115/192
豹変の地 4
「く、止むを得ないか……!」
しかし。二人のエサが逃げるのに合わせて、一頭のドラゴンが飛び掛かってくる。
牽制しつつ、兄妹はどうにか町の中へ。追ってきたドラゴンが建物に突っ込むが、勢いを殺すぐらいの役割は果たしてくれた。
ここにも、人は残っていない。
二耀族もヘレネス族も同じだった。代わりにいるのは結晶生物ばかり。住民としての敬意などない、敵意だけを送ってくる。
すでに殺されたのか、あるいは避難したのか――らしくなく、他人の安否が気掛かりだった。
「ぐっ!?」
突如、隣りを走っていたリオがくず折れる。
差し伸ばした手を掴む彼女だが、どうも足腰に力が入らないらしい。ドラゴンのマナ吸収だ。
――しかし。敵の徹底さが、逃げる姿勢を上回った。
「囲まれた……!?」
やはり最強種。路地を挟む形で、二人の退路を断っている。数頭のミノタウロスも混じっていた。
「に、兄様、私は自力でどうにかする。先に行っててくれ」
「こんな状況で言われて、説得力あると思う!?」
多勢に無勢だが、撃破するしかない。




