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魔竜咆哮 2
記憶している情報とその外見が一致する。アレはナギトの得物と同じ、人外の武具。神によって作られた、魔術兵器の一つだと。
「……純潔狩猟、だったかしら?」
「そう、三大処女神であり、狩猟神が使っていたとされる弓だ。帝都の神殿に保管されていた物だが、闘技大会への出場を理由に許可が出てね」
「必中で有名だったわね、確か。威力に課題があるそうだけど」
頷きながら構えるリオは、矢を持たない。
代わりにあるのは、矢の形をした光だった。魔術で生成したモノだろう。
「では始めるとしようか。……アルクノメ様は確か、魔術の心得が少しあったろう? 対等な勝負を期待する」
「――ええ、望むところよ」
もちろん、実際にはただの見栄。正常に魔術を発動できるかどうか、それさえアルクノメには不安だった。
ナギトさえいれば――頭の中を占めているのはそんな懇願。この空間が外から区切られていると知っていても、好都合な現実を祈ってしまう。
本当、今更だが。
彼がいないと自分の身一つ守れないなんて、情けない。




