宝くじ当たった
01 宝くじ当たった
詳しい話は次回にでもしよう
今の状況を語らせてくれ
自分は魔法のない世界から駒として送られた元学生だ
魔法のある世界は魔物やらいて危険がいっぱいだった
そんな世界に絶望して街に引きこもってダラダラしていた時
宝くじに当たったんだ
夢にまで見た億万長者
どうやって渡されたと思う?
現金ポン、だぜ?
ははは、膝が笑ってらァ
冒険者カードとやらがあれば電子マネーてきな魔法があったらしいけど
カード作ったら戦わなくちゃいけないんだよ、しぬわ!
「…えっと、大丈夫ですか?」
「おほわ、わわわ、だ、大丈夫っすよ、わはは、これで、お金持ちでわすよ」
綺麗なお姉さんが心配そうに声をかけてくれた
大丈夫なわけあるか、こんな鈍く光る貨幣初めて見たわ
真っ黒でずしりとした重みがある
この世界の通貨の最上位って言ってたプラチナどこいったよ
あぁ、まずは落ち着け、魔法世界の通貨は…
かぱー、しるばーごるどー、ぷちらな
おう、おっけい、そんで?これなによ
「しるかっ!」
「あのぉ…冒険者カード、やっぱり作った方が…」
「そうしますよ!えぇ!」
「あ、はい…」
お姉さんには申し訳ないと思った、言わんけど
◇
冒険者カードを作ったことで謎の重みからは解放された
…次は戦う必要が出てきた訳だが?
「自分は機械世界の人でして」
「…はぁ、書類もそれで書いたので知ってますが…」
「戦えませんよ!あんな魔物とか言うの!」
魔物、動物と区別されてて…
動物にはウサギやらクマやらいるが
魔物は魔法を使う危険な動物の認識だ
風魔法で首を買っ切ろうとしてくるウサギとか怖すぎるわ
「えっと…戦えるように武器防具、仲間を雇うのも良いのでは?」
「おっけぃ、それ採用、具体的には?」
「…」
あれ?なんかお姉さんの目が呆れ始めたぞ
なんだぁーこらーかねならあるんだぞぉ!
言わんけど
「手っ取り早い仲間を集めるのもお金で何とかなりますから…」
「お金で何とかなったら自分狙われるでしょうに」
「……本当に人間不信になるんですね」
お姉さんが何か紙を見ている
なんだ?宝くじ当たった小心者のトリセツでも読んでんのか?
その通りだけどなぁ!
「…奴隷」
ピクリと体が動く
……いやぁ?存在は知ってましたよ
契約魔法やらのことも
機械世界のときに奴隷育ててハーレムとか?そういった小説も読んだことあるしぃ…
絶望するまではウキウキしてた時もありました
なんなら宝くじ当たったから買おうとも思ってました
…ついでに男の奴隷の方が多いことも知ってる
もっとゆめみさせろや
でぇも!少々高値になっても!かねならある!
「…ぶっちゃけるとですね、機械世界からきた宝くじという文化、今回二回目なのですが、一回目の人も奴隷買っていったんですよ」
はぁーん、分かってんじゃんそいつ
…違うな、よぉく分かるぜその気持ち
だってよ、冒険者ギルドで酒飲んでるやつのほとんどの男が筋肉ムキムキのおっさんかムキムキの兄さんなんだぜ
囲んでなぐりゃ金吐くよ?いたいのやだもん
さらに洗脳魅了やらの精神作用系の魔法とくに禁止されてないからね?
魔法は女性の方が適正多いとか知らんわ、されたら金吐く、自明の理
魔法剣士の男とか来たら金げろげろするわ
むりむり
「…隣の部屋に準備があります」
お姉さんがチラリと奥の扉を見る
「…よく分かってますね」
自分に戻ってきた目がそれはそれは厳しい目でした
…ゴミを見るような?
…宝くじ当たったらこんな目にあうの
なんか…ちがくない?
◇
まぁやっぱり、男ばかりでしたよ
鼻の下伸ばしまくって真っ直ぐに奥の女性のところに行きましたね
…男のほう?ひとりイケメンチックなのがいたのと、あとはおっさん兄さん少年もろもろ
女性のところは三名
今は世界を超えて会えない母より年上の優しそうな方
めちゃ可愛いケモ耳わふわふ言ってる子
「…と、最後は」
詳細の紙を渡されながらその子を見る
同じような身長、少し低いくらい
…元、学生
…ズキリとした
胸が傷んだ
自分は政府の方針で無理やり来ることになった、魔法に適正なんかあったから
学生、だった
友達……
涙がでてきた
「なまえ…は主人が決めるのか
おい、お前」
「はい」
奴隷なのに弱々しいイメージのないその声
「また、学校、通いたいか?」
…おれは、通いたい
機械世界の人と言うだけで鋭い目線を浴びせてくるこの世界では
心の支えは遥か遠き会えぬ友人
こいつが通いたいって言うのなら
…俺が通わせてやりたい
どうして奴隷になったとか見てみる限り…というかこの部屋のほとんどが売られた人か自分を売った人だが
同じ学校が無理でも、友人は大事だ
新しい環境に飛び込むとしても、学友を作るためだとしても
…学校には通っときたいよな
「どうなんだ?」
女の子は泣いていた静かにすすり泣くように
「…通いたい」
「そうか…」
振り返る、そこには意外そうに見てくるお姉さん
「お姉さん、この子を買う、条件とか知らない上でいうが、この子を学校に通わせたい」
機械世界で人の一生二、三億とか聞いたことがある
こっちの世界じゃ知らないが…
かまわん、言わせてもらおうか
「金ならある」
女の子一人、学校通わせてやるなんてわけないぜ
1時間ごとに完結まで予約投稿します
やってみたかったんです…
(毎時間投稿しろ)を
27日に変わる頃に終わるのでまとめて見てくれてもいいですよ!
最初の方で書きたいこと書いたら失速しますけれど!(そこら辺で切られる、たぶん)