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血と人と 3

「んじゃ、ここで待っていてくれ。ワシはちっと一仕事すませてくるでな」


 言いつつ、工房長が指差したのは小さな個室だった。

 恐らく会議に使ったりする場所なんだろう。ガラスの向こうには木製のテーブルが一つと、いくつかの椅子が。隅にはマナ石も置かれている。

 工房長に従って、兄妹は個室の中へと入った。

 中はこれまでに比べてひんやりとしている。リオが少し驚いた顔をしているのは、育った環境上仕方のないことかもしれない。


「……不思議と涼しいな、この部屋」


「空調用のマナ石を使ってるからね。ほら、部屋の角に置いてあるだろ?」


「ふむ」


 妹は頷くと、意外にも慎重な身振りで手の平大の石を手に取る。

 そういえば彼女、好奇心が強い癖に臆病なところがあったっけ。しかも本人は自覚していて、直そうと努力しているところがある。

 一番分かりやすいのが口調だ。子供の頃は普通の話し方だったが、今は聞いての通り男性的。……別に、それだけでどうにかなるもんじゃなかろうに。


「便利なものだな。帝国でもっと普及させればいいだろうに」


「マナ石が武器の方に使われちゃってるからね。僕らが使ってる上位品には及ばないけど、強力なのに違いはないからさ。しかも――」


「市民との間で、いろいろ問題が起こるんじゃよ」


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