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第十五話 歴史の中へ 1

 中央広場の傍。小高い丘の上に、それはある。

 大理石で作られた純白の神殿。正面には神の像が建てられ、いましめるようにテストミアを俯瞰している。

 もっとも。

 それはかつての姿に過ぎない。いや、つい数分前までは、ヘレネス族が讃える姿をしていたんだろう。

 今は、上半身が完全にくだけちっていた。

 残骸の付近にはヘレネス族がおり、反対に二耀族の姿は見当らない。――加害者と被害者は、これでハッキリした。

 まあ当人たちの言い訳を聞けば、どちらもそうなんだろうけど。


「ど、どうする? 兄様」


「とりあえず市長さんが来るのを待つべきじゃないかな? 誰かが下手に動くと、また騒ぎになりそう――」


「その必要はありませんよ」


 当人の雰囲気を形にする、爽やかな抑揚が背後から響く。

 大衆の多くが振り向く中、ナギトとリオも同じ反応を取った。確かな歓声も聞こえ、状況が悪化したのか改善したのか分からなくなる。


「メルキュリク……」


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