だんでぃーきゃっそー
07 男の城
授業は…魔力の抑え方?というガッツリ専門な内容だった
抑えるどころか解放も出来てない自分には役に立たぬことであり申した
…そういえば単位制だったはずなんだが
そう思いながら周りを見渡すと参加していた人は手元にホログラムを広げていた
参加していない人は寝たり談笑していたりとだいぶ自由に過ごしているようだ
「…単位制なんだよな?」
「うん?そうだが…あぁ、二限目に必修があるからね、みんな来ているんだよ
まぁ未履修でも受ければ単位が貰えるからやっておいていいんじゃないか?」
ふぅん、そういうものか?
「では二限は実習なので着替えてから体育館に集合してください」
先生がそういう
「ほら、ここは女子達が使うから我々は直ぐにでるぞ、チェリーくん」
「ん、あぁ、あの後ろのロッカーは女子のか」
レックに連れられてドアに向かう
恥じらいのない女子は既に下着になり始めているが
ヘラと目が合う
…とりあえず頷いといた
連れられてすぐ近くの更衣室とある部屋にはいる
「……ほぉ?」
中に入るとパリッと魔法の膜をくぐり…
そこには男の城が形成されていた
「…わかってるじゃねーか」
「わかるかい?」
「もちろん」
ドアを開けただけでは普通の部屋だったが中に入ると世界が一変した
あれな本やあれなポスターなどがでかでかと壁を占拠していたり
なんと箱型のパソコンに古い音楽再生機などがある
「わかる、人なんだね」
「よかった、真っ直ぐにレックに近づいたから…陽の人かと…」
そこにはフードを被っていた男性二人がいた
「ふふ、陽と判断したらこちらには呼ばない決まりだろう?」
「いいね、というか旧型のパソコンとか初めて見た、再生機も…古いが悪くない、よく手入れされてるな」
「っ!?」「ほぅ…」「…!」
三人がばっと俺を見る
その目はどこか期待と驚愕を含んでいる
「…あぁ」
俺はポケットから
スマホを取り出した
「やはり…」
「おっお!」
「すげぇ!」
三人の反応は様々だが、つまりはそういう事だ
「改めて名乗ろう、俺はチェリー、機械世界からきた人間だ」
なんか悪役みたい、かっこいい!
「ふふ、レックだ、魔法学部の表の顔をしている」
「僕はクイル、聞きたいことが山ほどある!」
「タフラス、なんか、かっこいいね!」
「あぁ、わかるぜ!」
グッと拳を合わせる俺ら
息バッチリだ
◇
ひとまず男の城については置いといて四人で着替えて体育館へ向かう
「フードは俺を試してたのか」
「あぁ、済まないね、彼らを卑下するならあそこには招かないという予定でね」
「いや、構わんさ、それにそっちの方が盛り上がるよな?」
「うんうん、チェリーは分かってるなぁ」
タフラスがウンウンと頷く
「ちぇ、チェリー、くん」
「チェリーでいいぜ?クイル、俺たちはもうダチなんだからよ」
「チェリー、色々とあの機械について教えて欲しいのだけど、授業はどれくらい取ってるんだい?」
「おれは…えっと卒業さえ出来ればいいから必修だけ参加予定だな、あとは気ままに取る」
「じゃあこれが終わったら後で集まろう」
「おう、いいぜ」
ヘラは…なんとかなるだろう、あっちもあっちでグループができるもんだろうし
体育館に集まると全員揃ったのが確認されてから授業が始まる
俺らが着替えたのは元の世界なら体操服とかだろうが
ここでは運動着、防御力を兼ねた服でチラホラとカスタマイズしている人がいる
ヘラは規定のものでジャージに近いものだが
俺のは見た目はジャージだがガッツリ金をかけさせてもらった
衝撃に対して硬くなる魔法のジャージよ
用意する時にメモ書きに防具と書いてあったからな
…機械世界出身、規定の生身みたいな服じゃ、魔法防御が無意識な生命装置に組み込まれてない俺じゃ耐えれないからだ
授業は、武器の打ち込み合いというものだった
説明を軽く聞いた感じ頭おかしい授業だった
魔法を互いに打ち込み合い
できるだけ逃げないこととあった
この逃げないことというのが武器至上主義な学園らしく、武器での優劣を決めるというのに関わるようだ
男子は魔力量で押し切られるからと四人でまとめられた
…ヘラ大丈夫かな?
