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過去と人、付き合い方 4
「魔術を神の力とイコールで結んだのは、二耀族ではないかもしれない、ってことだ。讃えたい誰かが、勝手に結んだんじゃないかって」
「……誰かって、ヘレネス族のこと?」
「まあ他にいないしな。そもそも魔の術、だぞ? 自分から神という呼称を使うには、説得力に欠けないか?」
確かに。順当に行けば加護とか、神力とか呼ぶのが普通だと思う。
でも、それが二耀族へ向けられた嫌悪とどんな接点があるんだろうか? 一度話が逸れてしまったのもあって、直ぐに解答へ結びつけない。
「なあ兄様、知ってるか? 二耀族の男児は、マイペースなことで有名らしいぞ」
「え? 僕はマイペースじゃないよ」
「鏡を見て言え。――ま、そんなのは田舎育ちの、純血に近い二耀族限定なんけどな。しかしだからこそ、神の力という呼称に信憑性が持てる」
「ヘレネス族がつけたっていう?」
リオは兄を見上げて、力強く頷いた。
「海の向こうから来た私たちを、ヘレネス族は勝手に崇めて勝手に王にしたんだろう。二耀族へ認めてもらうために」




