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陰陽学園の鬼神嫁 ~十二天将の力を全て手に入れたら、愛が激しい美少女たちと永遠になる物語~  作者: みなもと十華@姉喰い勇者2発売中
第一章 鬼の少女達

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第二十六話 暴虐と強制

 羅刹あいは色々と事情を知っていると、春近はそう感じた。


(嘘をついて後からバレたら信用を失ってしまうかもしれない。ここは、正直に本当のことを伝えた方が良いよな)


 真剣な顔になった春近が、あいの方を見る。

 体勢は、あいの胸に埋もれそうだが。


「うん、鬼の転生者の話は聞いてる」

「やっぱり、じゃあ、うちも鬼なのは?」

「知ってる……」

「そうなんだぁ」


(羅刹さんは、一体どういうつもりで聞いてきたんだろう)


 春近は彼女の考えを探っていた。

 

「はるっちってさー変わってるよね」


 あいは春近の首に回した腕に力を入れ、更に自分の方に引き寄せる。

 当然、大きな胸に顔が埋まるような形になった。


 むにゅっ!


「ちょ、ちょっと、くるしい……」

「うちらが鬼だって知ってるのに怖くないんだぁ?」

「羅刹さんは悪い人じゃなさそうだし」

「きゃはっ! 簡単に信用しすぎ!」


 あいは、少しだけ嬉しそうな表情をするが、すぐに真面目な顔になって話し始める。


「うち、めっちゃ強いよ! もし、うちが悪い人だったら、はるっちは死んじゃうかもしれないのに」


 彼女は突然物騒なことを言い出した。

 実際その通りなのだろう。強大な力を持つ鬼に軽々しく近付くのは危険なのだから。


 だが、春近は何故か彼女らを受け入れてしまっている。

 鬼だとか強い力とかではなく、一人の女の子として。



「そういえば、なんとかフォーを潰しちゃったのって、あの子なの?」

「えっ、なんとか?」


(なんとかフォー……? 四天王のことかな?)


「うん、ルリが」

「ふーん……」


 あいは、少し考え込んだ後、春近を解放する。


「今日、放課後にうちのクラスに来なよ。もう一人も紹介するし」


 あいは軽く手を上げて春近に挨拶すると、校舎内へ戻って行った。


「えっ、もう一人って大嶽さんかな? ええっ、こんなに簡単に? これで二人と親しくなれば……」


 意外とスムーズに事が運んだようだ。

 しかし、そう上手くは行かない事を、後に思い知るのだった。



 ◆ ◇ ◆



「ハル、おかえりー」


 春近が教室に戻ると、ルリが抱きついて迎えた。


「くんくんくん……ハル、別の女の匂いがする!」

「うっ、そ、それは……」


 羅刹あいに抱きつかれた時の微かな匂いがバレて焦る春近だ。


「また……浮気か?」


 咲にツッコまれる。


「まっ、ハルと結婚する人は大変そうだな! んっ……」


 咲は自分で言っておきながら、恥ずかしくなって赤面した。


「え、えっと……咲……顔が」

「うっせ!」


 照れて赤くなる咲が可愛かった。



 ◆ ◇ ◆



 放課後――――


 春近はB組の教室前に立っていた。

 あいの誘いに乗り、もう一人の女子に会いにきたのだ。


 ガラガラガラ!


 扉を開けると、そこには二人の少女がいた。

 他の生徒が誰もいない。


「はるっち、こっちこっち」


 春近の顔を見たあいが、元気に声をかけてきた。


 あいの隣にいるもう一人の女子は、大嶽おおたけなぎさで間違いないだろう。

 金髪をサイドテールで巻き髪にし、震えるほど美しく鋭い目をした美少女だ。威圧感が半端ない。


 凄い美人だが、印象としてはキツそうな感じで春近の苦手なタイプだった。

 羅刹あいが『オタクに優しそうな黒ギャル』だとすると、大嶽渚は『オタクに厳しそうな白ギャル』に見えてしまう。


 春近の勝手な想像だが。



「あの、初めまして、土御門春近です」


 二人の前に立った春近が自己紹介する。


「うちは羅刹あい、こっちが大嶽渚、渚っちね! あと、うちのコトは『あい』か『あいちゃん』で!」


(え……その二択なのか?)


 フレンドリーすぎるギャルに春近が戸惑う。


「では……あいちゃん……で」


「きゃはっ、超キョドってるー! うけるー」


 羅刹さん改め、あいちゃんに笑われる。

 一方、大嶽渚は鋭い視線を崩さない。


「ふーん、コイツが……」


 笑っているあいを横目に、大嶽渚が鋭い目つきで睨んでくる。

 もう、上から下までジロジロと。

 まるで強烈な執着があるように、何かお気に入りの玩具を見つけたかのように。


 春近は動揺を隠せない。

 少し足が震えてしまうほどに。


(どど、どうしよう……大嶽さんは苦手なタイプだ……。何か、すっごい見られてるし……)


 しかし、渚の次の言葉に春近は驚愕した。


「コイツを寝取っちゃえば、酒吞の悔しがる顔が見れるかもね」


 大嶽渚が、突然とんでもないことを言い出した。

 NTRが許されるのはフィクションの中だけだ。


「え、え、何言ってるの……」


 驚いて後ずさりする春近を見つめる渚の瞳がギラギラと輝く。


「どうせ、あたしの強制の呪力からは誰も逃げられないし。あんたは、あたしの奴隷決定ね!」

「はぁああああああ!?」


 開始早々、攻略どころか奴隷になりそうな春近だった。



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