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最下階層攻略(交渉)

 この話が完成してから思ったんですが文字数のバランスがいつもバラバラなので出来るだけ整えていきたいと思います。

 大体6000文字前後を標準にしたいと思います。


 今回の話は8000台の文字数です。

「すまない、コウセル君。私の力ではどうする事も出来ない」


 ジッフル男爵との話が終り、ジッフル男爵の屋敷から直接、アルナーレ男爵の屋敷に行くと近いうちに俺が来る事を予想していたんだろう、アルナーレ男爵の屋敷に着くとすぐにアルナーレ男爵を面会する事ができた。

 だけど、アルナーレ男爵の第一声が俺への謝罪だ、ジッフル男爵の言う事は正しいみたいだな。


「アルナーレ男爵様、それは俺にかかっている殺人容疑を晴らせないという事ですか」


「そうだ、我が家も君のおかげで僅かだが地位が上がり権力も強くなったがジッフル男爵家には及ばないのだ」


「お父様、どうにか出来ないんですか」


「無理だ、アルナーレ家の力を全部使ったとしても届かん」


 話し合いに同席しているリーゼが他に方法はないのかと聞いているがアルナーレ男爵の返事は否定だ。


 今、話し合いの席に居るのは俺とアルナーレ男爵、リーゼそれと世話役の執事とメイド役をしているラーネルだ。

 アスリラはアルナーレ家の屋敷に在る庭でハチの世話をしている。


「今の状態ではどうする事も出来ないのは分かりました。では、アルナーレ家が力を付ける方法、ジッフル男爵の力を削ぐ方法はありますか。

 このままだと俺はジッフル男爵に潰れるまで扱き使われるでしょう。それだけは避けたいんです。今、どうにか出来ないなら出来る様にしたいと思います。

 何か方法はありませんか私も出来る限り力になりたいと思います」


 この言い方で向こうも俺が無償で力を貸す事が分かるだろう。無理やりでも何か案を絞り出すと思うんだがどうかな。


「お父様! コウセル殿が力を貸して下さるというのなら私のパーティに入っていただいて迷宮の最下階層に挑戦するというのは、どうですか。成功すれば我が家の格は上がりますし商人たちも私達の味方をする筈です」


 アレ? 真っ先に食い付いたのがリーゼか、アルナーレ男爵が食い付くと思たんだが。


 それにしても最下階層か、リーゼは最下階層に下りる方法と何が有るのかも知っているみたいだな。


「確かに最下階層である四十三階層に挑戦して成功すれば、どうにか出来るかも知れないが・・・・」


 おお、希望が出て来たかな。アルナーレ男爵もどうにか出来ると言っている。けど、何かに悩んでいる問題があるみたいだな。

 迷宮での事だから生死に関わる事だろう。失敗すれば死ぬんだろうな。


「すみません、旦那様、発言を宜しいですか」


「なんだ、ラーネル」


「私は最下階層に挑戦するのは反対です。挑戦するのも危険ですが最下階層に下りる事も出来るか分かりません。

 彼の為に命を懸ける事は出来ません。申し訳ないですが諦めるべきだと思います」


 アルナーレ男爵が悩んでいる所にラーネルが意見を言う。元もらしい意見だが嫌われているのを知っているから邪推して見捨てようとしているんじゃないかと思ってしまう。

 まあ、最下階層に下りる方法を教えてくれればハチと行って来るから別に良いんだけど。どっちかて言うと来ないで欲しい色々とバレる。


 ラーネルの意見を聞くとアルナーレ男爵はさっきより眉間に皺を寄せて考えている。俺という手段の一つを失う事とハイリスク、ハイリターンの賭けをするべきかとか悩んでいるんだろうが俺がパッパと解決してやろう。


「アルナーレ男爵様、今、俺は迷宮に入る事が出来ないので何とかしていただけませんか。後は四十三階層に下り方法を教えていただければ俺が何とかします」


「今は入る事ができないのか? それなら何とか出来るが一人で行くつもりかね、無謀ではないか」


 唯、大丈夫だと言うだけでは納得はしないよな。ここは少し実力を伝えないといけないか、あんまり晒したくはないんだけど今回はそうも言っていられないか。


「そうでもないですよ、四十三階層を除いてリディアの迷宮の地図は完成していますし、四十二階層に在る南京錠で施錠している扉って四十三階層に続く階段ですよね。南京錠さえどうにか出来ればハチと一緒に行ってきますよ」


