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裏向きクズの悪辣物語  作者: 肝臓の支配者(ノンアルコールマスター)
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クズの転生

『弓使いが魔法を覚えたら』というものを書いてます。ノンアルマスです。

クズだけど勇者っぽいやつを書きたくなってやっちゃいました(゜∀゜)

拙い文章、読みづらい、いろいろあるかと思いますがどうか読んだってくだせぇ。



これは何かの悪い夢だ!と思う反面、自業自得だと納得してる自分がいるから恐ろしい。


俺は今、頭のイカれたクラスメイトの女に腹部を刺されて死にかけてるらしい。と言うよりはこの状況はほぼ死んでるんじゃないかとさえ思う。


幽体離脱。

生きている人間の体から心・意識が抜け出す現象。

俺は今それを体験して、自分の腹に刺さる包丁、うつむきながら薄気味悪い笑いをしてるぶっ飛んだ女、騒つくクラス内というなんともショッキングな朝のクラスを俯瞰して見てる。


これもひとえに日頃の行いが誰かに見られてて処分されたんじゃないかと思うな。


俺を一言で表すなら『表向き勇者タイプ』だと思う。まぁ、演じてるからそういう風に見えるようにしてるんだけどな。

俺の通ってる学校は都内でも有名な文武両道の高校で、俺はその学校で学業は学年1位、部活には入っていないが以前助っ人で出たサッカーのインハイ決勝でハットトリックを決めたり、陸上の試合では都内新記録樹立の快挙を経験したりとあからさまに優秀なやつだ。それでいて性格は温厚、話題に尽きない男である。しかも容姿までイケメンではないが中性的な顔立ちで唯一身長がそこまで伸びなかったのが欠点だと思ってたけど、あれはあれで可愛いと人気だったからいいや。


とまあ、ここまででだいたいわかるとは思うけど、自分を演じた結果俺はこんなに凄いやつになった。


だけど俺には裏の顔……違うな表向きじゃない顔がある。俺の本当の方だ。

まず自分の容姿を見て、可愛いとか思ってるほどにはナルシストだと自覚してる。俺の容姿に寄って来たメス蝿どもは残らず手を出していた。もちろん表向きの顔に泥をつけないように注意してな。

部活の助っ人では、頼みに来るのは同学年友達であったり、先輩であったりしたが総じて最終決断を下すのは監督である先生達であった。その先生達にあからさまにならないように媚を売り、内申点を爆上げしたりその先生が受け持ってる授業の成績をチョメチョメしてもらったりしてた。

そして最後に学業では、シンプルに俺の勉強の賜物ではあるが俺は天才タイプみたいで瞬間記憶能力系の能力が何個もあったようで苦労したことはない。

テスト前になると俺の表向きの性格を頼って友達かどうかも怪しい奴らまで俺に教えを請う形でくるからその時に少しだけ解き方を間違えて教えたり、そもそも範囲が違うことを教えたりと色々やって楽しんだ。


俺の本性はクズだ。自覚はしている。

でもそれが悪いとは思ってなかった。今は少しやりすぎたのかなとは思ってるけど。

でも誰だかわからない女に腹を刺されて殺されるってしょうもないミスをしたもんだ。

誰にもバレないように心がけていたんだけどな……

もっと、生きたかったな……

もっと生きてたらなんか面白そうなことができたかもしれないのにな。

はぁ〜


あっやばいそろそろ死ぬかも……

どんどん高度が上がってるわ。



どこまで上がるんだ俺は?

住んでた町が見えなくなって、雲の中に突入。それからずっと雲の中を上昇してるんだけど、さっきの上昇スピードだったらとっくに雲も突破してるはずなんだけどな。積乱雲の中にでも入っちゃったか?


上を見るとさっきよりはうっすらと明るくなって来てる。この雲の内部の景色には最初こそ驚いたけど、雲に触れないしずっと白いし、今じゃ完全に飽きて来てたから早く突破してほしいんだよな。



おっ!そろそろだろこれ!?


てゆうかなんで俺ずっと意識あんの?

死んだらそこで終わりじゃないの?安○せんせー!

