表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/67

臨時パーティを組む

すみません長い間、更新が止まってしまいました。


 今回の話でモータルセンヌでの時間、暦についての説明があります。

 背景などを含んだ説明があるので長くなり面倒だと思う人もいると思いますから簡単にここで説明させていただきます。

 背景は本編と関わりの無い設定ですので飛ばしても大丈夫です。

 暦の説明は終われば何行かの空欄にしてから話を進めますので面倒と思う方は空欄まで飛ばしてください。

 一年一日は地球と変らず365日24時間です。


「各種薬草の確認が終わりました、依頼は達成です。お疲れ様でした」


 指定された薬草の収集のEランクの依頼を終えて報酬受け取りカウンターを離れる。


 そう、すでに昇格試験を終えてEランクに成っている。


 気合を入れて臨んだ昇格試験なんだが、あっさりと終えてしまったのだ。


 昇格試験は試験官との模擬戦闘で、試験場で剣を持つ試験官と俺、二人だけで対峙する。


 ちょっと隙だらけな気がするが試験官を務めるくらいだから高い戦闘技術を持っていると思い、牽制で突きを放ち反応を窺おうとしたんだが、その突きが簡単に当たってしまい試験官は尻餅を着く。


 何というかお互い気まずい空気が流れたが、何かの間違いという事で、もう一度模擬戦闘を行う事になり再び対峙した。


 今度は向こうから来るのを待ち構える。


 試験官の横薙ぎの攻撃を防ぎ反撃でこちらも横薙ぎを素早く繰り出すと、試験官は回避する事も防御する事も出来ず当たってしまい、再び気まずい空気が流れた。


 試験官は流石に二度も簡単に負けたので落込みながらも実力差がある事を認めて合格を言い渡してきた。


 模擬戦闘で勝った俺が慰めたりする訳にはいかないので、礼を言った後いそいそと試験場を後にして受付カウンターでランク昇格手続きをして、適当なEランクの依頼を受けて冒険者ギルドを後にした。


 何日か経った後に訓練場で猛訓練している職員がいる噂を聞いたが、その職員が試験官だったのかはどうなのかは知らない。


 それからEランクの依頼を受けながら過ごして来た。


 冒険者ギルドに掛けてあるカレンダーを見て、あと四日で一ヶ月経つんだな頭の中で思う。


 そうカレンダーだ。地球のカレンダーと内容が同じカレンダーが冒険者ギルドにある。最初見たときは驚いた。


 今更だがモータルセンヌは一年が三百六十五日で一日が約二十四時間で地球と同じ様な太陽系の星のせいなのか暦が地球と同じものであった。


 これはモータルセンヌに召喚されたギリシャ人の占星術を研究していた魔術師がモータルセンヌでも研究をする為にグレゴリオ暦で暦を作っていたので分かった事だ、それを俺を含めた召喚された魔術師達は彼が作った暦を使っていた。使い慣れた物のほうが良いからな。


 このギリシャ人の魔術師はかなり災難な人だ。


 モータルセンヌと地球では当然、星の位置が違い、名と意味も違う。地球の知識がまったく役に立たないので彼の研究していた占星術はまったく使う事が出来ず、他は最低限の基礎的な魔術しか使えず、戦闘用の魔術を開発する暇が無かったので大概逃げ回っていた。


 逃げ回っている時にプランマ王国で召喚された魔術師を同じ召喚された魔術師(前世の俺)が保護していると聞き、プランマ王国に来るまでに罠の可能性などを考えて、さんざん悩んだらしいが保護される事を彼は選んだ。彼は一番最初に保護した魔術師だった。


 彼が作った暦を使い始めてから三年目ぐらいだったろうか、プランマ王国の人が正確な暦と気が付きプランマ王国の天文学者達は彼に教えを乞い始め、彼は魔術に関係ない技術を自分の研究の支援する事を条件に教えることなになった。


 暦は国家運営上、非常に重要な物で農作業から戦争準備、そしてモータルセンヌでは魔物の活動期を見極める為に必要で暦作りは国家の名誉に関わってくる。


 だからなのかギリシャ人の魔術師が作ったものではなく、グレゴリオ暦を学んでからプランマ王国人だけで作った暦を正式に採用していた。


 まあ、そういう事が有ったので地球と同じカレンダーが有る事には驚かないんだが、それがプランマ王国ではなくカロンスア王国に有る事に驚いた。


 地球ではどうなっているか知らないがモータルセンヌでは暦作りは国家の名誉に関わるものなので、他国の暦を使う事はその国より格が低いと認めてしまうので各国の独自の暦作っている。


