過去と人、付き合い方 5
「認めてほしくて他人を褒めるの?」
「有り得ない話じゃないだろ? 普通、褒められれば誰だって嬉しいものだ。悪い言い方をすれば、つけ込もうとしたわけだな。しかし――」
仲違いしてしまったのは、現状を見れば明らか。
リオの推測が事実なら、魔術に対する評価は過去の遺産ということらしい。……あるいは市民の中で、二耀族は悪い魔術の使い手、とでもなっているのか。
どちらにしたって、迷惑な話だ。
自分たちが扱っている力を、どうして赤の他人が決め付けるんだろう?
魔術とは特権だ。そして特権である以上、外に誇示する必要はない。
希少な宝石を例えれば分かりやすいだろうか。その輝きに魅了された人間は、高い値段を宝石につける。金銭という、自然界にはない評価基準で、人間に理解しやすい価値基準で。
しかし本当に、希少な宝石だとすれば。
希少という段階で、その価値は固定される。
部外者からの評判など気高いモノには必要ない。彼らは自分自身で独立し、少数者となる。多数者になろうとするのはいつも、自分の価値を底上げしようとする――つまり低い階位にいるモノだ。
「……兄様、変なこと考えてないか?」




