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過去からの疼き 6
「何が?」
「いや、バルバロイと呼ばれてだ。私は馴染みが薄いが、殴られたりしても文句は言えないんだろう?」
「まあ大抵の二耀族は怒るらしいね。でも僕は気にしないよ。自分は自分なんだから、他人にとやかく言われても」
「ふむ……」
あまり納得できなかったのか、リオは腕を組んで思案している。
しかし本題を無視する気はないようだ。ハッと目を見開いて、無関係な話題をしまう。
「分断の原因はアレか? 以前、二耀族が神殿を破壊したかいう……」
「そ。一部の人たちだったんだけど、いきなり神殿を破壊してね。神様の像とかも粉々でさ。それに怒った他の二耀族を中心に、彼らを倒そうとしたんだよ。予選の一環としてね」
といっても、神殿の破壊それ自体に激怒したのは、ヘレネスだけだ。
二耀族は彼らの神を信仰していない。信仰という文化自体に疎い。
にも関わらず戦ったのは、どういう理由だったのか。――実はこの辺り、ナギトはまったく知らされていない。周りの仲間もそうだった。共同体としての同情では、と言われているぐらいである。
父や母は、真相を知っていたようだったけど。




