表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/67

魔物の襲来  見える影は罪か?

すみません、嘘をつきました、投稿できるかも知れないと書いていましたが出来ませんでした。

次はこんな事のないようにします。


前回と同じでグロい表現が有ります。苦手な方は注意してください。


 魔物の噂を聞いた翌日、シューバ達はノキ村を離れて次の村へ移動していく。


 俺は狩りに出掛けると偽って、魔物探しに出掛ける。


 魔物がノキ村に出て来た場合、出て来た事を知るまでに怪我人が出るかもしれない最悪死人が出る。


 ザーインが村に居るからそんな事にはならないと思うが、出て来る前に退治すればそんな心配はしなくていい。


 何より魔核を秘密で手に入れることが出来る。


 ザーインに魔物らしい生き物が居たら何もせずに報せるように言われたが、守るつもりは無い。


 意気揚々と森を駆け抜け、とりあえず森の深くに在る秘密の森小屋を目指す。


 秘密の森小屋は俺が大量に狩った獲物を秘かに解体等をして毛皮の保存、塩漬け等を作りシューバに売る為の物を作り、後は魔術の訓練などする為に作ったが、メインはゴーレムの改良だ。


 ゴーレムは赤ん坊だった時に行っていた魔術の訓練で作った物だ。


 赤ん坊の時は家の中から外へ出かけることが出来ないので、目立つ炎や雷などの魔術は使えないし、目立たない魔術を使っていても一日中やっていれば飽きてくるし生産的ではない、何か魔導具を作ろうと思っても材料が無いので作れなかったが、ゴーレムならとりあえず土だけで作ることが出来ると思い作り始めた。


 家の下の地中に一体だけゴーレムを作り試行錯誤した結果、材料が唯の土だけなので時間を懸けた割にはそれ程、性能は良くないがCランクの下位の魔物なら正面から殴り合っても勝てる位の強さがあるゴーレムが出来た。


 このゴーレムは二メートルほどの、ごついゴーレムで、魔核を手に入れてから術式と身体を構成する俺の魔力をたっぷりと含んだ土は魔核の中に収納し、持ち運び便利で何時でも何処でも召喚できる魔導具として完成した。


 普通なら術式だけ魔核に込めるものだが、俺の研究成果で魔核に空間生成の魔術を施し、その中に身体を構成させる土を入れることが出来るようになっている。


 秘密の森小屋が出来てからゴーレムを持ち運び、色々と改良をし、魔核を手に入れてから術式と身体を構成する土を収納させる儀式もそこで行った。


 こんな風に地球の魔術師は何でも出来るわけでは無いが、近坂家は色々な分野に手を出している為、様々な事が高いレベルで行える。


 近坂家初代当主は宇宙に自分だけの世界、星を作ろうとして研究し、その研究は自分には向いていないと何代目かの複数の当主は別の研究、生み出した星の調査の為のゴーレム、ホムンクルスの研究、その調査用のゴーレムなどを送るための転移や移動方法の研究を行い。


 科学技術が発達すると、突如、星が現れると大問題になり、様々な組織に時代に合わない、秘匿すべき魔術を世間にバラした、神に対する冒涜だと様々な理由で襲われるので断念したが、誰にもバレなければ良いんだと異空間の創造と世界を何かの入れ物に作ればいいんだと空間拡張の研究を始めた。


 普通なら基本を習得してからは家で代々受け継がれている魔術を研究するんだが、近坂家ではその当時の当主の気まぐれで色々と手を出しているので、良く言えば万能型なのだが、実際に所は器用貧乏に成っている。


 まあ、それでもモータルセンヌでは地球で手に入らない、素材が有るのでそれで補えば、専門で研究している家の魔術を実現でき、時間と金を掛ければ伝説級の素材も手に入るかもしれないから、地球では不可能とされていた魔術理論も実現できる可能性がある。


