未知との激突 5
しかし命中する直前、奴は自身の体格を変化させたらしい。威力が低めに設定されている純潔狩猟では、甲殻の一部を吹き飛ばすので限界だった。
それでも、ナギトにとっては大きなチャンス。
だが敵はきちんと読んでいる。全身を白い霧で包んだかと思うと、次の瞬間には人間サイズへ戻っていた。
拳と槍。支援の弓兵を無視して、両者は正面から激突する。
圧倒的に不利なのはナギトだった。
マナを吸われ、動きが鈍くなっていく。リオからの援護もない。動きながら戦っているため、彼女の死角に移動してしまったんだろうか。
「っ……」
何度間合いを作ろうとしても、投げるまでの時間はもらえない。
このまま追い詰められるしかないのか――敵の攻撃に喰いつきながら、唇を噛む。
勝つには一旦距離を開けるしかなく、ドラゴンはそれを許さない。平行線で向き合っている限り、死角から不意を突くなんて芸当も不可能だ。
なら。
平行という位置でなければ、まだやれる。
ナギトは真槍の切先を地面に向けた。一瞬で条件を満たせるとすれば、これしかない。
全力の一撃を、叩き込む。
必然的に生み出された衝撃は、ナギトを空中へと攫っていった。




