真槍VS魔眼大盾 5
爆音が鳴る。ナギトたちに向けられた一撃が、今度は身内である帝国兵を吹き飛ばす。
この場がどれだけ危険か、彼らにも納得がいったらしい。動ける者は自分の武器すら手放して、転ぶように逃げ去っていく。
「邪魔者はいなくなったか。……君らも、この方が暴れやすいだろう?」
「い、いやあの、クリティアスさん?」
「何かね? 私は私の信条に基づいて、君を殺しに来たわけだが?」
言うなり、やはり大盾から光が放たれる。
狙いはナギト一人で、効果の発生と回避はほぼ同時だった。空間が生み出す余波に、短い頭髪が大きく揺れる。
「――リオ、援護お願い! あの盾はどうにかしないと、後が大変だ!」
「ふむ、つまり本体は放置してもいいと?」
「じょ、冗談言ってる場合じゃないよ!?」
まったくだ、と応じたのはクリティアス。
謎の衝撃破が、魔眼大盾から一直線に突っ走る。大きく離れるナギトとリオ。それぞれの手には槍と弓が握られていた。
二対一。正面からの激突では勝ち目がないが、どちらかが囮になれば――
「甘いな」
クリティアスは右手を掲げる。
手の甲に記されているのは、オレステスと同じような出場権の刻印。
目論みへ勘付いた時には遅かった。
周囲の光景が一変し、妹の姿も雑兵の姿も消える。
「く……」




