真槍VS魔眼大盾 7
「ふふ、勘違いはしないでくれ。私は引き金を引いただけだよ? 彼は最初から、あの場にいたんだ」
「どういう意味ですか!?」
「答えると思うかね?」
一歩、踏み込んでくる。
加減でもしていたのか、クリティアスの攻撃は苛烈を極めた。反撃の隙を与えず、圧力をかけ続ける。
その中で。
魔眼大盾の能力が、ナギトを捕えた。
身体は避けるべく動こうとするものの、完全に静止している。ドラゴンの時とは違う、力をどれだけ入れても完全に動けない。
激痛が走る。
正面からではなく、全方位。頭から爪先に至るまで、裂かれるような痛みが襲ってきた。
「がっ!?」
くの字に折れた身体が、盾で力の限り突き飛ばされる。
ぶち込まれた先には校舎の残骸が広がっていた。壊れた木材を支えに立とうとするが、上手く力が入らない。
「く、そ……」
「動ければ避けたんだろうが、まあ無駄なことだ。魔眼大盾の能力は空間凍結と、そこから連鎖する空間の破壊にある。少しでもまともに浴びれば終わりだよ」
「――っ」
敵が近付いてくる。
助けはない。自力で立ち上がるしかない。
だが、壊れた身体は持ち主の意図に反して悲鳴を上げている。骨と肉が軋み、神の槍を扱えるだけの力すら残っていない。
負ける――頭にこびり付いた言葉が、戦意を犯す。
「皇帝陛下には申し訳ないが、私には私の目的があるのでね。アルクノメ皇女と共に、冥界から世の終わりを見るといい」
「ぐ……」
剣が。
降って、くる。
「止めなさい!!」
敗者への鉄槌は、少女の愚直ともいえる声に止められた。




