第36話 あるゼネコンお嬢様の・・・
私は志水 桂子
お祖父様はあの「志水建設グループ」の会長ですの。
幼い頃から茶道、華道、日舞、ピアノ、ヴァイオリン、乗馬、ゴルフ何をやっても天才的な才能で上手くこなしてしまいますの。
あぁ、自分の才能が恐ろしく思えます。
小学生の頃から社交界デビューをしまして私と踊りたくて待機列が毎回出来てしまいますの。
この間は確か6時間待ちでしたわ。
小学生の頃からお祖父様の目を盗んでプロポーズをよくされていますの。
小学生の時には大学生から、一昨日には43歳の実業家の方でしたわ。
私の美貌にメロメロなのはわかりますがお歳を考えて頂きたいですね。
順風満帆な人生を送っておりました私が超有名私立中学校に通うのは当然の事ですわね。私のお供に二人の子供達もついて参りましたの。御二人共議員の子女ですわね。大変そうですが私には関係ありませんの。
勿論私は中学校でも一番美しく、一番頭がよく、全て一番になると思っておりましたが・・・・・・
あの小娘!沢木美久!
どこかの企業の娘かと思えば地元の建設会社員の娘とか。
普通ならばそこらの路傍の石であって、私と人生のレールともすれ違う所かその標高すら違う筈なのに・・・・・・
最初にあの小娘に邪魔されたのは一年生一学期の期末考査でしたわ。
学年1位は平田さん。彼女は新潟県の大企業の一人娘でサヴァン症候群と言うなんでも記憶してしまう病気らしいので彼女はノーカウント
そして学年2位であるべき私を差し置いて小娘がとりましたわ!
きっと何かやったに違いありませんの!
次にバカな男子達が行った学年の美少女コンテストですわ。
当然私が1位、いや私以外が1位であるべきではない!
それなのにも関わらずまたあの小娘は何か情報操作でもしたのか1位を取りましたわ。
それからと言うもの私は鳥の糞が落ちてきたり、机に小指をぶつけたり、好きな作家の新刊を2冊買ってしまったり、スカートのボタンが飛んだり!全て沢木美久のせいですわ!
はあはあ、少し興奮してしまいましたの。
いつか、必ず沢木美久をぎゃふんと言わせなければ気がすみません。
まずはリサーチですわね。
彼女の身辺を調べ尽くして差し上げますわ!
フフフ、アーハハッハ。
あら少し品がありませんでした。
失礼しました。
とにかく!待っていなさいな。
沢木美久!貴女のその鼻っ柱叩き折って、もぎりとって、踏み潰して!グリグリして!ポイッですわ!
はあはあ、はあはあ
取り乱してしまいました。
失礼しました。
そして私は世界中から優秀な探偵を雇いましたわ。
その結果はまたの機会にお話しさせて頂きますわ。
それでは皆様ごきげんよう。




