11話
十一話
昼ごはんを済ませた3人は次のアトラクションに向かっていた。
『晴香ちゃん、次はあそこいかない?ほら、あの、お化け屋敷。』
と水戸がすすめる。
お化け屋敷には身長制限がないので、あえて選んだのであった。しかし、実は真澄はお化け屋敷が苦手で、逆に晴香はお化け屋敷は得意であった。
『あ!お化け屋敷!!はるか行きたかったんだ〜♪』
と晴香がいう。
『真澄ちゃんもいいかしら?お化け屋敷でも…』
と、水戸が真澄にも聞くが、晴香の前で幼稚なところは見せれまいと、精一杯見栄を張ろうとする。
『もちろんです〜!晴香ちゃんが行きたいなら私も行きたいです。』
と怖いことを隠す。
『やったー!じゃあ、早く行こー!』
晴香がそう言ってから、30分。怖いと有名な、お化け屋敷にしては、早く順番が回ってきた。
その間、真澄は怖さからくる緊張によって水分を多くとっていた。
そんなことを知らない晴香と水戸は足早に中へ入ろうとする。それに置いてかれまいと、一番後ろを付いてくが、その姿は暗くてよく見えないため晴香には見えないが、水戸の服をちょこっと引っ張りながら、へっぴりご状態であった。
途中…
『わぁ!!!!』
とお化けが思いもよらぬところから大声で出てきたため、真澄は腰が抜けそうになってパンツに少々の黄色い染みを付けていたが、流石に他人からは何もわからない程度であった。
その後もなんども、驚いては水戸の腕を掴んだりと繰り返していくうちに、やっと出口が見えた。因みに、この間の晴香は一度も驚いていなかった。
外に出ると、
『真澄ちゃん、驚きすぎだよー!なんか、真澄ちゃんの方が、私の妹みたいだったね!おしっこ漏らしてたりして…笑』
と、冗談を言う晴香。
その言葉に対して、ドキッとする真澄。それもそのはずである。おしっこ漏らすまでには至らないにしろ、黄色い染みを作ってしまった行為自体は、お漏らしと何も変わらない。変わるのは、その量のみである。それを、知らないはずの晴香はに言い当てられたかと思えば、ドキッとするのは仕方ないことである。もちろん、それだけが原因だとは限らないが。
『そ、そんなわけないわ。晴香ちゃんは、おしっこをおトイレでできるようになってから言ってね?』
と、うまく言葉を返す真澄。
その後はもちろんそんなことはなく、アトラクションを楽しみながら晴香は2度もおむつを汚してしまっていた。そして、夜になり疲れ切った3人を乗せた車はいつもの町の方へと戻っていった。