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13話

十三話


約束のベンチでただひたすらに、水戸をまつ晴香の姿はお買い物中に疲れてベンチでまつ幼い子に他の客から見えたことは言うまでもない。もちろん、それはスカートからチラチラと見える、おむつがそうさせている部分が大きいが、それ以前に晴香自身の雰囲気が幼い頃のものに戻りつつあることは、まだ誰も知らないことである。


『あれ…?はるかちゃん?どうしたの?ママは?』

と、一人の女子高生が聞いてくる。もちろんよく知っている真澄である。


『うん…。今ねママはお買い物中だよ。』

と隣に置いてある大きめの黒いビニール袋に包まれたおむつを(中を覗かないとおむつだとわからないが)真澄とは反対の方に置いて、自分の体を壁にして、さりげなく真澄から隠そうとする。


『そうなんだ。お買い物でもしてたの?はるかちゃんだけベンチにいるなんて、疲れちゃったのかな?ふふ。』

と、幼い子に話しかけるようにいう。(遊園地に行ったときからそれは変わってはいないが)


『そんなんじゃ…ないもん…。』

と、“その他に理由がある”ということを思わせるようなニュアンスで言うが、それが何であるかまでは口にしない。


『ふーん?そうなんだっ。じゃあ、はるかちゃんのママがくるまで私が一緒に待っててあげるね。一人じゃ寂しいでしょ?』

と、晴香を見透かしているように納得したふりをすると、そう言ってそこにいる口実を作ったのであった。


もちろん、それを断る理由もなく真澄とこれから30分一緒にいることになった。


ー10分後ー


もじもじ…。


晴香が太ももを擦り合わせたと思ったら、その後目をぎゅっと瞑り、小刻みに震えたと思うと、数秒後には力が抜けて肩が下がっていた。


その様子を真澄は、いつの間にかじーっと眺めてしまっていた。

そして、ハッと我に返った真澄は、咄嗟にはるかに尋ねる。

『はるかちゃん、…でちゃった?』


こくんと、頷くはるか。


すると、まだ20分弱も約束の時間まであるのに水戸が現れた。


『はるかちゃーん…あら…?真澄ちゃんじゃない。先週はどうもありがとね。またはるかと遊んでやってください。』

と、真澄に挨拶をする。


『あ、いえいえ。こちらこそ。遊園地まで連れて行ってくださってありがうございました。また遊びたいです。…。それより…はるかちゃん…そのしちゃったみたいです…。』

と、言うと

『それじゃ、私このあとちょっと用事あるので失礼しますね。…はるかちゃんもまたね』

と手を振る。すると、はるかのスカートの間から、おむつがチラッとみえる。それはいまさっきの粗相によって黄色く、染まっているのが外側からでもはっきりとわかった。


それを見た真澄は、カァッと顔を赤く染めたあと、逃げるようにその場を去って行った。


『それじゃ、はるかちゃん。おむつ変えてあげるから、おトイレ行きましょうね。』

と、その場にいた他の客に聞こえるような声で水戸が言う。


案の定、はるかは恥ずかしそうにしながら、水戸に手を引かれてトイレへと消えていった。もちろん、その右手には恥を忍んで買ったあのおむつを握っている。


そして、トイレから出てきたときにはそのおむつの袋は破かれて一枚取り出されていたことは言うまでもない。


そうして、用事を済ませた二人はまたいつもの家へと向かうのであった。


そして、また明日からいつものように一週間が始まる。その度に、はるかを包む雰囲気は懐かしい香りを強めて、周囲に放つのである。そして、それは他のそれを誘発されることになるというのは、まだ秘密である。


しかし、それは確実に香りを強めて、確実にそのときに近づいている。

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