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堅い床の上で 5
しかし出来ることなら、市長の要求には応えたいところだった。テストミアはあくまでも中立。処刑されるはずだった皇女を迎えるなど、敵対行為と取られても仕方ない。
闘技大会の予選会場である以上、それが終わるまで表立った攻撃はないだろうけど。
「……詳しくは明日話そうか。頭がスッキリしてる時の方が、良い考えが浮かぶかもしれないし」
「ですね」
市長はさっそく席を立つと、大あくびを残して部屋から去る。見送るナギトにも、彼のあくびは伝染した。
「――うん?」
寝ようとして、ナギトはようやく首を傾げる。
ベッドは一つしかない。そこはアルクノメが占拠していて、交渉の余地などなさそうだ。今だって、彼女はピクリとも動かない。
「あの、アルクノメさん……?」
無残にも返事はなし。眠っているだろうか?




