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地上でいちばん可愛い正月旅行 〜天使と悪魔も福来たる、温泉・TOKYO・バタフライ〜  作者: 久茉莉himari


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【3】ズッ友と初恋と、京都のスイートルーム。〜旅行未経験の天使は無粋なり〜

「みんな! あれを見ろ!」


突然のアンジュの大声に、全員が一斉にアンジュの指差す方を向いた。

そこには、二人連れの舞妓が静々と、にこやかに歩いていた。


「綺麗……! まるで日本人形みたい……」


さっきまでルチアーノにガミガミ噛み付いていたロクシーが、別人のように舞妓に釘付けになる。

ルチアーノも思わず、舞妓を凝視していた。


そんなルチアーノを見て、ロクシーがゴホンと咳払いをする。


「イレイナの予定によると、今夜はあの舞妓さんや芸妓さんと、京料理を堪能しながらお座敷遊びよ。

取りあえず夜に備えてホテルにチェックインして休憩! ルチアーノ、車を出して!」


「どこに行けばいいんだ?」


不思議そうな顔のルチアーノに、ロクシーが勝ち誇ったように答える。


「ナビに設定済み!」


「なるほどなっ!」


ルチアーノがパネルをタッチすると、ナビのアナウンスが流れ出した。





イレイナが用意してくれたホテルは――京都でも、いや、日本全国でも屈指の最高級ホテルだった。

部屋はスイートルームで、主寝室が四部屋もある。


ルチアーノは各部屋を覗いては、子どものようにはしゃいでいる。

ロクシーも「こんな豪華な部屋に泊まれるなんて!」と感動し、アンジュも「素晴らしいな!」と目を輝かせていた。


すると、壁際に立つルシアンが冷静に言う。


「はしゃぐのはそのくらいにして、シャワーでも浴びて仮眠を取るのが賢明では?

着替えはクローゼットに入っている。今夜は遅くなるだろう」


ルシアンの言葉を聞いた途端、ロクシーは「じゃあ私はこの部屋にする!」と即決し、アンジュに振り向く。


「アンジュちゃんは私のお隣で良いよね?」


「うむ! ロクシーのお隣が良い!」


二人はそれぞれ部屋へと入って行く。


ルチアーノが「ルシアンはどうする? 先に決めていいぞ?」と訊くと、ルシアンは静かに答えた。


「ありがとう、ルチアーノ。だが私は眠らない。どの部屋でも構わない。君が先に決めればいい」


すると、ルチアーノが眉間に皺を寄せた。


「あのな〜、せっかくの楽しい旅行に水を差すようなことを言うな!

お前が眠らないなんて、アンジュちゃん以外は全員知ってる!

それでも部屋に入ってリラックスすればいいだろ?

それで後から“スイートルームすごかったな!”くらい言えば、それで盛り上がるんだよ、旅行ってのは!」


「……そうなのか? 旅行なんてしたことが無いから分からない」


ルチアーノがハァとため息をつく。


「そうだったな……。

まあ兎に角、部屋に入って様子をチェックでもしておけ。

どうせロクシーがアンジュちゃんを巻き込んで、“みんなの部屋どうだった!?”って言い出すに決まってるからな」


ルシアンがフッと寂しげに笑う。


「アンジュさまは、私には訊かないだろう」


「なぜだ!?

せっかくの日本旅行だぞ!

お部屋チェックの後はみんなでお話するんだ!

俺様、どこか間違ってますか!?」


「ルチアーノ……お前は休まないのか?」


そう言って、ルシアンがルチアーノの前のソファに腰を下ろす。


ルチアーノは愛飲している富士山の天然水を振ってみせた。


「これを飲んだら少し休む。睡眠は大切なんだ。

それからヨガタイムの後、シャワーを浴びて夜に備える!

舞妓さんと芸妓さんに、ベストな俺様を見せつけるのだ!!」


勢いよく立ち上がるルチアーノに、ルシアンが静かに尋ねた。


「そうか。じゃあ、ひとつだけ質問しても良いか?」


「どうぞ」

ルチアーノは手のひらを上にして、優雅にルシアンを促した。


「アンジュさまの――」


そこまで言って言葉に詰まるルシアンに、ルチアーノはニヤニヤと笑い、人差し指をチッチッチッと左右に振る。


「ルシアン♪ 俺達はズッ友❤️

分かってる! 初恋成就の件だろ? 俺様に任せろ!

ただし! 今夜は楽しい旅行の始まり。祇園でお座敷遊びだ。

取りあえず今夜はそれを楽しめ。これをぶち壊すと、ロクシー先生がブチギレる……!!

明日は温泉に移動してまったりする予定だから、明日の夜にでもロクシー先生と脚本を練る!

だからアンジュちゃんには、普通に接しておけ!」


ルシアンも立ち上がる。


「助言をありがとう、ルチアーノ。

じゃあ部屋に入って、部屋の中をチェックしておく。

アンジュさまとの会話に困らないように」


そう言って、ルシアンはスタスタと去っていった。


ルチアーノはその後ろ姿を見送りながら、身を捩る。


「初恋成就に日本旅行!! これぞ運命の幕開けだ……!!」


そして――

ルチアーノは胸ポケットから小さな小瓶を取り出し、そっと握りしめた。

ここまでお読み下さり、ありがとうございます(^^)

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