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3話

三話


朝食を終えて、支度をする晴香と三戸。これから2人は病院へ行くが、実はその病院は三戸の知り合いが経営している小さい病院だった。その病院は小さいながらも地域の中ではそれなりに活用されてきているところであった。三戸はそこの病院の院長(珍しく女性)と親しかった。そのため、事前に連絡をいれて(晴香はそんなことは知らないが)予約を取っていたのだった。勿論、晴香はこの事を知らない。


『晴香ちゃん。これから病院に行くけど、準備は大丈夫?一応、夜使ってるおむつ一枚持って行こうね。』

と、こんな時でも恥ずかしめることを忘れない。

『ぅん、ちゃんと入れてあるよ…。』恥ずかしがった晴香が、蚊の鳴くような声で答える。


そんなやりとりをなんども繰り返しながら、車(三戸がここまで来るのに乗ってきた車)に乗りながら、病院へ向かう。


『さ、晴香ちゃん。着いたわよ。』

行き着いたのは、小児科兼、泌尿器科の病院だった。泌尿器科目的でここの病院を使う利用者はなかなかいない。そのため、ここにいるのはほとんどが小さな子供や、大きくても小学生くらいの子供たちだった。

いつもの晴香なら、ここへ来ることはあっても特に何も感じないだろうが、今回は“おねしょ”という理由できている。それが、晴香にとって周りの小さな子供とおねしょの自身を重ね屈辱的な気分になっている一番の原因であった。

『晴香ちゃん?ぼーっとしてないで早く受付済ませて待ちましょう。』と、晴香を連れて受付を済ませる。


待合室で待つこと1時間。


『ーーーーー。』と、晴香の名前を呼ぶ声がする。

『晴香ちゃん、行くわよ。』手を引かれて部屋に入る。と、そこには美人な先生がいた。先生は足を組んで、メガネをかけて椅子に腰をかえている。

『えーと、晴香ちゃん今日はどうしました?』と、小児科もやっているだけあり、子供に接する態度が、体に染みついている。

『はい。実は…その…。』恥ずかしさで黙りこくってしまう。

『あ、恥ずかしいみたいですので私の口から言わせていただきますね。実は、この子おねしょを繰り返していてーーーーーーーーー。』本当は知り合いだということはおくびにも出さず、他人行儀で仲の良い先生に説明する。これは、晴香に先生と三戸との間柄がばれないようにするためだった。そして、おねしょについてと、家族の死についても事細かく説明した。


『なるほど。よくわかりました。晴香ちゃん、いろいろ辛いことがあったみたいね。おねしょの原因は恐らく精神的に不安定な日々を過ごしたことからくる、ストレスによるものでしょう。故に、治療薬はありません。ストレスが原因ですので、そのストレスが無くなれば、治ります。とりあえず、今使っている紙おむつ見せてください。』


がさがさと取り出して、先生に見せる。


『はい。ありがとう、晴香ちゃん。えーと、そうね…。医療用のもあるのですがーーーーーーーーということで、この布おむつなんてどうでしょうか?コレを使うと、紙おむつよりも経済的です。』


『では、その布おむつを5セット貰おうかしら。』と、三戸がいう。


『では、おむつカバーの柄はここから選んでください。サイズは、晴香ちゃんでも履けるくらい大きいのを用意してありますのでご安心ください。』


『そうね、じゃあ…コレとコレとーーーーにします』と、またしても三戸が決める。


『はい、薬局で袋に包んだ状態で渡しますね。晴香ちゃんのおねしょを治すために一種類薬を出します。この薬は、おねしょを止める効果はありません。しかし、この薬を使うと眠りを深くする効果があります。そのため、余計なストレスを感じずに眠ることができます。すぐには効果は現れないでしょうが、継続的に使うことで、効果が現れます。朝、昼、晩で、それぞれ一錠、服用してください。それでは、待合室でもう一度お待ちください。』と、言われる


待合室に戻ると支払いを済ませて、薬局に行くと、薬と布おむつを貰う。そして、家に帰っていった。この日から、薬の服用は始めていた。しかし、薬の効果は本当にそんなものなのだろうか…?それは、今後の晴香の様子を見れば分かる事だ。


今日の晴香は、初日のように何事もなく過ごした。そして、次の日には何が起こるのだろうか…それは、また明日のお楽しみ…。





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