 俺は近坂家の研究成果を全て覚えており、神秘を学ぶのが面白くて公開されている地球では実現不可能な魔術理論も殆ど覚えているため、他の魔術師達より有利であった。


 きっと地球に戻った魔術師達は素材をたっぷりと持って帰り、残っている連中はモータルセンヌで研究を続け何十年単位で先に進める事が出来ただろう。


 俺もモータルセンヌに来て、研究を格段に飛躍したものが有る。


 それは、異空間の創造と空間拡張の技術だ。


 参考にしたのは異空間を作り、物をしまう事のできる腕輪だったり、空間拡張により何でも入れらる魔法袋だ、すごい物になると無制限に物を入れることが出来たり、時間停止する物まである。


 それらの異空間生成技術と空間拡張技術は近坂家の技術よりも進んでいてとても参考になった。プランマ王国の国宝にも魔法袋が有り、限界は有るが時間停止の力も有しているすごい物だ。


 前世で国宝の魔法袋をバラしても良いかと真剣に訊ねた事が有ったが、アルクスに剣で突っ込まれ全力で拒否されされた事がある。

 ―――――あの時は興奮して我を忘れていた。


 そんな事が有り、俺も魔術で異空間を作り、物を収納することが出来るが、魔術で生み出した異空間は常に魔力を消費し、物を入れると魔力の消費量が増えるので、あまり使わない。


 早く素材を手に入れて空間収納の腕輪や魔法の袋を作りたい、基点となるものが有れば魔術を施し、魔力を消費しなくてもいいものが作れる。


 ちなみに時間停止は組み込んでいない、今の俺の技術では効率良く再現できない、使ったとしてもすぐに魔力が枯渇してしまうからだ。


 


 


 秘密の森小屋に着き持ってきた弁当をおくと、外で索敵用に魔術を使う。


 索敵用の魔術は一定以上のの魔力を感知するだけのものだから、かなり広い範囲で索敵できる。


 魔物がいないこの森では索敵に引っ掛った者は間違いなく魔物だ。 おそらく魔物がノキ村に来るなら、アンニーに向かう街道に沿って来るか、街道の脇の林に潜んでいるはずなのでそっちの方向に魔術を放つ。


 しばらくすると複数の魔力を感知するがおそらくシューバ達の商隊だろう、反応はノキ村から離れていく。


 さらに時間が経つと一つの魔力を感知する、おそらくこちらまで来た魔物だ。


 魔術と身体強化を行い最速で魔物の近くまで近づき、身を潜めて魔物を観察する。そこに居るのは熊そのものだが、瞳が真っ赤な色をしている魔物のレッドアイベアだ。


 モータルセンヌでは魔物と動物の違いは体の中に魔核が有るか無いかで、普通の動物の外見をしていても魔核が体内に有るなら魔物とされている。


 犬、猫のような普通の動物と外見が変わらないものがいるがその場合は瞳の色で基本的に判断する、外見が普通の動物と違いが無い魔物は瞳の色が多くが赤くなっている、そういう魔物をレッドアイ○○といわれる。


