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栄養を蓄えすぎた果実は

毎時間投稿中です、もうすぐ完結です

22 栄養を蓄えすぎた果実は



その黒い髪は鈍く光を反射するような艶があり


その赤い目は熟れた果実が自重で落ちる寸前のような


深く濁った闇が渦巻いていた




「簡単に落ちてくれましたね、機械世界出身という噂は本当ですか?」


その声は耳元で囁かれた

甘く、脳が蕩けるような声


逆らってはいけないと思う声


「あぁ、機械世界出身だ」


「……私の魔法効いてますよね?」


「魔法か…心地よく気持ちのいい、よく聞こえている」



「なら、構いません…

あなたは私のもので、あなたの物も私の物です」


「あぁ、そうだな…」


「だからラッセルは私のものですよ」


「ラッセルは俺の物じゃない…」


「…あれぇ?


ほんとに効いてますよね?嘘はついちゃダメですよ?」


「ついてない」



口に彼女が指を突っ込んだ


「ほら舐めてー」


甘く脳が痺れる


「ちょっと赤子のようにしゃぶっててくださいね……えっと…」



何も考えずに命令されるのを待つ

覗き込むような姿勢が崩されて空が見えた


紫の月が浮かんでいる、更に夜空に向かって紫の光の柱が至る所から伸びている





「効きすぎてるほどには効いてますね…なにか秘密を喋ってください」


「そうだな…」

先程校則違反のことも言ってたしヘラとの関係から……





「わぁ…なに?ここ」


紫の空間

一面真っ黒な大地がはるか遠く霞んだ向こうまで広がっており


あらゆる所に握りこぶしより小さいほどの石のような塊が浮かんでいる。



「ネビュラの空間ですね」


ヘラのツインテールは無重力のような浮遊力と少しの重力で荒ぶっている


その横に可憐に佇むラッセルにヘラは何度か自分の髪と見比べていたが…

なにか諦めたようだ



「ふわふわするよ」


「ジャンプすると相当高く飛び上がって落ちてくるのも遅いのでしないでくださいね」



ラッセルはキョロキョロとした様子ではない


その目の先には既に敵を見定めているようだ




「…これ一緒の夢を見てるの?」

「夢とは少し違うんですが…星屑の空間とはまた特性が違うんです、説明しづらいですね」


「ふーん、おかしな魔法ね」


ラッセルの視線の先に気づいたのかヘラもそちらを向く



「なんでラッセルも来たの?」


ネビュラが二人の前に現れる

レースカーテンもフードも無い

学園の制服姿


目は赤黒く髪は漆黒

表情には出ていないが嫌悪感がどことなく伝わってくるようだ



「…その後ろの方を返して欲しいと思いまして」


「これはネビュラのなの、返すよりラッセルも私のものになればいい」


ネビュラの後ろには口を開けて上を向いて何も考えてないようにあほ面を晒すチェリーがついていた



「え、なにあれ、ギャグ?」


ヘラは状況を理解出来ていない



ラッセルは苦笑いしながら話を続ける



「忘れましたか?あなたが前ネビュラを倒した時、誰が沈めてあげたのか」


「その時の杖を持ってないラッセルが怖いとでも?


落ちた星屑は正しく屑同然、私の星雲のひとつにしてあげる」



ネビュラがいつの間にか着ていたマントを翻す



次の瞬間には紫の光となって消えていた


「っは!?後ろ!」


ヘラが振り返りながらナイトグロウからモヤを出す


二人の後ろにいたネビュラはそのモヤに阻まれている


「…勘のいい人ですね」


「セル!」


ラッセルの近くで浮いている球体がネビュラに小さい球体をつけた



「気絶するような体当たりはどこいったんですか?」


二人から距離をとって小さい球体をひっぺがすネビュラ



「チェリー」


ネビュラの声とともに二人の目の前にチェリーが瞬時に現れた


「チェリー!」

「ヘラ!避けて!」



ヘラの喜んだ顔に反してラッセルは険しい表情となる


チェリーは屈むような姿勢となり

腰から紫電を振り抜いた



「くぁ!?ぁぁああ!?」

「ひっ、びああァァ!」


ヘラとラッセルが痙攣したようにその場で震え、膝を着く


ヘラは既に気絶し動かない


「うぐぅぁ…わたしこんなんばっかなんですけど」


ラッセルはチェリーの後ろのネビュラを睨みながら一言残して気絶した



「…なんですかその紫の雷は」


ネビュラがチェリーに近づく


「紫電だ、ビリビリ棒は魔力で発電するから出来ると思った、かっこいい」


「ふーん…そんな武器持ってるなんて教えてもらってないですよ」


「これも別に秘密じゃない」


「も、ってことは他にもあるんですね、もっと教えてください」


「あぁ」





「…おはようございます」

「…おはよ」


ラッセルとヘラが目を覚ます


二人の間には一人分のスペースが空いており、ヘラはムッとした様子でラッセルに尋ねる


「…チェリーは?」


「ネビュラの所に行ったのでしょう」


「ずるいよ、転移魔法なんて」


「転移魔法ではないですが…あの世界ではネビュラの力が最大限発揮されます」


「ネビュラの力ってなんなの?」


「…すこし、面白くない話でもしましょうか」





紫の月の下

屋根の上に二人の影が座っている



「じゃあ、ネビュラは元々はネビュラじゃなかったのか?」


「うん、四魔貴族なんて呼ばれてたけど、わたし、ネビュラの人に勝っちゃったから」



「それでスターダストは家系みたいな話なのに称号に格落ちしたのか」


「わたしは異端児だって捨てられたから、家族なんていないから…」


「俺がいるからな」


「うん…チェリー


夢が覚めるまででいいから…」


「夢が覚めても一緒にいるよ」


「…うん、だと、嬉しいな」



あなたは私の傀儡で

一時的に行動を抑制する程度の魔法が効きすぎてしまっただけだから


心にもないことを言わせて、やりたくないことをやらせてしまった


私は、家族が欲しかった?



「…彼氏のまね、もういいよ


あ、いや


…お金があるなら私とデートして欲しいな」


「あぁ、好きなもん買ってやるよ」





ヘラとラッセルが講堂で席に着く


「チェリーは来てないよ」

「ネビュラもいないですね…私は後で生徒会室に行ってみますが…まぁ来るとは思えません


…来るならボルテックスとソーラーを落とす準備ができてからでしょうし」



授業は進み昼食の時間にラッセルは生徒会室に向かった



「よぉ、星屑さん、あぁ、いまはただの屑だっけ?」


「おいボルテックス、その態度はないんじゃないか?」


「いいわよ、ソーラー、別に本当のことだし」


「ううん…キミがいいなら…良いのか?いや…しかしだな?」


「それよりネビュラのことなんだけど」


「あぁ、彼女もなにかしているね、まだ下克上を狙っていたとは驚いたが…」


「会ったの?」


「いや、生徒の一人と武器強化の素材の買い出しに雷の街に転移すると申請があった


彼女申請、彼女の承諾で今頃雷の街だろう、一日の滞在だから明日にでも話は聞けるが…」


「だからもうあの女切ろうぜ?反乱分子確定してんのに残す意味はねーよ」


「彼女はネビュラで、仮に切ったとしても一生徒になるだけだ、それともその称号を維持する実力は無いのかい?」


「あぁん?ボルテックス家に喧嘩売ってんのか?」


……


「…チェリーと街に?」


ラッセルは考えながら生徒会室を後にした

サブタイトルに漢字が…!

法則おじさんくらっしゅ

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