 やっぱり驚くよな、部屋に居る全員目を見開いて俺を見ている。思ったよりは驚きようが大袈裟な様に感じるが認識の違いかな。


 モータルセンヌに召喚されたばかりの頃と良く似ている。俺達、召喚された魔術師は当然、種族は人間だけだ。肉体、魔力の量的な物はモータルセンヌの人間とは変わらないし、種族よって違いは出てくるが決定的な差は無い。

 違いがあるのは技術と知識だ、モータルセンヌは何度も文明が滅びたせいか生み出されてきた技術や知識が何度も消えて無くなっている、そのせいで技術、知識の発展がかなり遅い。

 地球と同じぐらいの技術を知識が有れば四十三階層に一人で下りる事ができる人は今よりかは多く表れていて驚きは小さいものになっていたと思う。


 あくまで予想だが文明が滅びたりしなければ地球よりも文明は発達していたんじゃないかと思う所が幾つもある。

 今後はどうなるか分からないが再び文明を滅ぼすような物、大罪の大魔獣などが現れなければ地球より発達した世界になるんじゃないだろうか。

 ・・・・いや、無理か、この世界の貴族連中が魔術関連の物を殆ど消したんだった。でもアレかな急激な成長なんかしたから消されただけで徐々に発展していくなら残るか? まあ、考えても仕方がないか。


「コウセル殿が三十一階層の転移装置に登録したのは知っていたが、まさか本当に四十二階層まで下りたのか?」


 一番早く立ち直ったリーゼが確認の為か質問をして来る。表情は信じられないというものだ。


「ええ、下りましたよ」


「簡単に認めるが自分がどれだけ、すごい事をしたか分かっているのかコウセル殿、一人で四十二階層に下りる事ができる探索者なんて今のシビアには居ないぞ」


「別に一人ではないですよ、ハチが居ますから。ハチが居る事で大分探索は楽になりましたよ、もともと戦闘面では一人で十分なんで迷宮で楽に過ごせるようになればそれだけで効率はかなり上がります」


 実際はハチが居ても居なくても効率は変わらないが楽になったのは本当だ。いちいち魔術を使って魔物の分布を調べたり休む時に結界を張らずとも全部ハチが知らせてくれ話相手にもなる、精神的な部分は大分、助かっている。


「それが本当なら挑戦させても良いのかもしれないが・・・・コウセル君、最下階層に君一人で挑戦をするのは許可できない、と言うよりも意味がない」


 いつの間にか立ち直っていたアルナーレ男爵は俺が言った内容を吟味して挑戦させても良いと思ったみたいだが戦闘や探索の能力以外にも必要な事があるみたいだな。


「訳をお聞きしても」


「ああ、良いだろう。シビアはリディアの迷宮と共に発展した町だ、それゆえに、ある程度、迷宮で通用する者ではなくては一人前と認められない」


 これは本当に町として発達してきた初期、アンニーではなくシビアにやって来た貴族が行政をする時に町での暮らしに関しては問題は無かったのだが、迷宮に関する事はなかなか思い通りにはいかなかったらしい。

 それも探索者達が言う事を聞かなかったからだ。当時の探索者達の発言力は強く、迷宮の事を話でしか聞いた事のない貴族達が気に入らなかった。

 だからと言って探索者達は貴族達に従わない訳にもいかないので妥協案として、ある程度、迷宮で潜り探索できるようになるのを条件とした。その名残が迷宮の二十一階層に下りれるようになる事で一人前と認められるという風習だ。

 さらに下の三十一階層に下りる事ができるなら、他よりも実績があるという事で優位に立てるがあまり大した事にはならないので殆どの者はしないそうだが、最下階層についてはそうではないらしい。


「最下階層に挑戦するのはリディアの迷宮で最も難しい事だ、さっきも言ったが迷宮と共に発展した町だ挑戦に成功したならばこの町では大きな影響力を得られる、特に探索者のクランに絶大な支持を得る事ができるのだ」


 探索者のクランから支持が得られる理由は昔の名残もあるが本業である自分達より腕が立つ、または伍する実力があるからというものらしい。実力社会なので実力がある者には敬意が払われるそうだ。


 それなら俺は敬意を払われているというより嫌われているみたいなんだがと聞くと、あまり自分の事を話さないし誰かに頼ったりしないので知られていなかったり所詮は噂だという事になっているのと個人が嫉妬するのは止められないと言われた。

