第10話 ある異世界勇者の帰宅
またまた感想が・・・ブックマークもありがとうございます!
太一を乗せた惇の運転する車は外苑東通りを北に向かっている。車の中でも太一は驚愕することとなる
『この鉄馬はどのくらいの速さで走っているんだ?!』太一はおそるおそる聞いた。太一が外の風景を見ている限り俺の馬よりだいぶ速い、いや比べ物にならない速さだった。
『そうか?この道1車線だから平均40㎞くらいだろう?』と運転席のイケメン男が答える
『40㎞だと?!』時速40㎞だとすると俺の馬の倍位の速さだ。何故これだけの人間を乗せた上でこんなにも速く走れるのか……
『あれ?太一時速がわかるの?』と聞いてくる2年後女
『あぁ、昔の勇者が【時計】という魔道具を持っていてな、勇者が1日を24に分けてその1つの部分を1時間としたんだ。距離もほぼ同じで勇者の靴のサイズから「メートル棒」というのを作って麻のひもをメートル毎に記しをつけ、1000で1㎞と定めたらしいぞ』
『へぇ~、勇者凄いね。私が太一の夢の世界へ行ったら何を教えられるかしら』
と2年後女は何か真剣に考え出している
『お兄ちゃん、でも1時間をどうやって計っていたの?』賢い少女が賢い質問をしてくる、2年後女の感想とは大違いだな
『それはな、町や村ごとに1時間で落ちきるようにされた砂袋、勇者は「砂時計」と名付けたらしいが、それを置いて刻の番兵が砂が落ちきる度に時刻と定められた鐘をその数だけ叩いて知らせていたのだ』
『くっ……なの、生活衛星向上といい、時刻、距離の概念……内政チートな勇者だったわけなの』
なんだか難しいことを悔しそうに呟く賢い少女
『まぁ、どっちにしてもメーディス大陸に行けないならどうでもいいことなの!せっかくだからまず信号や歩道、車道、横断歩道、歩道橋、自転車専用通路など覚えるの!』賢い少女から何やら難しそうな言葉が沢山出てきてそこから暫く2年後女と賢い少女による勉強会が始まったのだ。
俺の身体は14歳らしい、2年後女に教えてもらったのだ。若いだけあってなかなか覚えがいい。ほぼ道路とやらの事は覚えたぞ!
2年後女と賢い少女に色々と聞かされているうちに「結城 太一」の屋敷に着いたらしい
『さぁ、着いたぞ。』イケメン男がそういうとそれぞれ【車】から降りはじめる。それは石作りの三階建ての建物と隣には同じく二階建ての建物だった。敷地はなかなか広く先ほど乗っていた物とは用途が違うであろう【車】荷馬車のようだ。後ろ部分が平らで荷物や人を乗せるのであろう。結城家は荷馬車屋なのか……その他にも川に水を汲みに行くのであろう大きな車輪が着いていて前方に大きな箱、幅2m奥行き70㎝深さも50㎝はあろう【車】今までで一番大きいそして幅いっぱいまで広い鉄車輪が前後に着いた【車】 その他にもなんだか四角い箱に長い腕をつけたような【車】等が停まっている。
その他を見ると、何やら小さな石が山のように積んであったり、砂も大山に積んである。何か作る途中なのであろうか?
太一は回りを観察していると2年後女に腕を引っ張られて三階建ての屋敷に連れていかれた。
屋敷に入ると15人程の老若男女問わずの人がいた。太一気がつくと皆の視線が一斉に突き刺さる。そして皆がそれぞれに
『大丈夫か?』
『坊っちゃん!』
『太一!無事だったか。』
『心配させちゃ駄目よ。』とあちこちから声の洗礼を受けた。
なんだか集まって来そうな気配で一瞬身構えたが、2年後女が
『はい!ストップ!取り敢えず太一は疲れてるので部屋で休ませます。皆さんには今日の夕方か、明日の朝には父から説明があると思いますので。』
おお……初めて2年後女が頼りになった気がする。これは誉めてやろう
『おい、2年後女。助かったぞ、流石に俺でもこの人数にいっぺんに囲まれたらちょっとツライ。そのまま俺に仕えていれば2年後、俺の女にしてやる約束を守ってやるからな』
回りがどよめく、いや最早怒号すら上がった
『あの太一が美久に告白?!』
『っていうか、もう約束済みだってよ!』
『美久ちゃんは太一君の事は弟感覚だと思っていたのにねぇ』
『くっ……美久ちゃんは俺の嫁!』
どよめきはおさまらないそんな中最後の言葉を発した男だけはイケメン男に肩を叩かれ連れていかれた。
2年後女が数瞬固まりから解けると
『また!バカ太一!そう言うことを言うな!』
2年後女に階段を引きずられながら登ると1つ目の扉で靴を脱がされ、2つ目のドアを開けると応接室のような場所であった。
そこにはソファーでウトウトしている少し若いがかなり綺麗な女が居た。
これからも頑張りますのでどうぞ末永くお付き合い頂ければ幸いです。