 今回の魔物も外見は熊と変わらないが、瞳の色が赤いので魔物だ、動物と違い一定以上の魔力も感じる。


 今世で初めての魔物狩りだ、少し緊張して手から汗が滲んで来る。


 魔術は名を付けるなら(風刃)を無詠唱で組み上げ―――放つ。


 放たれた風の刃は高速で飛来しレッドアイベアの首へ食い込み、あっさりと首を切り落とし仕留められた。


 ・・・・・あれ? 少し相手を高望みし過ぎたのかな。まあ、よくよく考えれば魔力は特別高いわけじゃないから、強さ的なものも動物の熊と変らないか。


 かなり肩透かしを食らった感じだが、レッドアイベアの身体を異空間を生成して中に収め、森小屋へ戻る。


 森小屋でレッドアイベアの血抜きを行い、解体する。


 解体して毛皮、肉、魔核に分ける、毛皮は防処理などを行い保存できるようにし、肉は一部は塩漬けにして他は昼食にする―――モツは新鮮なのが美味しい。


 昼食を食べてから魔核を使って、魔導具を作る。


 作る魔道具は投槍だ、木材を持ち運びも便利なサイズの投槍の形に削り出し、それを半分に割り、割った片方の投槍の内側に術式を掘り込んで溝を作る。


 細かく砕いて粉末状にした魔核を掘った溝へ流し込み、もう片方と膠を塗り張り合わせて完成だ。


 この投槍型の魔導具は魔力を流しただけで術式が発動し、投槍が突き刺さると炎による爆発が起きて相手を燃やし尽くす物だ。


 他にも色々と作り方が有るが材料が唯の木と魔核だけなのでこの方法で作っる。


 魔核を粉末状にする作業は魔術などを使うと、魔術を行使する魔力と魔核の魔力が干渉し合い駄目になるので手作業で行なはないといけない。


 金槌で砕いたあと乳鉢と乳棒で粉末状になるまで磨り潰していく、この作業に無心で行っていると、森小屋の中で木が折れた音が響く。


 音がした方へ目を向けると、木の板が割れている。


 魔核を粉末にする作業を止めて、森小屋を飛び出る。


 割れた木の板はノキ村の警戒鐘を叩くと割れるように俺が魔術をかけていた。


 森小屋の板が割れたという事は警戒鐘を誰かが叩いた事になる、村のどんなに幼い子供でも警戒鐘は叩くなと教えられているから悪戯で叩かれる事はない、という事はノキ村で何かが有ったという事だ。


 考えられるのは魔物だ、俺は勝手に魔物は一匹だけだと思い込んでいた、複数いてもおかしくないのに。


 こんな事ならもっと詳しくシューバから話を聞いておくべきだった。







 森を駆け抜け、ノキ村に着く。


 人の者でない叫び声が聞こえる、恐らく魔物の叫び声だろう。


 村の広場に駆け込むと、複数の人と二体の熊の魔物が居る、恐らくレッドアイベアだ。レッドアイベアの一体はザーインが槍で相手をしており、もう一体はリムス神父と数人の子供に襲い掛かっている、他の人は隅の方で怯えて縮こまっている。


 ザーインは魔物が出たらすぐに現場に駆けつけられる様に畑には行かず村の中に居た、リムス神父は教会に居たからすぐに駆けつけて来て子供たちを庇う事が出来たんだろう。


 ザーインはレッドアイベアを倒すのにあと少し時間が掛かりそうだ、しかしその僅かな時間でリムス神父の結界が破られそうだ、結界にヒビが入っている。


 俺は駆けつけてきた勢いを利用して、枝切り用の鉈をリムス神父を襲っているレッドアイベアに向かって魔術を施して投げる。


 魔術を使い投げた鉈はレッドアイベアの首を切り裂いて鉈が首に食い込む、そう食い込むだけだ切り落とせない。


 見た感じはレッドアイベアだが、恐らくここまで来るのに様々な経験をしたせいか進化している、超越種だ。


 超越種のレッドアイベアがこちらを向いてくる、俺は地を蹴り接近して拳を叩き込む、唯の拳ではない魔力による浸透勁で内臓を潰す。


 浸透勁が入った感覚はあるが超越種のレッドアイベアが怯む様子が無い、ダメージを無視して腕による横薙ぎを振るってくるが後ろに下がり避けながら(投石)の魔術を使う。


 ビー玉サイズの石だが、魔術に込められた魔力は普通に行使する分よりも多い、発動した(投石)の石の硬さは鋼と変らない程あり、速さは撃ち出される拳銃の弾以上の速度が有り、超越種のレッドアイベアが腕を振り切るまでに八回発動させ、全て命中するがまったく怯まない。