 確かに自分の事はそんなに話していなかったし必要が無かったから誰かに頼る事はなかったな、それに優れた人が誰にでも好かれるという事はないよな。俺だって表には出さないが嫉みはするんだ当然か。


「だが、これは貴族の者が直接、最下階層に行き挑戦する必要がある。代理人を立てる事は出来ん、出来たとしてもその栄誉は代理人の物になる。

 君一人が挑戦して成功しても我が家の力にはならない、そして君が力を得るとしても殺人容疑を晴らす事は出来ないだろう」


 ここは鵜呑みにしても良いのか? けど周りに確認する訳にはいかないしな。まあ良いか俺が特別、損する訳ではないし。

 それより貴族の者が挑戦しなくてはいけないと言うが最下階層に下りる時はアルナーレ男爵も同行する事になるのか。


「では、もし挑戦するならアルナーレ男爵様もご一緒という事になるんですか?」


「ん、ん~、情けない事に私では足手纏いになるだけだ行くとすればリーゼになるだろう、本人も希望している。それに私にも貴族間での立場と言うものがある。

 あまり力を付け過ぎると周りから叩かれる恐れがある。リーゼなら何時か王都に旅立つ一時的な物なら周りも叩くのではなく恩恵に与ろうとするので大丈夫だろう」


 貴族間のパワーバランスか面倒くさい事だ。まあ、最下階層に挑戦するのに支障がないならそれでいいかリーゼが来るなら、その方が助かるのも事実だ。

 アルナーレ男爵は小太りな人なんで運動が得意そうではない。迷宮探索なんで最低でも得意レベルでないと面倒を見るのがしんどい。


「なるほど分かりました。ではクートゥリーゼ様と最下階層の挑戦を許可していただけませんか」


「旦那様、私は反対です。コウセル様が言っている事が本当か分かりません。追いつめられて出鱈目を言っている可能性も有ります。何よりまだ私達では迷宮のボスであるミノタウロスを討伐する事は出来ません」


「ラーネル控えなさい。今は旦那様とコウセル様のお話の途中です許可なく発言をするのではない」


「っ!・・・申し訳ありません」


 改めて最下階層にリーゼと一緒に挑戦する事をお願いすると思わずと言った感じでラーネルが反対の声を上げるが、許可無く喋ったせいか執事に叱られて再び下がって控える。口だけだと、やっぱり信用され辛いか。

 まあ、それより、リディアの迷宮のボスはミノタウロスなのか。やっぱり普通のミノタウロスとは違うんだろうか。


 そういえば最下階層に何が有っても問題ないと思っていたし挑戦する事で解決しそうだから気にせずに交渉していたが何が有るのか知らない。

 迷宮のボスが居るとは予想しているが扉を付けてまで入れないようにしているんだ、他にも何かあると思っていたんだが違うのか。

 ラーネルの発言からするに迷宮のボスであるミノタウロス以外、警戒していないが何もないのか。


「すいません、質問を良いですか」


「構わん、なんだね」


「最下階層には迷宮のボスであるミノタウロス以外は何もないんですか、それとミノタウロスは迷宮のボスなんで普通とは違うんですよね詳しく教えてくれませんか」


 アルナーレ男爵の許可が出たので質問をすると今度は信じられないという目で見られ驚かれている。

 

「コウセル殿、最下階層に何が有るのか分からずに挑戦すると言っていたのか」


 一緒に迷宮に潜るだろうリーゼから問われるが、その表情は微妙な物になっていた。

 あんなに問題ないように答えていたが実際は問題を理解していなかったんだから仕方がないかもしれない。


「迷宮のボスと呼ばれる魔物が居るのは知ってますが扉を付けてまで入れないようにしているんです、他にも何かあると思っていたんですが違うんですか」


「扉を付けているのには確かに理由が有るんだが、それよりも何も知らずに最下階層に挑戦しようと思ったのか」


「前に酒場なんかで聞いたりはしていたんですが誰も教えてくれなかったんで知る事ができなかったんです。今になるまで必要なかったんで知ろうとは思いませんでしたし、他に方法が無いなら挑戦するしかないんで知るのは後からでも良いと思ったんです」


