第33話 ある呟く女と学級委員
結城家へと戻った太一、美久、隼人、絵里菜は今日の総括と今後の指針を決めるために太一の部屋へと集まった。
『まぁ、悪い感じではなかったよね?』
美久が言う。彼女自身は色々とあったみたいだが・・・・・・
『そ~うだね、伊藤達が今後どう出るかってのもあるけどね~』
隼人が言うと
『暴力はもうない。圧倒的な戦力の差だった。』
と絵里菜が言うと
『え~、結局たいっちゃんの活躍見れないままか~』
と隼人はよっぽど見たかったらしい
『とりあえず暴力は無いとしても、陰湿なやつは続くよね・・・・・・』
と言いづらそうに美久は言う。
『私が結城君を廊下から見てる?』
そういえば絵里菜が今日教室に居なかった事を美久は思い出す。
『絵里菜ちゃん!今日ずっとB組のぞいてたの?!そういえば居なかったわ・・・・・・』
と美久があちゃーという感じだ
『ん、見てた。』
『たいっちゃんとおんなじクラスが誰もいないからね~』
と隼人が言ったと同時に部屋のドアがバァーンと開いて・・・・・・
『大丈夫なの!』
と奈菜が入ってきた。
『クラスではこの方が助けてくれるの!どうぞ~♪』
とノリノリで誰かを呼んでいる。
『あ、どうもご無沙汰しております。』
ペコリと頭を下げながら入ってきたのは麗香であった。
『あ~、忘れてた~』と美久
『そ~か!麗香さんがいたね~』と隼人
『彼女、今日も助けてた。』絵里菜だ
『ん?誰だ?』勿論太一だ
『麗香お姉ちゃんは、今日のお兄ちゃんの様子が心配だったの!それから校舎裏の件も見てたらしいの!奈菜に教えてくれたの!だから今日までの事を説明しておいたの!』
と奈菜がエヘンと胸を張って誉めてもいいんだぞ~と言う感じである。絵里菜が頭をグリグリと撫でている。
『そっか~、麗香ちゃんは俺と同じくらい、たいっちゃんとの付き合いだもんね~、そりゃ気づくよね』
『あ、はい。結城さんを結構心配で見ていましたから・・・・・・』
『んで?誰なのだこの女は?オーラというか、少し気品があるな。それに美人だな。』
太一がストレートな感想は麗香を困惑させてしまった。
『び、美人?!う、うれしいですわ。ありがとうございましゅ』
「あ、噛んだ」と皆思ったが口には出さない。
美久と隼人が説明したが太一は「?」で理解出来ていない。奈菜が説明に加わると「国王は天皇但し政は内閣府が行う」とか「政を部門別に別けてそれぞれが貴族が行う」とか「議員それは王国、領主、のそれぞれの貴族みたいな」とか言い出すと何だか太一は理解したようで
『麗香=堀田お嬢様と言うことですね。結城 太一です。記憶を無くしてしまいお嬢様の事を忘れてしまった無礼をお許し下さい』と方膝をつき挨拶をした。
『あ、あ、っ、と』
とかなり困ってしまっている麗香
『太一って、礼儀正しいのか失礼なのかわからないわ・・・・・・』
『ん~、夏帆さんにも丁寧だったらしいね~』
『貴族で、勇者の自覚がある。良い事』
『お兄ちゃん!麗香お姉ちゃんこまっちゃってるの!これからのクラスの事は頼んだの!だから安心するの!』
『麗香お嬢様・・・・・・』
『あ、あの!麗香でいいわ!いや、麗香と呼んで下さい。』
『はい!麗香さん。この世界わからない事ばかりなので宜しくお願いします』
『も、もちろんですわ!これからも貴方を見守りますので安心なさってください!』
麗香がかなり照れた様子で返事をする。
『ん~?これからも~ってどうゆう事?』
『あっ、えっと、その・・・・・・』
しまった!と様子でモゴモゴしている麗香に向かって爆弾投下を絵里菜がする
『堀田さん。一年生の夏頃から結城君をずっと見てる。』
『え?え?』とビックリ顔の麗香
『朝早くに結城君の上履きを探して下駄箱に戻してた。』
『な、なんで?!』
『プールに投げられてた体操着を拾おうとしてプールに落ちた』
『!!』
『椅子の画鋲を取って閉まってた』
『・・・・・・いや』
『今日も校舎裏に走って見に来ていた』
『いや~!!』
絵里菜が捲し立てると麗香は顔を真っ赤にして出ていってしまった。
『絵里菜ちゃん、それは黙っておいた方がよかったの!』
『う、うん。そうね・・・・・・今のは、言わない方が良かったね・・・・・・』
『たいっちゃん~、やる~♪』
『?、事実』
『そっか、麗香さんが太一を守ってくれてたんだね・・・・・・』
美久は何とも言えない気分でそう言った。
『ふむ、彼女は恩人ということか?』
『そうなの!感謝するの!』
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
私は恥ずかしくて結城さんの家を飛び出してしまった!何故ばれていたのか・・・・・・
あぁ、やっぱり奈菜ちゃんじゃなくてお姉様待っていれば良かったのかしら・・・・・・
『明日からどんな顔してあえばいいの~~!!』