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最速の探偵

作者: 砂虎

私は最速の探偵、韋駄天馬。

誰よりも早く事件の真相を推理することをウリにする名探偵だ。

タイパを気にする人ばかりの昨今にあっては事務所も大繁盛。

三年連続で探偵オブ・ザ・イヤーも受賞している。


そんな私だから総理直々に「今すぐ頼む」と言われた今世紀最大の事件の真相も一瞬で見抜いてしまった。

我ながら自分の天才ぶりには驚かされる。

顔が良ければ頭も良いなんて、まるで物語の主人公じゃないか。


そんな完璧な私にも欠点が一つだけある。

それは書類仕事が苦手で報告書の作成に手間どるということだ。

しかも今回は急を要するので報告書は五百文字にしろって縛りつきだ。

五百文字で事件の真相と犯人の名前を簡潔にまとめよって言われてもさ。

短くまとめようとすると逆に時間がかかるんだよ、こういうのは。

おかげで文章の出だしを考えてる間に犯人の企みは成功してしまった。


だから私は今、書類を投げ出してティータイムを楽しんでいる。

最速の名探偵は無駄なことはしないのだ。

今さら報告書を作ったり総理大臣に弁解して何になろう。


総理とて報告など望むまい。

あと30秒で世界中に核ミサイルが落ちるという時に犯人の名前を聞いたところでどうしようもないものな。

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― 新着の感想 ―
ふむふむと読み進めていって、ラストの一行の破壊力といったら……! ショートショートのお手本のような作品だと思いました。 面白かったです!(小説内で起こっている事態はそれどころじゃありませんが……汗) …
うまいッスლ(´ڡ`ლ)←他人事のように……
企画から参りました。 確かに……。 予想外の展開とオチ。 見事だと思いました。 うまいものです。
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