「旦那様」


「良いだろう、ラーネル。最下階層に挑戦する時はお前も一緒になるだろうから話に参加しなさい」


「ありがとうございます」


 アルナーレ男爵から許可を貰って話にラーネルが入って来るが反対しているんで参加して貰いたくないんだけどな。


「コウセル様、私には焦って妄言を言っているようにしか思えません、最下階層について何も知らないのに挑戦しようと言うのは無謀です」


「他に方法があるなら別に挑戦しようとも思いませんが、今の所、最下階層に挑戦するしかないじゃないですか。それに、どんな魔物か知っていれば何とでも出来ますよ」


「では聞きいますが最下階層に居るのはBランクに指定されているミノタウロスです。普通のミノタウロスより強靭な肉体とリディア鋼で作られたな大きな戦斧の魔法武器を持っています。

 魔法武器である戦斧の力は魔法の四属性である火 水 風 土のどれかの力を宿しています。貴方はどうにか出来るんですか」

 

 確かにミノタウロスみたいな筋肉隆々の魔物が武器を持てばそれだけで厄介だし、魔法武器というならさらに厄介だろう。Bランクに指定されるのも納得だ。


 それにBランクなら、ここまでラーネルが反発する理由が分かった気がするな。

 魔物はCランクまでは単独で倒しても驚きはされるが熟練の探索者なり冒険者は倒す事ができるんでそれほど珍しくは無い。まあ、新人でCランクの魔物を倒したギランは珍しくはあるが。

 だが、Bランクになると話は変わってくる。Cランクから上のランクに上がる度に今までにないほど強さや厄介さが跳ね上がる。だからBランクを脅威に思わないというのは馬鹿か、かなりの強者という事になる。

 そして俺は強者のつもりだ、装備を整えてないと、きつくなってくるだろうが。

 

 それよりもラーネルに何て答えるかな、今の俺でもBランク上位の魔物でない限り、余裕を持って倒す事ができるだろう、迷宮ボスのミノタウロスは多分Bランク中位ぐらいだ戦っても苦戦はしないだろう。

 でも、その事を丸々伝えるつもりはないがアルナーレ男爵達に教えても良いもんだろうか、信じてもらえない可能性もあるがこれを伝えない事には許可が得られないかもしれない。

 ・・・・・どの道ここで許可が得られないなら強引な手段を取らざる負えなくなるかも知れない話すか。


「可能ですよ、魔法武器を持っていると言っても間合が広くなる程度でしょう、それだけなら何とでも出来ますし、時間は掛かるかもしれませんが倒せない相手だは有りません」


「その掛かる時間で私達の内、誰かが怪我、死んだりしたらどうするんですか。私達は貴方の為に命は懸けられません」


 考えてる前提がラーネルと俺とでは違うな、ラーネルは俺と自分のパーティが一緒に迷宮ボスであるミノタウロスと戦う事を想定しているが、俺は一人で戦う事を前提で考えていた。

 まあ、一人でBランクの魔物に挑むのは普通はあり得ないからな仕方がないか。


「では、戦わなくても良いですよ。戦闘は俺一人でします。もし殺されそうになっても助けなくても構いません」


「コウセル殿、それこそ無謀だBランクの魔物を一人で戦おうなど無理だ」


「助けなくても良いと言われましても、目の前で知り合いが殺されそうなら助けられずにはいられません」


 言ってる事に間違いは無いから反論出来ないな。心配はしてくれているんだが実際は一人で戦った方が楽なんだけどな。

 リーゼ達と一緒に戦っても魔術なしになるから反対に時間が掛かるぐらいだ。そもそもリーゼ達は戦力になるのか?

 初めて会ったのは中層でコボルト(小型)の罠にかかったとはいえ全滅しかけていた。下手すれば足手纏いで囮ぐらいにしかならないんじゃないのか。


「クートゥリーゼ様、お伺いしたいんですが今、迷宮でどのあたりを探索しているんですか」


「うん? 今は中層と下層を行ったり来たりしている」


「最下層を目指してはいないんですか」


「コウセル殿から魔力操作の訓練を教えて貰ってから大分強くなったが、まだまだ未熟で普通の迷宮に居るミノタウロス相手に倒せるんだが手古摺っていてな戻る事を考えると、なかなか下に下りる事ができないんだ」


 普通のミノタウロス相手に手古摺るか、どんな戦い方をしているか知らないがこれは戦力にはならないな。


「思っていたよりも階層が浅かったですか」


「そうですね、もっと下の階層に下りていると思ってました」


「コウセル様は私達を当てにしていたみたいですが、当てにされても困ります」


 別に当てにしていないしリーゼ達じゃあ、当てにならない。勘違いされても仕方がないんだけど。


「ネル、そんな事、言わなくても良いだろう。それに確かに迷宮のボスであるミノタウロスは強力だがコウセル殿と力を合わせれば倒せない事はない筈だ」


「お嬢様は楽観視し過ぎです。そんなに簡単にいくとは思えません」

 

