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初恋

作者: 梨花

あなたの街を歩く度に

誰かにまた心許す度に

必死につなぎとめてる

あなたが上書きされていく


いつか嫌った無機質な触れ合いすら

意味ある物に変わった

あなたの指先から

色が溢れていったあの夜に


ほんとうは


何気ない仕草も

その瞳の色も忘れたくないの

額合わせたその寝顔を

大切にしたかった




あなたが言っていたように

弱くなる覚悟を一度すれば

支えてくれる人はいたし

受け入れられることも簡単だったよ


きっと寂しさに任せて誰かの優しさに

溺れることも

易しい 

けれどあなたに一番に

伝えたかった言葉達がまだ 泣いてる


本当は

私の心のままに優しくなって

履き慣れた余裕で包んで

あなたが許してくれる限り

そばに居たかった


曝け出すことを覚えれば

強くはいられないことはどこかで分かってた

それでも歩き続けたのは

いつかいいたいことばがあったから




あなたに出会った日から

不可解だった浮世に同調し始めた

ただ綺麗と思っただけだった

過去の人の指が少し震えていた感情の理由も


お願い聞いて

私より世界を知っているあなたの

様々な予防線に触れてしまったとしても

全部切っても伝えたいことがある


危うい儚さは

見てる分にはタイプだけれど

優しい背中が張り詰める度に

無力だと思った


あなたと交わった人生のうえで

1つだけ嘆くなら

冷めた飯事に甘んじていた過去の自分


肝心な時に限って

思いを伝える術すら知らない

涙が溢れ出すだけで

うまく言葉なんて出てこない




気持ちが信じられないと言われる度に

残酷な人だと思うことは簡単だった

初恋でそんな試練辞書にないわ

でも私もきっと同じだった


きっとあなたに出会わずにいたら

他の誰かにこんな気持ちにさせられたとは思えない

約束したいわけじゃない

他でないあなたに知って欲しいだけ


先が見えるわけではないから

会いたくて苦しい


でももう分かってる

いつかのための仮初の期待だけですら

その辛さをゆうに飛び越えて

明日を生きる強さになってしまうから


あなたに会えないことよりも

あなたに会えることの方が

私に取っては大きい意味を持ってる


それに気づいてれば

最初から全てを傷つけることも

なかったのかもしれないけれど

泣き続ける私の1番大切なことから

裂かれてしか見えないこともあった


もし他の誰かに私を許した事があって

不安定な自分も超えた後

あなたに出会っていたのなら

純粋な思いだけで笑えたかもしれない


けれど望まない

全ての記憶が後悔できないほど愛しい

あなたと自分の言葉で話したくて

私は変わったの


弱くなった自分は

貴方を悲しませるから嫌い

でももう戻る気はない

この感情をもらった限り

弱くなっただけじゃ終われない


馬鹿みたいに繰り返したありがとうの

意味ぐらいは最後に伝えたい


何事にも動じなかった私が

あなたの琴線に触れたのなら

残念ながら私にはもう

その力は残ってないけれど


未来を望む以上に

まず伝えたかった言葉に 愛をのせたい

無様で恥ずかしかったけれど

あなたへの感謝でいっぱい


私を信じて何か動いてなんて言わない

私の未来を信じてとも言わない

ただ今だけは

私があなたを好きなことを 感じて 知って

どうしても信じられないなら

私に対する同情からでもいいから

信じる努力を

お願い

純粋に貴方を見ている人もいることを


思う度に擦り切れるような

痛みも人並みには


会いたかった淡い願いを

数え切れないほど涙にかえた


この静かな諦めは

過去の私の集大成

意地でも気持ちを伝える日を

諦めなかったのは貴方に会った私


お願い

あなたを大好きな私を見て

何気ない優しさに救われた私の言葉を聞いて

私の感情に居場所を作って

ここまで追いすがった私に免じて


信じられない、で終わらせないで


よく頑張ったなって言って

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