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【完結】地上でいちばん可愛い正月旅行 〜天使と悪魔も福来たる、温泉・TOKYO・バタフライ〜  作者: 久茉莉himari


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8/11

【8】元旦、おせちとふわモコスタイル!?〜神社仏閣に入れない悪魔、恋の脚本にされる〜

花火が終わったあと――

ルチアーノが用意した、赤ワインの最高峰「ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(DRC)」で、四人は乾杯を交わした。


だが、アンジュは一口飲むなり、「……眠い……」と目を擦り出した。


「目を擦ると赤くなってしまいます!」

ルシアンが慌てて声を上げる。

「ルチアーノ! ロクシー! 私はアンジュさまを寝かせてくる!」


そう言うやいなや、アンジュを抱き上げて寝室へと運んで行った。


その背中を見送りながら――

ルチアーノとロクシーの視線が、バチリと交わる。


「ルチアーノ……あんたの報告メール、読んだわ」

ロクシーがワイングラスをくるくると回しながら、意味深に笑う。


「ありがたき幸せ……!!」

ルチアーノは勢いよく胸に手を当て、感激の声を上げた。

「では、明日の脚本は如何に!?」


ロクシーが妖艶に微笑む。

「――あんた、さっきの花火の二人、見た?」


ルチアーノの瞳がギラリと光る。

「モチのロンでございます!!」


「フフフ……よろしい!」

ロクシーがグラスを軽く掲げ、唇を弧にした。

「そこで、あんたの“神社仏閣に入れない問題”を利用するのよ」


ルチアーノが目を剥いた。

「なんと……!! ピンチをチャンスに変える……!

ロクシー先生……天才ですか!?」


「まあね!」

ロクシーが得意げにウインクする。

「あんたのタブレットに、もう脚本は送ってあるわ。

ルシアンに暗記させて!」


「……御意……!!」


ルチアーノは感動のあまり、瞳を潤ませながらタブレットを胸にぎゅっと抱きしめた。


――ロクシー先生の大作戦、ついに始動である。





ルシアンがアンジュをそっとベッドに横たえると、アンジュはあっけなく眠りについた。

あどけなく、美しい寝顔を見つめながら、ルシアンが静かに呟く。


「お休みなさいませ。アンジュさま」


部屋の灯りを落とし、メインリビングへ戻ると――

入れ違いにロクシーが「お休みー」と言いながら部屋に入って行く。


ソファには、ギラギラと目を光らせたルチアーノが鎮座していた。


「ルチアーノ? お前は寝ないのか?」


ルシアンが問うと、ルチアーノはタブレットから印字した紙の束を突きつけてきた。


「新年初恋成就作戦・第1弾だ!!

記憶しろ! そして、その通りに動くんだッ!」


その叫びと同時に、薔薇の花びらを散らしながら特大クラッカーを鳴らす。

次の瞬間――


「うるさいっ!!」


ロクシーの怒鳴り声と共に、飛んできた缶ビールがルチアーノのこめかみにクリティカルヒット。


「ロクシー先生の愛のムチ……!! ラブ❤️」


ルチアーノはソファの上で転げ回り、完全に悦に入っている。

ルシアンはその様子を見て、これではアンジュが目を覚ましてしまうと判断し、

ルチアーノが差し出した紙の束に手を翳した。


淡い光が瞬き、一瞬で記憶が完了する。


「……完了した。静かに」


「さっすがルシアン!! ズッ友の鑑ッ!!」


ルチアーノが満面の笑みで親指を立てる。

ルシアンは小さくため息をつきながら、

“新年初恋成就作戦”という不穏な言葉を胸の奥で反芻していた。






翌朝、一月一日――元旦。


テーブルの上には、豪華な洋風おせちが並んでいた。

イレイナの計らいで用意されたその料理は、どれも色鮮やかで、まるで宝石箱のようだ。


四人が揃うと、まずは「明けましておめでとうございます」の挨拶。

すぐにルチアーノが張り切ってロクシーにお屠蘇を注いだ。


ロクシーはグイッと飲み干し、

「ヤバいって〜! たまらん!」と豪快に笑う。


ルチアーノも負けじとお屠蘇を飲み、「うまーい!! ロクシー先生、おかわりどうぞ!」と上機嫌だ。


アンジュは緑茶を手に、静かに微笑んでいた。


その時、ルシアンが口を開く。


「新年の挨拶も終わったし、お屠蘇も飲んだ。……質問しても良いか?」


「いいわよ〜! もしかして今年の抱負!?」

ロクシーがアワビに齧りつきながら軽く返す。


「その……」

ルシアンはチラリとアンジュを見て、ロクシーに向き直る。


「日本文化では、お正月は着物が正装ではないのか?

我々が着ている、このモコモコの服は何なのだ?」


そう――今、四人は全員そろって“ふわモコ”のパーカー&パンツ姿である。

しかも、全てロクシー監修のデザインだ。


ロクシーはラベンダーカラーの上下に、金色のドルマークの刺繍。

アンジュはベビーピンクに、金色の天使の羽根。

ルチアーノはショッキングピンクに、某ブランドを彷彿とさせる金刺繍のロゴ。

そしてルシアンは――ベビーブルーに金色のユニコーンの刺繍。


「あのね!」


ロクシーは最高級の冷酒をグビッと飲み干し、ルシアンを真正面から見据える。


「着物は京都で着たでしょ!?

あれ以上の着物は無いの!

あの着物はね、日本の人間国宝の方の手によるもの! 一着数千万円は下らないの!

だ・か・ら♪」


フンフンと鼻歌を鳴らすロクシーに、ルチアーノがさっと冷酒を注ぐ。


「逆にね!

お正月は“ジャパニーズカワイイ”一択なの!

どう? アンジュちゃん、かわいいでしょー?」


ロクシーの目が怪しく輝いた。


今日のアンジュは、金髪を三つ編みにして両サイドに垂らしている。

もちろん、それもロクシー監修だ。


ルシアンは目の前のアンジュを見られず、

「……そうか」とだけ呟いた。


そして――

セレニスで新年の慈善パーティーをはしごしつつ、アンジュ達の様子を完璧にチェックしていたイレイナも、静かに呟いた。


「ロクシーのあのセンス……馬鹿なの?」





そうして、一通りおせち料理を食べ終えると、ロクシーが箸を置き、ニヤリと笑った。


「ルチアーノは悪魔だから、神社仏閣に参拝できないんだよね〜!

でも、せっかくのお正月に一人ぼっちは可哀想だよね?」


アンジュが深く頷く。


「勿論だ! 日本のお正月とは平和祈願なのだから!」


「アンジュちゃん……!!」


ルチアーノが感極まって目を潤ませたその瞬間、

ロクシーの肘鉄がルチアーノの腰にヒットする。


「でね!」

ロクシーが身を乗り出す。

「この旅館には小さいけど滝があるの!

そこで、お正月イベントをするから、みんなで行こうよ!」


「素晴らしいな、ロクシー!

良かったな、ルチアーノ!

ルシアン、楽しみだな!」


アンジュが無邪気に笑う。

その笑顔は、冬の朝の光のように眩しく――

ルシアンは思わず、見惚れた。


そして、そんな二人を見ながら、ロクシーとルチアーノはそっと目配せを交わす。

次なる“作戦”の開幕を告げるように。

ここまでお読み下さり、ありがとうございます(^^)

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