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なちゅらるぎゃざー

毎時間投稿ちゅう

10 自然集合



「…隣いいか?」


「お、あ、ああ、構わないが」


一瞬…その、いじめられっ子のようなオーラが見え隠れしたのだが…



「チェリーは魔法学部だったのでは?」


「こっちの授業も気になったんだよ」


「今からやるのは偏差射撃だが…」


「おう、遠距離なら基本だな」


「あ、あぁ、基本だな…基本だよなぁ…」


なんでしょんぼりしてんの?


とは近づいてきた男が答えてくれた



「おう?なんだアホパル、男連れ込んでいいご身分だなぁ?お前も弱みでも…あん?知らん顔だな」


「ん?おれはチェリー、魔法学部の生徒だ」


「は?魔法学部……ほぉー?パルにほだされたか?」


んー?その気はないでもないが、あって二時間は譲らないぞ?


「お、おい、そこまでにしておけ」


「あ?お前には聞いてねえよ」


振られた手はホログラムモニターを乱れさせた


…乱れただけだが


「ひぅ、その、ごめんなさい…」


うーむ、明らかな厄介事だな


「おい、名前を知らんやつ」


「…あ?」


「もう授業が始まるぞ」



既に壇上に上がっている先生


パルの肩を掴んで座らせる

俺も一緒に座ると一人よりも少し大きくホログラムモニターが出現した


周りの音もシャットアウトされる


男も騒いでいるようだが注視しなければ気にならない程度だ



加えてパルが答え合わせをしてくれた


「…私は、その落ちこぼれでな」


「アホなのか?」


「う、いや、そう、なのだが」


モニター越しに先生が授業を始めた

パルとの距離は近い、割と二人の空間と言えるだろう


というか複数人も対応してるのな、この空間

柔軟性は流石の魔法と言ったところか?



「幻滅したか?」


「…なんで?」


「昨日、あそこでは伝説の武人ぶりたかったからな…蓋を開ければ私なんてこんなものだ」


たしか武人という伝説の存在がいたとこの世界に来る時に教えこまれた気がする


歴史に載ってるんだっけ?

いや、やっぱ知らんわ

適当なこと言えないね


「別にアホでもいいじゃねーか、なんのために学校通ってんだ?」


「それは、そうなのだが、それに、私は暗いし…」


…マジで?

昨日ヘラと根暗みたいな性格は無いだろう的な話したばっかよ?


