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職業勇者制度が成立して100年経ったので識者の俺が解説してみる。  作者: コムギ・ダイスキーノ・アレルギノフ
勇者のなり方
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私塾制度

 勇者を目指すルートは予備校に通い、派遣業務をこなす以外にも私塾という道がある。私塾とは主に都市部から離れた農村部に点在し、勇者免許を持つものにより、個人的に経営される塾である。


 予備校といのは都市部に集中しており、なおかつ私立で四年間通わないといけないということもありその学費は高い。そのような条件にそぐわない農村部の家庭に生まれた受験生のための制度であるといえよう。


 私塾は基本的には半年単位から通うことができ、学費も予備校に比べると平均4分の一という調査結果が出ている。少人数制をとる場所が多く、マンツーマン指導を受けることができるなどのメリットも多い。また、都市部のシステマチックな派遣制度に比べると、その地域一帯の勇者利権を一気に引き取ることができ、免許取得後はその地方に残り、仕事を全うするものも多いのである。地域のコネクションが強く、免許取得後もすぐさま勇者独立を目指すことができるのも魅力である。


 しかし、やはり指導力の点でいうと予備校にはいくらか遅れをとっており、職業勇者の我流であるという問題も否めない。また、大手予備校も最近では農村部にマーケティングを展開しており、その巨大な勢力に太刀打ちできないという指摘もある。

 

 指導力の問題については幾つか制度としての歪さが原因となっている。農村部の勇者は現状、不足気味であるため、冒険省の計らいで、農村部で私塾を開くものには莫大な補助金が入る制度があるのだ。それに目をつけた都市部で仕事に有り付けない職業勇者が利用するというケースが多く、志の低い指導者になってしまうというのが原因の一つである。

 

 もっとも、勇者免許を持っている時点で実力は折り紙づきなのだが、補助金を使いすぎという指摘もあり、曖昧な態度での塾経営を行うものが続出している。その証拠に、試験合格率は都市部の予備校と比べるとあまりにも低いというデータがある。


 しかし、貧困家庭などからも勇者を目指せる制度ということもあって、農村部では存続し続ける制度であろう。何しろレベルが低いといっても本物の職業勇者の指導を受けることができるというのはありがたい。ただし、私塾専業で何年も冒険に出ていないという職業勇者もザラであり、最近では、年齢を重ねた壮年勇者の後進指導の場として受け皿もあり、最新の受験システムに対応しきれていないという課題もまだまだ多い。


 

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