ネタはここまでにして、リアルになんでなんだろ…


そうこうしてる間に雲を突き抜けた。

突き抜けたと実感したと同時に凄まじいスピードを体感した。効果音的には『ギュンギュンギュュュュウゥゥン』て感じだった。


そうした上昇中の浮遊感が一瞬止まった。

その景色はマジで嫌いだった。

雲海。地平線の彼方まで続く雲の海はどこまでも続いていた。

そして一転、今度は落下してる。風圧で目も開けられないってことはなく風が俺を避けるように俺に当たることなく落下していく。

割とすぐに雲を抜ける気配がして来た。雲を抜けた先にあったのは見たことのない街並みで、街は壁に覆われていた。

どんどん高度が下がる。

たとえ一度死んでいるとは言っても高高度からのパラシュート無しスカイダイビングは普通に怖い。

あれ?なんか加速してないですか俺の体……

待って待って待って!!当たる当たる当たるー!!


チュドーン


「イタタタッ……どこだよここ」


痛いだけでは済まない場所からダイブしたと思ったんだけど生きてた?みたいだ。

上を見上げるとどうやら天井にぽっかりと穴が空いていて、俺はそこから落ちて来たのだと分かった。

視線を落として辺りを見回す。

俺の住んでた部屋ではない。5倍くらいは広い。家具なんかも立派な調度品という言葉の方が正しそうな程に高価そうなものばかりが置いてある。

俺が現在寝ている場所も--ダイブした先で寝転がっていた--何やらフカフカのベッドでキングサイズはあり、天蓋まで付いている仕様だな。

なんだ、いいとこの生まれの人ん家に飛び込んでしまったのか、?


そうして現状確認をしていると扉の奥が騒がしいように感じた。

ドンッと開け放たれたドアから10人くらいの男女が部屋にぞろぞろ入って来た。その人たちの顔は一様に焦りの感情が見えていた。皆俺を見た後穴のぽっかりと空いた天井を見てまた俺を見る。

1人の男性が俺の方に駆け寄って来て何か意味のわからない言語で話しかけて来た……


「ン…?ググゥアァァァアイァァァ!!!!!」


酷い頭痛だ!

頭がはちきれそうなほど痛い!

グゥ、なんだこれなんでだ!?

誰かの記憶が俺の頭の中に入り込んでくる。

すげーヤンチャな少年の記憶か?悪ガキだったみたいだな!アッタマ痛いぃぃ。


しばらく苦痛に耐えていると急にスゥッと痛みが引いて来て今の俺の立場を"思い出した"。

俺の……いや違うな。

僕の名前はマンダリン・ドラキアラ。7歳か。

ドラキアラ領の一人息子ね……

なるほどね。


俺は痛みからではなく、この少年の半生を走馬灯のように見たから頭を抱えている。相当な悪ガキで、人に迷惑をかけては笑い、親も一人息子で跡継ぎだから俺には甘いけど多分これはみんなから嫌われているんだろう。そんな奴の中に転生してしまったみたいだ。


僕に駆け寄って来たのは父親でドラキアラ領の領主、グラコリアン・ドラタリ・ドラキアラ。

次第に何を話してるのかが理解できるようになって来たな。


「マンディー何があったんだ!?大丈夫か?」


マンディーっていうのは僕の愛称だな。


「父様、大丈夫ですよ!ピンピンしてます!さっきの後には驚きましたが僕には何も悪いところはありません!」


マンディーと俺が融合?する直前までのマンディーの記憶がある。何かわからない轟音でマンディーの生涯は終わり、俺の人生が始まった。結果的に言えばそれで終わりだ。


父様は驚きを隠せないといった様子だったがやはり息子には甘いようで抱きしめながら「よかったなぁ!」と言ってくれたが、チラッと他の人たちを見ると母様以外が白けた顔つきをしていた。

それを見て僕は思った。


「改善せねば!」


もちろん自分が生活しやすくなるためにな。

僕はマンダリンとしてこの世界で生きていかなければならないみたいだ。だから前の世界でできなかった事をこっちの世界でするんだ。

そう決意して僕は父さんに抱擁を返した。

主人公がマンダリンになると、マンダリンの体に引かれて一人称が俺から僕に変わりました。

ただ今後の作中でたまに『俺』が出て来ますが、その時はマンダリンに入る前の俺が考えている事だと思って見てください。

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