「簡単に行かないのは当然だ、だからと言って何もしないのでは何も成せないではないか」


「それで取り返しのつかない様な事があればどうするんですか!」


「二人とも、そこまでにしなさい。言い合ってるだけでは結論は出ないだろう」


 リーゼとラーネルがヒートアップして来た所にアルナーレ男爵がストップをかける。

 

「申し訳ありませんお父様」


「申し訳ありません旦那様」


「落ち着いたならば良い。―――コウセル君、出来るなら私も最下階層に挑戦させたいが今のままでは許可を出す事は出来ん。何か過去の仕事で強力な魔物を倒した話とかはないかね、それで私達を納得させてほしい」

 

 過去の強力な魔物か。前世ならSランクの魔物なんかとも戦った事もあるが今世ではCランクより上の魔物とは遭遇した事もないからな納得させられるか。

 ミノタウロスはダメだな倒せることは知っているだろうし今回は、それより強力なミノタウロスを倒す事になるんだ納得できないだろう。

 後Cランクと言うとエアウルフか。ここらでは生息していない魔物だからインパクトはある、倒した事を証明するのは最悪ラカムに頼めば力になってくれるだろう。あんまり頼るのはどうかと思うが。


「ランクだけで判断するなら最近までシビアの周辺を住処にしてたCランクのエアウルフぐらいですね、俺が倒した事がある強いと思う魔物は」


「いつ倒したのだ。冒険者ギルドから依頼が達成されたと聞いているが君が受けたという事は聞いていないんだが」


「正式に依頼を受けた訳ではありません、俺のランクだと依頼を受ける事は出来ませんから。倒したのはケイッコー鳥の青羽を取りに行った時に襲って来たんで仕留めたんですよ、逃げるより楽だったんで。

 噂になってないのは秘密にするようにお願いしたのと周りにバレない様に隠していたからです。あんまり大きな騒ぎになるのは避けたかったんです、まだアルナーレ家から庇護を受けていなかった時期でしたから」


「そうか。それで、エアウルフを倒した事を証明する事は出来るかね?」


 やっぱり話だけでは無理か。仕方がないラカムを頼るか。


「冒険者ギルドのラカムさんに話せば証明してくれますよ。確認したいなら一緒に冒険者ギルドに行きますよ」


「冒険者ギルドのサブマスターと知己なのかね」


「はい、色々と縁が有りまして」


「そうか。ふむ・・・・リーゼ、ラーネル、私は最下階層に挑戦を許可しようと思う」


 よし、アルナーレ男爵から許可がもらえるなら決まったも当然だな。これで何とかなる。


「本当ですか、お父様!」


 リーゼは喜びを露わにしているがラーネルは反対に不満そうに顔を顰めている。

 

 ラーネルは納得できないか、Bランクの魔物を倒していれば渋々だろうと納得していたと思うがCランクのエアウルフだと駄目か。

 そもそもミノタウロスはパワータイプの魔物でエアウルフはスピ―ドタイプの魔物だ。ランクが一緒だとしてもタイプが違うんで片方を倒したとしても、もう片方を倒せるかどうかの参考にはならない。


「しかし、旦那様、俊敏な動きを得意とする狼系の魔物を倒せたからといって頑丈で力の強いミノタウロスを倒せるとは限りません。

 それにエアウルフはCランクの魔物です、Bランクであるミノタウロスを倒す参考にはならないと思います」


「確かに参考にはならないかもしれないがコウセル君が屋敷に来た時だ、彼は森から帰って来て、すぐに屋敷に来たが怪我らしい怪我をしてはいなかった。

 詳しい内容は聞いてはいないが近くに住み着いていたエアウルフは群れの長だという事を聞いている。Cランクの魔物が率いている群れを相手に怪我をせず倒せる彼なら出来ると判断した」


「・・・・・分かりました。最下階層に挑戦する際は私も同行させてください」


「そのつもりだ、挑戦する時はリーゼを頼むぞラーネル」


「はい」


 渋々ながらラーネルも最下階層に挑戦する事を了承した。


 これで最下階層に挑戦する許可が取り消される事は無いな。後は最下階層に行く方法聞いて挑戦するだけだ。


 そう言えば、この話に参加していないアスリラはどうするんだ? 俺としては居なくても問題ないがリーゼ達はどう考えてるんだ。

 



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