「さっこぉいクイル!」
「おっけー!」
距離をとって構える
クイルはゲームに出てくるような杖を、俺はスタッフを
…まぁ使えないんだけど
「せっ!」
次の瞬間目の前に光の弾があった
しゅうしゅうしゅう…
その弾は目の前で静止している
固まっていると弾が上に飛んでいき半透明な障壁に阻まれて消えた
「…なんだいまの」
「大丈夫かい?」
慌てた様子でクイルが近づいてきた
「…あぁ、よく分かってねぇけど」
「…先に僕達の魔法武器について説明するべきだね」
そしてクイルが説明してくれる
クイルは魔法のミサイルをとばすもので光の弾を操作でき、ぶつかると小爆発を起こすものらしい
「操作できるのか、それは凄いな」
「まぁその操作は必死に勉強してるんだけどね、さっきのは止める気で撃ったんだ」
…じゃあ目の前に止まったのはたまたまってことか
「高速だったな…」
「レックは雨雲の設置、雨は魔力を奪って同時に体力を奪うんだ」
「…つよい、が」
周りを見るとクイルの魔法ほど早くはないにせよ…
「うん、武器としては弱いって言われてるんだ…」
「自分達のはなしかい?」
レックとタフラスが近づいてくる、二人とも顔色が悪い
「あぁ……大丈夫か?」
「自分達の武器はじわじわ削るタイプでね…」
「レックのは聞いたが…」
「僕のは投擲系で…」
タフラスが説明してくれる
グローブのタイプで魔力を使ってフラスコを生成できる、その中はレックと同じような魔力と体力を削る魔法液が入っているらしい
当初は投擲、もとい遠距離武器の学部に分類されかけたりしたとか
「俺のは、召喚武器…らしい」
三人が首を傾げる
「らしい、というのは?」
「いやぁ、使えないんだよなぁ、この杖」
「…え、そうだったの!?」
一番驚いたのはクイルだ
「ご、ごめん、魔法撃っちゃって」
「ん?そういう授業なんだろ?」
「そ、そうだけど…」
「なら、そういうもんだろ」
そこに先生が近づいてくる
「皆さんはもう撃ち合いましたか?…レックさんとタフラスくんの魔法の特性は理解しております…継続が困難でしたら早めに切り上げてよろしいですからね?」
「いつもすいません」
レックが前に出て頭を下げる
「いえ、男性は魔力総量が女性より劣っているというのは体の構造と言われてますから…」
「では自分たちは…」
「えぇ…女性の皆さんも異性の前だと遠慮する方がいますから…ごめんなさいね」
最後のは小さい声で教えてくれる
理解のあるいい先生だと思った
◇
俺たちは男の城へと戻ってきた
箱型パソコンは機械世界からすると珍しいものになる、記憶に新しいのはなんでも薄型の果てに加えて魔法を少しでも加えようとホログラムパネルを使ったものだった
箱型に起動周りと記録周り、加えて冷却器関係を詰め込むのは前世代となっていたのだ
まぁ自分は多少腕に覚えはあるのだけれどね
四人で雑談をしながらチェックしていく
「…ふむ」
「なにかわかったかい?」
「わ、わかった?」
「どう!?」
「ケーブル系は繋ごうにも先がないし、そもこの部屋にしかないからワンもランも無理、ホログラムモニターがあるから……これ、音楽再生機としてしか使ってなかったってのは本当か?」
「…呪文?あ、うん、この円盤を入れれるのがそれしか無かったんだ」
CDか…まさかこの世界で見れるとは
「そうだな、記録周りがしっかりしてるから…」
手持ちのドローンと繋げれるだろう
「オペレーターくらいならできそうだな」
「オペレーター?」
「あぁ、遠隔で指示を出せるんだ」
「遠隔!」「かっけぇ!」
「明日持ってきてやろう」
ドローンとかは寮の部屋に置いてあるからな
そんなタイミングで鐘がなった
「みんなはサークルとか入ってんのか?」
三人とも首を振る
…が、レックだけは目が泳いでる、あからさまに
まぁ最初のフードとか陽とかのを聞く感じありそうだけど…
「部活動に興味があるなら場所のあんないくらいならするよ!」
そう言ってくれたタフラスに甘えることにした
…そういえばヘラの授業はどうだったんだろうか
え、ちょ、キャラ増えるとかむり…
って感じなんで多分そんなスルーな感じでいいと思います(超感覚派)