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見慣れない土地

最後に見た光景は何だっか…。


白い室内にいた事は覚えてる…。

たしか、学校の教室だったはずだ…。授業を受けていて…それでなんだっけな…


そうだ、そうだ。


外を眺めていた。変わった鳥が飛んでいたんだ。それをボッーと観察してた。眠気もあったかもしれない。


うとうと…。バサバサ。


バサバサ。


バサバサバサバサッ。






変わった鳥がこっちに向かって一直線に飛んできていた。その後は記憶にないが、何かはあったかとは思う。






そして、ここは何処だろう。





気づけば、俺は果てしない大地と何処までも広がる空の下で寝そべっていた。言い換えれば何もないのである。


日本とはとても思えない。どこを見渡しても開けた土地だけ。せめて、ビルとか一軒家ぐらいあってもいいのだが…。


それに、周りを見ても、木でさえ一本もない広大な平地なためか、生き物の気配はない。いや、小さな生き物はいるかもしれないが…。だが、人に会える気がしない…。


そもそも日本であるとも思わない。アメリカの旅行雑誌でチラッと見たモニュメントバレーというのがまさにここと同じような感じなのだ。


目星いものがないか、探してみる。


俺の周辺にはあの時見た鳥と同じ色の羽毛やら羽が散らばっていた。しかし、遠目から見た時よりも明らかにサイズが大きい。軽く人一人分を覆えるほどの大きさだ。


俺は夢でも見てるんだろうか。頭を捻ってみても全然わからない。


仕方が無いので、少し歩いてみるか…。


_______


一時間ぐらい立っただろうか…。



相変わらず何もない。。。岩と茶色い乾燥した土とひたすら日出る太陽しかない。


…俺、ここで死ぬんじゃね?


水場は見つからないし、木もないから実とか果実とかもないし、かと言って動物を狩る?

いたとしても平成生まれの俺に解体技術なんてないわ!そもそも手持ち沙汰もないから、捕まえても解体出来ないし、俺よりでかいやつ出てこられたらそれこそ死ぬ。


逃げるしかないわー。




ずっと歩いてるから喉がカカラカラになってきた。


このままだと、本当に死ぬかもしれない。。。


もうちょっと…もうちょっとだけ歩こう…。








……


気分的には五時間ぐらい立った。


相変わらず何もない。太陽が傾き始めてるのでかなり時間は進んだとは思う。だが、景色が一向に変わらない…。

茶色い土と輝く太陽。木もないし、生き物もいない。

ただただ散らばった岩や石がゴロゴロとしてる…。


現実は非情だ…。


皮肉な事に太陽のおかげで体内の水分をどんどん奪われている。


あー腹も減った。


ご飯食べたい。。。


飯…肉…肉うま…かゆ…かゆうま…。。


かゆうまは冗談だけど。肉は食いたい。


景色全然変わってない気がしてきた…。

けど、歩かないことにはなんも状況変わらないし…。



…歩くか…。






♢♢





……



日が沈んで夜になってしまった…。


やばい…、これは本気でやばいぞ…。


夜行性の大型動物とかいたら、絶対勝てない。



幸いポケットを探ったらスマホを持ってたので明かりはなんとかなる。

が、現在は46パーセント…


初めに見たときは、80%あったので、ここに来てから、既に半日は経過してることがわかる。

このバッテリー量では、もう長くはもたないだろう…。



少し歩くと大きい岩が見えた。

よく見ると、人一人は入れそうな空洞になっている。


この広さであれば、寝るには困らないだろう。


とりあえず今日はここで寝る…。入り口も屈まなければ、気づけないほど小さいため、俺自身よりでかい生き物は入ってこれないはずだ…。



「ちょっと固くて寝にくいなぁ…。」



来ていた学ランが汚れてしまうがこの際は仕方がない。洗えればまた着れるし。

学ランを敷布団代わりに、下に敷く。


ゴツゴツはするがさっきよりはマシになった。



空腹な上、散々歩いたので疲労が溜まっている。

既に重くなった瞼を閉じて、横になる。




「ん…。」



全身の力が抜けて、声が漏れる。

空洞から

『ひゅうっ。』

っとした風鳴と岩と石同士が掠り合う音が耳に響く。



…俺は深い眠りへと落ちていった。

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