第6話 ある現代の【進化少女】無双
早く日常編書きたくて 奈菜ちゃんに無双させちゃいました・・・
医者とやらとの会話を思い出す俺
どうやら俺は今この場所では「結城 太一」という男に似ているのか?
何度も君は結城太一でビル?という高い所から落下して病院?という施術院に運ばれたと説明された。どうやら「結城 太一」というのは俺にそっくりなのであろう。
何やら治癒術士改め医者?と看護師?が肺のバカでかい女と共にいなくなり、大雑把な男を細腕で抑え込み気道を圧迫するという無手術にも精通している、いい女もイケメン男と目つきの悪い老年と出て行った。
とにかく自分の姿を見てみたい そう思った俺は2年後女に声をかける。
『おい、2年後女。この場所に己の姿が見えるガラス・・・・・・あれは超高級品だ。あるわけないか。』
と2年後女に問いかけたが結局自分で答えを出し諦める。
『ちょ……2年後女って誰の事?』
2年後女が2年後女って誰?って聞いてくる シュールだな
美久を指さし
『お前だ。お前は2年後にはいい女になっているだろう。そうしたら俺の側室くらいにはしてやってもいい。』
俺は興味なさげに指していた指を下ろしながらそう言い放った
『はぁ?何言っちゃってるの、このおばか太一は。失礼すぎるでしょ!だいたい太一だって私からみたら小さくてよわよわしくて草食系男子の最先端を突っ走っちゃってるじゃない!私はどっちかというとオラオラ系がすきなんだから……って何言わせるのよ!』
2年後女が暴走した。装飾系?宝石好きか、まぁ結構貯め込んだのもあるし2年後ならあげてもいいか、と俺は考えた。
『お兄ちゃん、こっちに姿見の鏡があるの、来てなの』
少女がそういって俺の手を引いて部屋の出口の方へ連れていく
姿見の前に立った俺はまるで頭を殴られたかのような衝撃を受ける
『誰だ!こいつは!俺?いや違う!こんなチビじゃない。これは魔鏡なのか?!』
混乱しつくした俺は顔、頭、腕、腰、お尻、足と色々触ってみるが目の前の鏡の中のそいつは俺と全く同じ動きをする。何故だ?どうゆうことだ?何がおこっている?
俺の混乱は止まらない。俺はは混乱している状態では何も情報は得られないと考えスキル<並列思考>を発動し片方は混乱したまま、もう片方は落ち着きなるべく冷静を保つよう自分に言い聞かせてもう一度姿見にその身を移す。
ダメだ!並列した両方の思考が混乱してしまった!
しばらく混乱しているとスキル<状態異常耐性>が自然発動し少しずつ落ち着いてくる。
俺は思った、恐ろしい魔道具【魔鏡】であると。俺は【魔鏡】にスキル<魔力察知>をかけてどのくらい強い魔力がかかっているか調べる。 が全く魔力を感知しない。
何故だ?どんな高位な魔術でも魔力を完全に消し去ることなど出来るはずがない。と考えていると<並列思考>が部屋全体に魔力がゼロだということに気付く。
『は?魔力がゼロだと?魔石魔道具だって魔力を放出するんだぞ!あり得るわけがない』
天井に掛けられた初級生活魔法<ライト>を魔力感知する。反応はない……愕然として膝を床につけ崩れ落ちる
さらに混乱におちいる俺。もう意味がわからない。そういえば些細な事と気にしていなかったが、服がまずおかしい……ベッドの材質がおかしい……壁や、床、窓ガラスの透明度……落ち着いて考えればここにある全ての物がメーディス大陸の物とは思えない。夢でも見ているのだろうか。弱気になっている俺に少女が近づいてきてそっと背中から俺を抱きしめる
『お兄ちゃん。いや……マルク=カーリンさんって呼んだ方がいいのかな?』
少女は俺の名を呼び話し出す
『う~んとね、まずは今のマルクさんの姿はさっき鏡で見た通りなの。それとね……』
少女の言葉を切り俺は
『そんなことあるわけない!俺は25歳だぞ?この姿どうみても10やそこらで……』
少女も俺の言葉を遮るように
『うん。わかってるの。でも現状を理解したいならしっかり私の話を聞いて欲しいの』
少女の言葉に俺は小さく頷く
『マルクさんの世界、メーディス大陸だっけ?そこには「勇者召喚儀式」とか「異世界人召喚」とかは無い?』
『あぁ、普通は魔王が誕生したら「勇者召喚」により勇者を招いて、4国から優れた者たちを勇者のお供として魔王討伐に行くのが慣例だった。しかし今回は「勇者召喚」の準備が整う前に魔王が動き出してしまい4国協定により選抜された勇者として俺が魔王討伐に行ったんだ』
そう話すと何故か少女は安堵の息を漏らし
『そっか。よかったの。とっても分かり易くいうとね、メーディス大陸やメーディス大陸以外にもたくさんある他の世界に召喚される勇者はみんなこの「地球」の中の「日本」と呼ばれる大陸から派遣されているの!』
少女が恐ろしい事実を告げてきた。ここは勇者の故郷、いや……聖地だったのか
それなら色々納得出来ることもある。魔導式生活便利家具を広めたのは昔の勇者であったらしい。生活水もそれまでは水路に近いものは水路から遠ければ井戸から水を汲み排水は水路に流す。これを見た昔の勇者が水路の下流の水質が悪くなると疫病や腐臭で身体によくないと、生活水路のほかに「下水道」というのを作って今では下流の水質もきれいなままだ。この光源や透明なガラスなど魔力の代わりのエネルギーがあったとしても勇者の聖地ってことならば少し納得できる。
『ちょっと……奈菜ちゃん!そんないい加減な……』
2年後女が何か少女を引っ張り上げて連れていきそうだったが少女がそれを制し、
『だから逆にマルクさんはこっちの「日本」に召喚……いや、魔王に負けて死んじゃったから魂の転移なの。それでちょうど私のお兄ちゃんが意識不明だったから、そこに入り込んじゃったの!』
(なるほど……確かに死ぬときに魔法や剣、争いのない世界で生きたいって願ったな
そうゆうことなのか?)
『俺は死ぬときに争いのない魔法や剣も使わない世界を望んだ。この「日本」には争いも剣も魔法もないのか?』
俺は少女に聞く
『魔法も剣もないの!争いは……ん~。そだ!貴族同士の足の引っ張り合い?みたいな争いはあるけど、人死にの争いはほとんどないの。』
『そうか……なるほど、では俺はこの体で「結城 太一」としてこれから生きていくってことなのか?』
『うん、そうなの。だから「日本」のルールに従っていきていくの!メーディス大陸にも法はあったでしょ?「日本」も同じなの!』
この少女は頭がいい。とりあえずこの少女の言うことを信じてみよう




