嵐の前後 2
「まあその、両親のことがありまして。それでも考えてたんじゃないかと」
「あー、確か神殿を破壊した側だったんだっけ」
「ええ。……両親が家を出る時、私たちのことは忘れろ、って言ったんです。僕は納得したんですけど、妹はそうでもなくて。凄いわがまま言うもんだから、帝国にいる親戚が引き取ったんですけど」
「かなり未練は残ってる、ってかい?」
「多分、ですけどね。厳密には、二耀族そのものかもしれませんが」
「ほう?」
一族の歴史。それは伝統上、家督を継ぐ長男にしか教えられない。
妹はよく周りに大人たちに、ナギトに一族の歴史を尋ねていた。が、努力が無駄に終わったのは言うまでもない。二耀族は結構、掟に対して堅い考えを持っているからだ。
曰く、神への誓いを破ることは出来ないと。
神殿を破壊しておいて何言ってるんだと突っ込みたくなるが、ナギトはその真相を知らないわけで。大手を振って批判するのはどうだろう。
「でもボウズ、アンタ一族の歴史には詳しいだろう? 長男なんだから。堅苦しいこと言わずに、教えてやったらどうなんだい」
「いやそれが……僕も両親からはあまり聞かなくて。さっき話したのが全部なぐらいです」




