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目覚めと予兆 4
リオと同じ意見。少し後ろめたさを感じてしまうのは、地下であんな話をした所為だろうか? あるいは、本音を返せないことからの息苦しさか。
……工房長とは付き合いが短い。会話に対して遠慮があるのは、ごく当然の成り行きだ。
いろいろ悩んでいる間に、目的の看板が目に留まる。
「ここでちっと休憩してこい。ワシは嬢ちゃんが待ってる部屋におるからな」
「はい。直ぐ行きますんで」
「急がんでいいぞー」
手を振りながら去っていく老人。ナギトは一礼を交えながら見送って、武骨なベッドの上にアルクノメを降ろす。
お世辞にも健康的な寝顔ではなかった。額に汗を浮かべ、呼吸も少し荒くなっている。
「……お医者さんがいるかとうが、ちょっと聞いてこようかな」
避難者を匿っているようなことは言っていた。二耀族の医者なら、マナ関連の異常にも詳しいだろう。
汗で張り付いた前髪を静かに拭ってから、ナギトは部屋を後にする。
もとい、しようとしていた。
「ん……」




