第17話 ある異世界勇者と親友たち
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その公園には、隼人、美久、亮介の3人がいる。
隼人が太一の部屋を飛び出し、ふたりが追って来たのだった。
公園のベンチに座る隼人の右手の拳に血がついている。
美久はハンカチを水で濡らせてきてから隼人の右手に巻く。
『あ~ぁ、痛いでしょう?大丈夫?』
『たいっちゃんは、・・・・・・平気なのか?』
隼人はありがとうと言いながら右拳を左手で包み込む
『奈菜ちゃんも絵里奈ちゃんもいるしね。それにあいつ物凄い失礼だし・・・・・・』
最後の方は大分小さい声になってしまっていて、聞こえていないだろう。
『そっか、亮介もこっちに来てて良かったのか?』
『ああ、どうしようかと迷ったんだが、隼人が心配だったし。それと妹と平田の話になったとしたら俺が付いていけるとは思えん。』
『たしかにね。奈菜ちゃんとエリリンの話はちょ~びっと俺の頭でもきついからね~。』
と亮介に笑顔を向ける。
隼人の笑顔を見て美久、亮介は安堵の息を漏らした。
『それで?隼人君はどうするつもりなの?』
と美久は隼人に尋ねた
『ん。今ね、出会ったころの事思い出してた。
ちなみにさ、ミクちゃんはどうなの?今のたいっちゃんって。俺より付き合い長いわけじゃない?全くの別人だよ ね~あれは。』
隼人はいたずらっぽい笑顔で、でも真剣に美久になげかける
『そうだね、全くの別人だねあれは。でもなんか「太一」なの、なんて言っていいかわからないけど。
どっちにしてもあいつはここに居て結城家に住むならもう私は巻き込まれてるようなものだ からね。だから、私はとりあえず様子見に決めたの。』
全く・・・・・・やれやれ、って感じで答える美久だ
『そっか。俺も母さん働いてるし巻き込まれたようなもんかな~』
『俺にはよくわからんが、太一は太一だろう?事故のショックで少し性格がかわっただけだ。』
諦めたように言う隼人とすばらしく脳筋な亮介であった。
『じゃあさ、たいっちゃんの家に戻ろうかね~』
『本当に世話をかけるんだから隼人君は・・・・・・』
太一家に戻る3人であった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
太一家では
太一、絵里奈、奈菜というちびっこ3人組が残ってしまった。
太一138cm、絵里奈135cm、奈菜132cmという小学4年生の平均身長並みである。
傍からみればどう見ても「おままごと」真っ最中
どうゆうことか?太一の怪我を治療中なのだ。
太一がベッドに横になり、絵里奈が顔の出血を拭き消毒して、奈菜が絵里奈の助手をしていた。
130cm台の3人がやっていたら、これはどこからどうみても「お医者さんごっこ」であった。
『これは、ひどい怪我。オペが必要。これより緊急オペを開始する。』
『はいなの!先生。』
『まずは麻酔。』
手を奈菜に向ける絵里奈
『はいなの!』
絵里奈の手にマキ〇ンを置く奈菜
『くっ!ここは出血が酷い。止血する』
奈菜に手を向ける絵里奈
『はいなの!』
バンソーコーだ!
『ここは・・・・・・まずいな。傷口が見えない。清掃する』
手を差し出す絵里奈
『はいなの!』
マキロンを浸した脱脂綿だ
『これは慎重にいかねば・・・・・・』
と傷口を脱脂綿で拭っていく
『汗!』
『はいなの!』
絵里奈の額を拭く奈菜
『おい、もういいのか?立ち上がるぞ?』
と太一が言うと
『ダメだ!君は重症患者だぞ。』
『絶対安静なの!』
とノリノリの二人いいコンビだ
はぁ・・・・・・とため息をつく太一
おもむろに起き上がりベッドの縁に座る。
『俺は勇者だぞ?回復魔法も使える。母上が高位の治癒術士だったのだ。』
というと太一は魔法を起動させる
太一の手が青白い光で包まれる。その手を顔に当てて太一が何か言おうとすると
『あ、お兄ちゃん!ダ・・・・・・メ・・・・・・あ、間に合わなかった』
バタン!
太一が倒れた。魔力枯渇だ
『え~とね、魔法らしいんだけど日本には魔力とか精霊の力がないそうなの!だから魔法使おうとすると自分の魔力を使うらしいんだけどお兄ちゃんの身体魔力が少ないらしくて、魔力枯渇なの!』
と絵里奈に説明をする奈菜
しかし絵里奈は
『患者を確認。ただいまから緊急オペを開始する。』
『はいなの!』
ぶれない二人であった。
もう少しだけ仲間たちのお話にお付き合いおねがいします。
読んで下さりありがとうございました!




