2話。
今回は入学してすぐの研修の様子を描いた話になっています。
明日菜と和也のやりとりはいつ書いてもほっこりします(笑)
入学式から2週間経った頃、新入生全員での研修があった。
私は元々静かな方ではあったが人見知りをするわけではないので、2週間経つと結構クラスには馴染めていた。
「ねえ、明日菜って川島君と仲いいよね~好きなの??」
私に質問を投げかけてきているのは中学からの親友、九条彩だ。
和也と話す時間や一緒にいる時間が多い私はこの質問を投げかけられるのが日常茶飯事になっていた。
もちろん悪い気はしない。
「いやー??和也は入学式で仲良くなってから妙に気が合ったから仲いいだけだよ!
好きとかそんなのあるわけないじゃん??メガネだし。」
そう。私は恋愛について友達と話すのが苦手だ。
どんなに信用している友達でも人を好きだということは隠してきた。
もしかしてこれが災いとなって今まで彼氏ができなかっt・・・・・Oh My God!!!!
とはいうものの、やっぱり話すことはできない。
恋愛に至っては、人に話を振ることも振られることもだめ。
そんな話をしていると和也が私のもとにやってきた
私は和也のことが好きだけど和也はどうなのかな。そんなことを考えていた。
「明日菜、次グループで活動らしいよ~男女混ぜた4人グループ作らなきゃいけないらしいんだけど俺らと組んでグループ作らない?
俺、さっくんと一緒にいたから明日菜と九条さん入れたらちょうどよくなるんだけど、どう?」
どう?じゃない。断るわけないでしょう。鈍感もいいとこだからほんと。
ちなみに和也と一緒にいるさっくんというのは同じクラスの佐藤翔くんのことだ。
「うん、いいよ。彩も大丈夫だよね??」
「大丈夫!」
笑顔で承諾してくれた彩。かわいい。天使。
「んじゃ、グループできたとこから向こうに固まって並ぶらしいからいこう。」
グループを作って行われたのは、これから始まる学校生活をどのようなものにし、その上でどのようなことに気を付けなければならないかなどを、作ったグループ内で討論するというものだった。
「んー。やっぱり楽しいのが一番だよな。
そのためには常に全員が思いやりの気持ちをもってなきゃいけないし、楽しくないと思う人がでないようにひとりひとりが周りをよく見ておくことが必要なんじゃないかな?」
「和也、考えとしてはいいかもだけどちょっと小中学生っぽくない??」
「えーそうかなあ。じゃあ明日菜はどう思う?」
うっ。こういうのが嫌いな私は頭を抱えて考える。
「いやー・・・うん、和也の意見とってもいいと思う!!天才だねもう高校生活はそれに限るね!!楽しいの最高!!!(汗)」
「明日菜、川島君の意見に対して口挟んだのはいいけど自分がなにも思い浮かばなかったからごまかしたでしょw」
彩が私の本心をわかりきったように口に出す。さすが中学からの親友だけあって私のことをよくわかってる。つらい!!
「明日菜だめじゃんw
九条さんとさっくんはこの議題についてどう思う?」
「私たちも話してみたんだけど、川島君の意見はすごくいいと思う!」
私も和也の意見に口出しせずに黙って肯定しておけばよかった・・・・口出しておいて何も説得力のある意見だせないのはダサい。なんてこった。
「じゃあ俺らの班はこれで!
明日菜、お前は俺の意見にケチつけたくせに何も言えなかったから罰としてジュースかアイスおごりな」
「は?なんでそうなんのよ!!メガネのくせに生意気!!」
「メガネは関係ないだろ!いいから奢れよそれともなんか俺よりいい意見出すか??」
「うっ・・・申し訳ございません奢らせていただきます・・・」
やっぱり仲がいいねと笑う彩と、あきれた様子で私たちをみているさっくん。
研修の間はこのメンバーが固定になっていた。
やっぱり楽しいな。
高校生活は彼女の思っていた通りのものだった。
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