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血と人と 4

 立ったままの兄妹に、戻ってきた工房長は座るよう指示する。

 リオはマナ石を戻してから、急いでナギトの隣りに腰を降ろした。


「お嬢ちゃん、マナ石は珍しいのかい?」


「ああ、私は帝国育ちなものでね。小さい頃はこっちに住んでいたんだが、あまり記憶には残っていないんだ」


「なるほどねえ。でもしばらくは、闘技大会の参加者として滞在すんだろ? せっかくだ、土産にいくつか買ってってくれ。安くするでの」


「……どういう石なら喜ばれるんだ?」


 案外とノリ気なリオ。顧客ゲットの匂いに、工房長も前のめりになる。


「帝国に住んでるんだったら、何を買っても喜ばれる。あーでも、最近人気らしいのはコイツじゃのう」


「?」


 工房長が机の上に出したのは、何の変哲もないマナ石だった。マナが動いている証の霧すら見えず、機動すらしていないような感じ。

 興味津々でリオが見つめる中、変化は静かに起り始めた。

 石の表面に波が立つ。そこから、ひょっこりと頭を見せたのは――


「猫?」


 手乗り猫、とでも呼べそうなサイズの生き物だった。

 猫は半透明だが、しっかりとした動きで周りの人間たちを観察している。まるで自分の主人が誰か、品定めするかのように。


「こいつはな、結晶生物、ってんだ」


「け、結晶生物!? それは、あの――」


「お嬢ちゃんたちが前に戦った、ドラゴンと同種の生き物だよ」


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