 しかし、今はギリシャ人の魔術師が作り方を教えた事により魔術師の暦と呼ばれている、グレゴリオ暦が世界の基準になっていてのを聞いて驚いた。

 

 どういう経緯が有ったか知らないが世界基準に成っているという事は、周辺諸国はプランマ王国を格の高い国であると認めている事になる。各国は王達は悔しい思いをしただろうな。


 そして大国としてプランマ王国が今も存在しているのが格が高くなっている証拠の一つだろう。


 カロンスア王国は二百年弱の若い国なので暦を受け入れる事に、それほど抵抗は無かったんだろうと思う。


 カレンダーは大きな商店や貴族の屋敷に仕事で必要だったり見栄の為に必ず有るそうだ。紙か羊皮紙で作られて使い捨てなので庶民が買えない訳では無いが余程余裕が無い限り買う事は無い。


 ノキ村でもカレンダーを持っている家は無い。曜日などは知っても田舎では役に立たないからだ。


 だから、田舎の村なのでは木の箱に一日一枚、板を入れていき板の数でその年の何日目か判断して、その年の最後の日、三百六十五日を迎えた次の日から、木の箱から板を全部取り出し、また一から木の箱に板を入れていく。


 そんな風に田舎の村では日数を数えていくので俺は自分の誕生日が何月何日かは知らない。


 まあ、誕生日なんかは知らなくても、どうでも良いけどな。











 Eランクになってから、後四日で一ヶ月が経つ。


 シューバとの取引でEランクに上がってから一ヵ月後に専属の冒険者として働く事になるから、時間の掛かる依頼は受けられないし最後の一日は休みにしたいのでFランクの依頼を二回ほど受けるかEランクの依頼を一回受けるぐらいの時間しかないな。


 Eランクの依頼掲示板を見て条件の良い依頼を探す。


 ギランが近場の狩場を荒らしたせいか殆どの冒険者が護衛依頼を受けているのか護衛依頼が殆ど無い、有ったとしてもかなり条件が悪い、これじゃあ誰も受けないだろうなと思っていると横からその依頼書を取る冒険者がいる。


 その冒険者は依頼書を掲示板から取った後も、受けるべきか止めるべきか悩ましそうな顔をしていたがパーティメンバーと共にカウンターへ手続きをしに行く。


 明らかに依頼条件が悪いのを分かっていながら、それでも受けようとするのは近場でも遠くの狩場でも魔物不足になっているんだろうな狩場の奥に行けば魔物は居るだろうがリスクの方が高いのだろう。


 俺も常備、掲示板に張られているゴブリンなどの魔物討伐依頼は受けず、判別が難しい薬草の採取の依頼を中心に受けてきた。


 狩場の奥地に行けば簡単に魔物を見つける事が出来るかもしれないが、簡単に討伐依頼をこなしていくと今の時期はすごく目立つ。


 目立つのはもう少しランクを上げてからにしないと厄介ごとが来そうだ、今の所は魔物の素材は少ない数をシューバに卸すだけにしている。


 秘かに買取をしてもらっているが、あまり多く魔物素材を卸すことはしていない、多く卸すとシューバに異空間魔術が使えることがバレるかも知れない。


 少し警戒し過ぎかもしれないがバレるよりはマシだろう。


 ノキ村に居たころは大量に毛皮を取っていても秘密の山小屋が有ったので置いておけたが、今は置き場所がないからコツコツやって行くしかない。


 彼は契約に誠実な商人だが欲に目が眩まないとは限らないし、契約しているからと何でもかんでも教えるつもりは無い。


 そうやってシューバに異空間魔術が使えることを秘密にするため多くの魔物素材を取ってくるわけにも行かず、ランクが低いせいかランクの高い魔物の生息地を調べようとしても冒険者ギルドから資料の閲覧を制限されているので高ランクの魔物討伐もしていない。


 まあ、酒場などで話を聞く限りはアンニーの周りには高ランクの魔物は生息していないみたいだ。


 そんな事が有るので条件の良い依頼を探さないといけないんだが、気に入るものは見つからない。


 条件の悪いEランクより、条件の良いFランクを二件受けた方が金もギルドポイントも稼げるからFランクにするべきだろうか?


