゃになっている杏子の姿が見えた。


「ぐはっ、助けて……ぐえっ」


 特に荒ぶるルリと渚の取っ組み合いに巻き込まれている杏子。可哀想なので、春近が救出してあげた。


「土御門君! なにとぞお慈悲を!」

 ちょっと意味が分からないが、杏子がくちびるを突き出す。


 もう、もうやけくそで杏子にもキスをした。



 結局全員とキスしてしまった春近――――

 もう完全にハーレム状態になってしまう。

 強烈なキスを奪った渚にルリが対抗心を燃やし、もう一触即発状態にも見える。

 

「お、落ち着いて。とにかく、もう寝よう。夜中に大騒ぎしたら他のお客さんの迷惑だよ」


 場をおさめようと、寝ることを勧める春近だが、この後、恐ろしいことになるのを知らない。




 そして、現在こんな状況である――――

 ルリとあいに両側を挟まれ、渚が上に乗り、咲が頭を抱える形になり、栞子と杏子が両足を掴んでいる。

 全く身動きが出来なくなってしまった……


「重い! つぶれるー!」


「あたしは重くないわよ! 重い女もいるけど……チラっ」

「何で私を見るの! 私が重いって言いたいの!?」

 渚の発言にルリがキレ気味に反論する。

「私、重くないから! 胸とかアレとかなんか色々大きいだけだから!」


 口に出しては言えないが、見た目はルリが身長も高く胸や尻がグラマラスだ。


「ハルぅ、私……重くないよね!?」

 少し不安そうな顔でルリが聞く。


 実際、ルリに上に乗られるとけっこう重いのだが、そんな事は口が裂けても言えるはずもない。

 決して太いわけではなく、出るとこはムチッと出て、引っ込むところはキュッと引っ込んでいるのだから。


「お、重くないよ……」

「ホント?」

「う、うん……」

 むぎゅぅ――

「うっ!」

「は?」

「お、重くない重くない。ぜっんぜん重くない」

「わかったっ」

 何とか誤魔化した。


 

 狭い部屋の一枚の布団に七人が折り重なり、(はた)から見たら淫靡(いんび)だが春近にとってはピンチの夜が更けて行く。


「ハルぅ~ だいしゅき~」

 ルリが春近の首筋をペロペロしてくる。


「はるっち~かわいぃ~」

 あいは指先でつんつんする。


「春近、良い表情してるわね! ゾクゾクする」

 渚が目をギラギラ輝かせて微笑みながら、春近の顔を見つめる。


「ハル! アタシの方を見ろよ」

 咲が春近の頭を包むようにして見るめる。


「旦那様、ここが凄い事になっていますよ」

 栞子が何処かを凝視してしている。


「くふっ、何だか背徳的な気分になりますね」

 杏子が、危ない妄想をしている。


「ぐわぁぁぁー! 助けてぇぇぇぇぇー!」 

 全員にアチコチ攻められて、春近は理性が限界突破しそうだ――――




 チュンチュンチュン……

 翌朝――――


「一睡もできなかった……」


 女子全員は凄いテンションでペロペロイジイジした後、途中で疲れて眠ってしまったのだ。

 春近だけ興奮が醒めずに朝まで眠れなかった。

 何だか朝チュン展開に見えるが、決して朝チュンではない……


 入学前、春近は、こんなモテモテハーレム無双状態になるなど夢にも思わなかった。

 今までと同じように、教室の隅でゲームをやっているキャラだと思っていたのだ。

 しかし、ルリと出会ってから、人生が大きく変わったのだと感じた。



 この先、体は持つのだろうか――――

 そんな不安を感じながら、春近は側に寄り添うルリたちの寝顔を見つめる。

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