第五話 魔竜咆哮 1
光に包まれた。
アルクノメに分かったのはただそれだけ。……眩しくて目をつぶるしかなかったのは、どうも情けないような気がする。父だったらもっと泰然としていただろうに。
「……ど、どうなってるの?」
辺りには誰もいなかった。
自分の立っている場所は変わっていない。学校の正門前だ。日差しが差し込む位置まで同じで、一歩たりとも自分が動いていないことを自覚する。
でもナギトを含め、誰一人この場にはいない。
アルクノメは茫然として立ちすくむだけだった。ナギトさえいれば、と叶いそうにもない願いばかり考えてしまう。
「無駄だぞ、それは」
心を見透かしたのは、校門の向こうにいる少女。
幼馴染と同じ二色の髪。全体的な雰囲気も似ていて、思わず安心しそうになる。
しかし直前に聞かされた言葉が、アルクノメの警戒心を蘇らせた。
オレステスの代理、闘技大会の参加者。予選がどんな風に行われるかは、情報として知っている。この状況がそれに該当していることも、頭は少しずつ理解し始めた。
「久しぶりだ、皇女様」
「リオ……貴方、オレステスに従ってるの?」
「ひとまず、ではあるけどね。私の目的に利用しているだけさ。彼自身に興味はない」
「目的って、闘技大会の出場?」
「まあ、大まかには」
言いつつ、ナギトの妹は弓を構えた。