というかあれだけ元気にスキンシップとるやつが暗いとかあるのか



「昨日のパルと今のパル、本当のお前はどっちだよ…「わた…」てかどっちでもいいよ、どっちもパルだしな


おれは昨日のパルに正直ドキリとしたぞ?惚れるかと思った」


「へ?あ、あぁ…」


顔から煙を出すパル



「今のパルは借りてきた猫みたいで可愛い」


「ねこ…?獣人のか?可愛いか?強いぞ?」


自分で言ってて恥ずかしいんだから世界の壁で生じる疑問をあげないで欲しい


「細かいことはいいんだよ」



「わっ、頭を撫でるな」

「ん、悪い悪い」




そこから普通に授業を受ける

時折視界の端でチラチラと見てはなにか言いたげな顔になるパルが映るが


気づいてないふりで最後まで通ってしまった



授業が終わるとホログラムは閉じられ講堂の雑談が耳に届いてくる


さっきのうるさいヤツは…

わかんねぇや


「うし、格闘部行くか…先に昼飯か?」


「あ、はい…でも特に変わりはないですよ?」


「行けばわかるさ」


お姉さんが…というかお姉さんが手配してくれてお昼を過ぎたあたりには用意してくれているらしい



「あ、それなら元格闘部の人に一言言っておきたいと思うんですが…」


「何人いるんだ?」


「今は一人だけですね…近接武器の学部にいます」


一気に卒業してしまって…という感じだろうか



特にトラブルに会うことなく学部を移動していく



周りの男性比率が高くなったところで別の講堂の前に着く



「おや、君は昨日の転校生くんじゃないか?」


そう言って話しかけてきたのは部活めぐりをした時に出会ったアクセサリー開発部の部長さんだ


「えっと、シンクのひとに会いたいのですが…」


「シンク…あぁ、クリムゾンか」


…どっちも名前じゃないと思うんだ


「おーい、シンクのクリムゾーン」


え、ほんとに名前?強そうだな…



「誰がシンクのクリムゾンよ…」


そう言いながら出てきたのは真っ赤な髪のポニーテールの女性


「はぁい、えっとオウギね?シンクもクリムゾンも武器の名前だからね?」


「ふわぁ、シンクのオウギさんに会えて光栄です!」


パルが目をキラキラ輝かせている


憧れというやつかな


「あら、そう?そうねー、話があるならお昼食べながらでもいい?」



「俺は構いませんよ」

「お、お願いします!」



移動しながらも話をしていく


「へぇ、格闘部を復活させるんだ」


「はい、チェリーさんが出資してくれるそうで」


「へぇー!お金持ちなの?」


「まぁボンボンだな」

設定ではな



「どう?私、結構いい女なんだけど」


「お、玉の輿か?残念だが俺はそこまで美味しい男じゃないぞ?」


「そ、そうですよ!チェリーさんはもう彼女がいるんです!だ、ダメですよ!」


なにがそうなのか問いただしたいところだが


「俺に彼女いたのか?」


え、誰だろう、パルが立候補してくれるんかな


「あれ?ヘラさんは彼女じゃないんですか?」


「彼女じゃないな…」


「あ、えと、ごめんなさい」


「あはは、ハーレムでも作ってるの?」


「作れるなら作ってみたいすけどねぇ」

男の夢、かな、人によっては



三人で食堂で学食を食べる


お姉さんは料理好きのようでお弁当持たされてるんですけどね



「ふんふん、とりあえず元格闘部の場所に行くことにするよ、私もあそこは好きだったし、復活できるんなら願ったり叶ったりだよ」


食べ終わってから三人で格闘部の部室へとやってきた



「いろいろ運び込まれてますね」


ダンボール三個分、中には武器が詰まっているはずだ


「あ、チェリーやっと来たのね」


「おう、ヘラ来てたのか」


「…なんかまた増えてるし」


オウギ先輩をみてヘラが目を細めてなにか言った


増えてる?何がだ?



「こんちゃー、私は元格闘部のオウギっていいます…君が件のヘラちゃんだね…ふむふむ、可愛らしい…おや、君は?」


腰に手を当てていたヘラにするりと近づいたオウギ先輩


すると後ろに見知らぬ女性が



「あ、えっとソフルっていいます…ヘラちゃんに誘われて…」


「…魔法のランプじゃん」


そしてその手に持っている武器に目を奪われた


それはこすれば願いを叶える魔人が出てくるタイプの形状


具体的にいえばカレーっぽいが一番適当な形だ、なんだよカレーっぽいって、その通りだけど


「らんぷ?いえ、ソウルフレイムっていうぶきで…」


「おぉ、すげぇ、ノンフィクションじゃん…」


「ちぇーりーい!」


ペシと背中を叩かれる


「あぁ、悪い、興奮してた」


「ふんっ…で何よあれは」


「開けてないのか?」


「あんたの名前が書いてあるから開けちゃ悪いかなって」


ヘラは律儀だなー


ベリベリと箱を開けていく


どれどれ


「おぉー、パラジウムの武器じゃん」


後ろから覗いてきたオウギ先輩が反応する


パラジウム?武器は色んな種類があるが全体的にオレンジで統一されている


…あぁ、鉱石とその系統とかかな?



「きみほんとにボンボンなんだね…市販のより数段上のもので揃えるとは……どう?やっぱり付き合わない?」


「いや、それだとサイフでは…?」


「なに話してんのよ」


ずいとヘラが隣に来た


「いや、パラジウムの武器な訳だが、オウギ先輩は格闘部戻ってきてくれるかなって」


「いいよー!もどるもどる!なんなら以前より水準あがってるし……部員も集まってるじゃんね、あ、また来た、君人望あるねー」


「…特に宣伝は、あぁタフラスか」


「これだけいれば部活としてもできるし…私は次の時間暇だから申請書書くの手伝うよ」


「あ、ごめんなさい私は授業が…」

パルは授業


「私とソフルも授業ね」


「…まぁ明日くらいから本格的に活動って感じでいいか?やっぱり人は多い方がいいしな!」


本格的になってきたじゃないか


いいね、青春だね?


今日は武器の手入れと申請書か



「まぁ昼もそろそろ終わるし今んとこは解散ってことで」





「本格的に部活動になるんですね!」

「おうよタフラス…ちなみに基本的な活動は武器なしの組手だから…体弱かったりは大丈夫か?」


「クイルはそんなこと言ってましたけど僕は大丈夫ですね…武器至上主義ですがそれって通るんですか?」


「色んな武器を最低限使えるのも目標…なんですよね?」


「うん、敵の武器を知るのも力になるからねぇ」


オウギ先輩とタフラスと申請書を埋めていく



「ちなみに兼部とかはできるんですか?」


「どうだったかな…できた気もするなぁ」


「うし、まぁこんなもんでしょ」


「お、後輩手際がいいねーえらいえらい」


オウギ先輩に頭を撫でられる

なんかこう、不思議な感じだ


「お、照れちゃって、可愛いなぁ」


「うぇ…ほら、どこ持ってくんですか、これ」


「あぁ、ごめんって、えっと生徒会室だねぇ…」


じゃあ行くとしましょう、生徒会室

集合って英語でぎゃざーって言うんですね、なんか意外

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