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第9話 ある異世界勇者の退院

 あのあとは時に何も問題は無く事は順調に進み、弘子も会計を終えて太一達と合流 今は病院の退院出口で将太の迎えを待っている。


 そこへブォンブォンとからふかししながら病院敷地へ入ってくる赤いスポーツカー

2ドアタイプのオープンカーにもなる2人乗りの国産有名スポーツカーだ


 タイヤを鳴らしながら退院出口前に高〇レーシングの方が運転しているかの如くドリフトで停車し運転席のドアが開く、その男はすぐさま助手席側へ回り込みドアを開けて女性看護師へ向かって声をかける

『お待たせしました。貴女をお迎えに参りました。今夜の夕食はいらない、とご家族にお電話をしておいてくださいね。では行きましょうFの92の君』将太だ


 その時後ろから着いてきていた8人乗りの白いミニバンのサンルーフから由香が飛び出し

プロレスのトップロープよろしくムーンサルトプレスを放った!

勿論スポーツカーにだ!


 由香は美しい曲線を描きながら後方宙返りでスポーツカーの屋根に胸からではなく、膝から着地する。ガァン!という音と共に・・・・・・膝サポーターだ。彼女はその上からさらに鉄板で補強している。


『うぁぁぁ~!』絶叫と共に崩れ落ちる将太を引き上げ弘子がプロレスであったらロープへ向けて投げる・・・・・・がここはリングではない。将太はキラン☆という効果音と共に星になった。後ろでは奈菜が武藤〇司のように両手を「狼」の形にしてイヤァーーーーと叫んでいるが気にしてはいけない。


『では~、お世話になりました~』と弘子

『いいえ~、お大事に~』と看護婦

『また~通院の時にお世話になります~』

『はい~、お気をつけてお帰りください~』

『そういえば~先生はお見えにならないのですね~』

『もう~日勤の時間ですので~』

『そうですか~お世話になりました~とおつたえください~』

『わかりました~つたえておきますね~』

ここで誰か(作者)が邪魔すると・・・・・・

『そういえば~今日は何曜日でしたっけ~』

『月曜日~ですね~』

『そうですよね~ありがとうございます~』

『いえいえ~わかります~たまに曜日感覚~なくなりますよね~』

『そうなんですよね~』

『あはは~♪』

『あはは~♪』

誰か(作者)もどっちがどっちと決めて書いている訳ではないのでわからない!


『太一君、さぁ乗ってくれ』

惇が太一を乗せようとすると


勿論<並列式思考>混乱状態だ!


並列式思考混乱状態とは

「並列思考により2つの頭があるかのように別々の事を考えることが出来るのだ。それによってまず通常の思考が初めて見る【車】、それはそうだ、マルクからみたら鉄の塊がものすごいスピードで向かってきたのだ。それに混乱状態に陥る。しかしマルクも最早ここ日本は勇者の聖地であると理解したのだ!落ち着いて並列思考で【車】を見る・・・・・・混乱状態だ!」

という感じの通常思考だろうが並列思考だろうが自分の考えおおよそ及ぶところではない事態がおきたらどっちも同じ脳みそなのだからあたりまえである。


混乱状態の太一を美久と奈菜がどこから持ってきたのか担架に押し倒しエッホエッホと車に乗せていく。


『お、おい美久。太一君はどうしたんだ?』

と戸惑う惇に

『何度も説明すると私の頭もおかしくなりそうだから家ついてからね。』

それぞれみんな車に乗り込むと中央座席の窓を開けた弘子が


『それでわ~ありがとうございました~』

『お大事に~♪』

手を振って見送った看護婦は病院の中へと戻っていった


病院の中からふと振り返ったら


赤い車の前、体育座りでシクシクと泣く男の姿が見えたのである。


『ここは~人間の病院だから~お車の~お怪我は治せないのよね~』


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