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嵐の前後 3

「はあ?」


 眉間に皺を寄せるイピネゲイアだが、事実なので仕方ない。

 思えば不思議な両親だった。周りの同年代が律儀に歴史を教わる中、彼らは息子にほとんど語らなかったのだ。ざっとの概要を教えてくれただけで。

 しかし、だからこそあんなことを言ったんだろう。

 私たちのコトは忘れなさい――夜中に家を出た両親の背中を、泣きじゃくる妹と一緒に見送った。

 なぜ家族を捨てるようなことを言ったのかは知らない。ナギトにとって両親は理解不能の生き物だった。一族の使命に燃える、友人たちの両親とは違っていたのだ。

 でも悪い人たちじゃなかったし、親子の情はきちんとあったんだろう。

 だから遺言じみた台詞には、聞いた途端に従った。彼らがナギトに害をもたらしたことはないんだから。

 父と母の胸のうちを覗けなくても、自分が持っている信頼は分かる。

 理解不能は不信を置く理由じゃない。だって、理解不能だと分かるんだから。人間が不信を抱くのは、これまであったイメージから逸脱されたときだろう。

 でも、ある意味。

 自分は両親に裏切られたくなくて、曖昧な評価を下しているのかもしれない。


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