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第十一話 砦の彼ら 1
「私は同胞を支援したい。……無論、市民と歩み寄ることは重要だと認識しているが」
「アタシも同じだね。正直、魔術工房とのパイプは維持しておかないと困る。オヤジを守る帝国兵の武装は、テストミアに頼ってる部分もあるからさ」
「じゃ、決まりですね」
工房と市民の和解、あるいは工房側の勝利。
やはりナギトにはどちらでも構わない。イピネゲイアの言った、工房とのパイプは魅力に感じるが。
「……ボウズはひょっとして、工房の品に紛れて帝国へ入ろうって寸法かい?」
「他に方法がなさそうですしね。間に合うかどうかは分かりませんが」
「力尽くで間に合わせなよ」
言われなくとも。
――と返したいが、やはり傷の不安は残る。マナのお陰で普通の人間より治りは早いだろうが、テストミアの問題解決も含めて遠回りにはなりそうだ。
「っていうか、今行くのは無理なんですかね? この瞬間にだって工房と帝国の取引はあるでしょう?」




