反逆者にして理解者 4
ナギト本人がここにいれば、彼はどう考えたろう?
恐らく、何も思うまい。彼とてアルクノメの性格は承知しているはずだ。彼女の解答も秘められた本心も、十中八九知りつくしている。
にも関わらず彼女に執着心を持てるのは、ナギトなりの素朴さなんだろう。
あの少年はよくも悪くも子供だ。自然体の中で、自身の感情と欲望を撒き散らす。
暴君であり、支配者としての人格がそこにある。
冷静であることは、彼にとって仮面に過ぎない。ただ周囲の反応が面倒で、そんな風に振る舞っているだけだ。脱ぎ捨てれば――オレステスの腕を切り落したような、冷たい本性が露わになる。
「では私はこれで。何か動きがあれば、あとで伝えよう」
「……来てほしくないけど待ってるわ」
返事はせず、クリティアスはドアノブを回して退室した。
見張りの兵に労いの言葉をかけ、落ち着いた足取りで外へと向かう。
最中、考えるのはナギトのことだ。彼が今後、どんな動きを起こすのか。
クリティアスの計画にとって、唯一の不確定要素がナギトである。彼はアルクノメの父親と同じタイプの人間だ。こちらの尺度で捉えれば、確実に足を取られる。