「おい、コウセル」


 依頼掲示板を見ていると誰かに呼ばれたので後ろを振り向くと〈鋼の牙〉のファイドが俺を呼んでいた。


「こんにちは、ファイドさん」


「おう、コウセル、久しぶりてほどでもないが元気にやっているか」


「はい、コツコツ依頼を受けていますよ」


「そうか、それなら良いんだが・・・・・お前、掲示板を見ていたけど何か依頼を受けるのか?」


 ファイドは少し考えながら俺が何か依頼を受けるのか訊ねてくる。


「いえ、良いのが無いんでFランクの依頼でも受けようかなって、考えていた所です」


「そうか・・・・なあ、コウセル頼みがあるんだが、俺達のパーティに入ってくれないか?」


 勧誘か?でも〈鋼の牙〉は俺がソロで動きたい事も知っているはずだし、もうランクを上げる事を目指していないはずだが方針を変更したのか?


「それは正式にパーティを組むって事ですか?」


「違う違う、言い方が悪かったな。今、受けてる依頼を達成する為に力を貸して欲しいんだ」


「一時的にパーティを組むって事ですか?」


「ああ、そうだ」


 何だ俺の勘違いか。しかし〈鋼の牙〉はベテラン冒険者のパーティだ自分達ができない依頼を受けるとは思わないんだが何か有ったのかな?


「何の依頼ですか?」


「その何だ、薬草の採取の依頼なんだがな、その取ってくる薬草が判別し辛い奴でなかなか集らないんだ」


「ファイドさん、薬草の判別もキチンと出来ないのに何で依頼を受けたんですか? 言っちゃ悪いですけど依頼を達成できないのは自業自得ですよ」


 呆れる、失敗するリスクも十分ある事が分かるはずだ、一体、何を考えてるんだ。


「まったくお前の言うとおりだ。受ける前からちょっとまずいかなって思っていたんだが、お前やニスリサの嬢ちゃんが簡単に集めていたから、俺達にも出来るんじゃないかって話になって受ける事にしたんだが、やっぱり難しいな、薬草が無かった訳じゃ無いんだが殆どが雑草て言われたんだ」


「それはそうですよ、俺も教えられて、すぐに分かるようになったんじゃないですよ。何度も間違えてそのたびに教えて貰ったんで分かるようになったんですから」


「やっぱり、そうだよな。俺達も魔物討伐が出来るなら受けようとは思わなかったんだが、今は魔物討伐は難しいし遠出すると稼ぎも少なくなるからな。護衛依頼も条件の悪いのしか残ってなかったから受けたんだが失敗したな」


 う~ん、思っている以上に魔物不足が深刻なんだな、狩場の奥地はリスクが高すぎるし、あんまり遠くに行き過ぎると稼ぎが少なすぎるのか。


 魔物がいない事は普通、喜ぶべき事なんだが、低級のみだと起こる問題の方が深刻だな。


「それでな、これ以上、薬草の採取の依頼を受けてると儲ける所か赤字になってくるから何とか依頼を達成させたいんだ。頼むコウセル、俺達に協力してくれないか」


 ファイドが手を合わせて頭を下げてくる。人は少ないがファイドが頭を下げている所を見ている。


 周りからはベテランが新人に頭を下げて頼んでいる、ここで断れば俺が悪い奴みたいじゃないか。


 そこまで計算してやってるのか?・・・・・いや短い付き合いだがファイドはそこまで考えてないだろう、単純に仕事を助けて欲しいから頭を下げて俺に頼んでいるんだろう。


 まあ、特別予定もないし〈鋼の牙〉に恩を売ると考えれば良いか。恩は金やギルドポイントとは違った価値が有るからな。


「分かりました。細かい条件を詰めていきましょう、流石にタダ働きは嫌ですよ」


「本当か!助かる。それじゃあ仲間の所に行くか」


 ファイドの後に付いていき〈鋼の牙〉のメンバーと報酬等の細かい条件や薬草採取の簡単な予定を決めて、出発は明日の早朝に決り、冒険者ギルドで手続きした後、解散した。


 翌日、城門で集合して、城門が開くと目的の森へ出発する。



 暦説明で出て来た人物がいるのでここで説明します。

 占星術を研究しているギリシャ人の魔術師。

 彼は前世の人物で話しに関わってくる予定はありません。


 細かい修正をすれば明日にでも次話が更新が出来そうです。


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