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堅い床の上で 6
物音を立てず顔を覗いてみると、予想は的中。子供のように安心しきった顔で、彼女は寝息を立てている。
起こすのは忍びない。気付かれたら面倒そうだが、今日は床で寝ることにしよう。人間、目をつむればどんな環境だって眠れるはずだ。
「あ、そうだ、明かり」
スイッチは部屋の出入り口に。帝国ではあまり見ない代物でも、テストミア暮らしのナギトには関係ない。扱いはきちんと心得ている。
指先で押すと、部屋はあっという間に闇の中へ。月明かりが満足に注がない分、その暗さは夜よりも深かった。
堅い床の上で、まぶたを閉じる。
アルクノメをどうやって説得するか――意識が途絶える直前まで、考えるのはそれだけだった。