 倒せるとは思っていなかったが怯まないのは驚いた。


 超越種のレッドアイベアは振りぬいた反対の腕で襲ってくるが、結界魔術で受け止める。


 結界は大丈夫だが体格差により踏ん張っていれば体勢を崩されるので飛んで勢いを殺しながら、(照明球)の魔術を弄って作った事にした(閃光)で目くらましを行う。


 (閃光)をまともに受けて、一時的に目が潰れたのか叫び声を上げながらその場で暴れまわる。


 (土壁)を使い超越種のレッドアイベアを囲い込み閉じ込めるが、すぐに(土壁)全てを壊し出てくるが、もう十分に時間は稼いだ。


 目が回復して俺を睨んだ瞬間、超越種のレッドアイベアの頭部が吹き飛んだ。


 吹き飛んだ頭の位置には、槍の槍頭があり、その槍を握っているのはザーインだ。


 ザーインの後ろにはザーインが倒したレッドアイベアが横たわっている。


 とりあえず魔物を二体討伐し終わった。


「コウセル、怪我は無いか」


 ザーインが心配そうに訊ねてくる。


「大丈夫だよ、お父さん。お父さんの方こそ怪我はない」


「ああ、大丈夫だ」


 そうか、疲労はしているみたいだが怪我はないんだなよかった。


「よかった。―――お父さん、もう魔物は居ないの?」


 魔物がもう居ないか、今度はキチンと確かめないといけない、先ずは村に居ないかだ、ザーインに聞きながら魔術で調べる。


「村にはもう居ないだろう、一応見回りはするが」


 確かに村には魔物は居ない、俺も村を見回るふりをしてから森全体を調べるか、しかし、この二体は何処から来たんだ?


「お父さん、この魔物二体は何処から来たの?」


 少なくとも街道に沿って来た訳じゃない筈だ、そこは魔術で俺が調べた。


「北門の方から入ってきたから、恐らく北の方だろう」


 北の方から? 俺の考えは検討違いだったのかな、ノキ村に続く街道に沿って来るだけじゃないか・・・・いや、移動しやすい街道はノキ村に続く道一本だけじゃない、他の村に続く街道もある。


 ノキ村から北に行った所に一つ村が在る、その村に続く街道も在る。


 そこの村を訪れてからノキ村に来たのか? ノキ村から北の方に在る村との道も街道ほど立派ではないが在る。


 超越種のレッドアイベアは来た道には餌と成る物が無いと分かるぐらいの知性はあるだろうから、来た道に引き返すことは無いだろう、だからまだ通っていない道を選ぶはずだ。


 恐らく選んだ道がノキ村に続く道だったんだろう。


 もしこの予想が当たっていれば、北に在る村は壊滅しているだろう・・・・・過ぎた事を気にしても仕方が無いか。


 その後、村の中を村に居る住人全員で見回り、村に魔物が居ない事を確かめ、広場に戻る。


 広場に戻ってから、二体の内、片方のレッドアイベアは超越種じゃないかとザーインと畑仕事から急遽戻って来た男衆で元冒険者だった住人に話した。


 誰も超越種と遭遇した事がないみたいだが不審だと思う点を話すと、普通のレッドアイベアと違うと結論が出て、軽く調べるためにすぐに解体することになり、腹を切り裂くと・・・・・大量の死体が腹から溢れてきた。


 死体を見たのとの無い者も、ある者も、その異常さに顔を青くし、嘔吐く者もいて、気を失う者も出てくる。俺も顔を青くして固まる。


 村中の人間がその異常さに怯え、普通の方も超越種の方も二体ともすぐに焼き払うことが決定した。


 超越種の方は調べたいと思ったが、調べることが出来ると言う訳にもいかず、村全体が不安がっている中一人だけ反対する事もできず諦めた。


 超越種なのだから力が強く成るだけでなく特殊な能力に目覚めるのは不思議ではないが、今回のような超越種を前世で多く見た事が有る。


 ある存在の影響を受けた魔物たちと同じ特徴がある、無制限に物を食し、食した分だけ質量が増し、耐久性が上がりしぶとくなり、討伐した後、解体すると今まで食してきた物が腹から溢れてくる。


 そう、大罪の大魔獣、暴食のベルゼブブの影響を受け、ベルゼブブの能力を得た魔物とそっくりだ。


 旅の目的に一つ大罪の大魔獣の顕現阻止を追加しないといけないかも知れない。


 もう一度、大罪の大魔獣が顕現すれば、もう討伐する事は出来ないだろう、少なくとも俺は無理だ、一介の平民では倒すための環境が整えられない。


 顕現させないようにしないと、今度こそ世界は滅ぶ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