反逆者にして理解者 3
「――は、はあ!? 何でアンタに言わなくちゃなんないのよ!?」
「君の精神性を測る上で参考になるからだ。あと、君の父親が気にしていたことでもあるのでね」
「……」
よっぽど意外な質問だったらしく、彼女は疑念しか向けてこない。人の愛情を馬鹿にしてるのか、と罵詈雑言を浴びせたくてたまらなさそうな顔。
「失礼な皇女だ。これでも人並みの青春は送ったし、女性経験もあるぞ」
「……嘘でしょ? とてもそうには見えないんだけど」
「いやいや、本当に私は普通の人間だよ。だからこそ我が王に引き寄せられたのだ。蜜にありつこうとするアリのようにな」
さて、とクリティアスは前置きする。自分語りなぞ、やったところで不愉快になるだけだ。
アルクノメは断るわけでもなく、こちらの様子を観察している。さすがに自身の恋慕を話すのは気が引けるらしい。
嫌なら嫌で結構だ。それもまた、情報としては参考になる。
「……まあ、好ましくは思ってるわよ。頼りになるし、助けてくれたし」
「では、そこに良心の負い目を感じたことは?」
「――あるに決まってるでしょ。今回なんて特にそう。私は皇女でありながら、彼を説得することも、抵抗することも出来なかった。……迷惑がかかるって、知ってたのに」
「なるほど」
当り前の、つまらない答えだ。




