第7話 ある現代の【進化少女】無双を聞いた後に
初感想・・・感激です。ありがとうございます!
私は奈菜ちゃんが太一を抱き締めて安心させてから説明し出したのを見て凄いと思った。最初は太一の悪ふざけだと思っていた「勇者ネタ」がお医者さんの話だと本当で病気だというのだ。
とにかく太一と話すのにあんまり人は多くない方がいいと思い、お父さんお母さんとおじいちゃんには帰ってもらったのだけど、まず何を話していいかわからない。太一も何かブツブツ考えていたし頭を整理していたらいきなり
「おい、2年後女」って呼ばわりされたり「2年後はいい女になってる」だとか「2年後に側室にしてやる」とか、どんだけ上から目線なのよ!と思っていたら
奈菜ちゃんが姿見鏡に連れていって「異世界転移」なんていうアニメの話しをしたと思ったら、奈菜ちゃんってば「異世界勇者は日本人です!」って言い切っちゃって……流石にそれはと止めようかと思って奈菜ちゃんの腕を取って連れて行こうかと思ったら逆に将太さんに腕をとられて引き戻された。
まず、「将太さんまだ居たんだ!」にビックリ
次に「将太さん、あれだけサンドバッグになっていたのに傷がない」ってことを漫画のよくあるあれか……って納得、出来るわけないじゃん!
よく見たら傷だらけで良かった。(傷だらけで良かったって酷い表現ね)
将太さんが私に小声で『奈菜に任せとけ』って言った、確かに多重人格ってやつで混乱しいてるのはわかるけど、「魂の転移」は言い過ぎじゃないかなぁ~
でもお陰で太一も落ち着き、奈菜ちゃんの言うことを色々聞いて覚えようとしている。
少し心配なのは『あのね、お兄ちゃん。日本の中学二年生は特別なの!新しい大学ノートに「我魂の焔」とか「我心永久凍土」って言う題名でそのノートを魂の叫びでいっぱいにする期間なの!』あぁ、駄目だ。彼女はお兄ちゃんで楽しんでいるだけだ。あの迫真の演技もこれの為だったわけね
ふと見るといつの間にか輪に加わった将太さんが
『マルク=カーリンよ。ノートだけじゃダメなんだ……右手に魔力を集中させるんだ!そして呪文詠唱だ「契約に従いし炎の覇者イフリートよ、我敵を全滅するためにその地獄の業火で焼き払え!」だぞ!』
駄目だ。この親子、やっぱり私1人で太一と話すべきだったかも……
その時太一からとんでもない一言が放たれる
『魔術は中級まで5属性全て扱えるぞ』
あぁ、もう私とは全員違う世界へ旅立ってしまったのね、もう二度と私とその運命の輪は交差することがないだろう……
『俺は無詠唱派なんだが、いいか?』
『お~♪ノリがいいね!やってみろ。』
『お兄ちゃん頑張るの!』
太一が右手を空に掲げ集中しだした、目を背けたい。
2~3秒の貯めのあと太一は一気に人差し指を立て降り下ろす!
「ポッ」
人差し指の先に誕生日キャンドルよりも2回り小さい炎が一瞬光ったと思ったら突然バタンッ!と音がするそっちを見ると……
太一が倒れていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
魔力枯渇で倒れてしまったマルク
いきなり気絶してしまったマルクを病室の3人は数瞬黙って見てしまっていた。
ハッ、としたように美久が動き出して太一の元に駆け寄り声をかけている
『ちょっと、大丈夫?太一?ねぇ?』
それを見てやっと我に返った悪乗り親子も
『おお?何だ?どうした、いきなり倒れたぞ。』
『お兄ちゃん、ゴマ粒よりは大きい炎だったの!』
と言いながら将太が太一をベッドへ運ぶ
『どうしよう?先生呼びましょうか?』
と将太に視線を送る美久
すると太一が小さくうめき声をあげた
『うぅ・・・・・・』
『太一、大丈夫?』
と美久
『ああ、魔力枯渇だ。』
頭を小さく振りながら答えた太一
『魔力枯渇だと?!なんか恰好いいな・・・・・・言ってみたいな』
とはしゃぐ将太と
『お兄ちゃん、ゴマ粒位の炎だったの!』
威力を格下げした奈菜
太一は奈菜の方を見て疑問に思ったことを聞いた
『えっと、奈菜・・・・・・殿?いや、様?この世界』
『奈菜って呼び捨てでいいの』
『わかった。この場所には魔力や精霊、といった魔法の源となる存在が全く感じられないのだがこの部屋に魔法封印や阻害系統の結界のような物を張っているのか?』
『んとね、「日本」には魔力も精霊も存在しないの。だから「日本」では魔法は撃てないの』
『そうなのだ、だからみんな中学二年生の頃に魔法発動の訓練だけはしておいて何時勇者召喚されてもいいように訓練をしているんだ!』
残念親子の発言である、取り敢えず将太は全国の中学二年生に謝罪をすべきだ。
『ちょっと、本気でアウェー感が半端じゃないんですけど・・・・・・』
もういっそ帰ってしまおうかと本気で考えた美久
その時病室のドアがノックされて
『終わったわ~、病院の手続きってなんであんなに長くて面倒なのかしらね~』
と言いながら入ってくる弘子だ




